ミュージシャン②鬼束ちひろ~11
次は「everyhome」ではなく、カップリングの「MAGICAL WORLD」です。
理由は極めて単純で、「MAGICAL WORLD」が好きな曲だからです。
鬼束ちひろさんにしては珍しくⅢmーⅥmが出てくる、メジャーマイナーな要素を持った曲ですね。
多用はされておらず、基本はやはり長調です。
いわゆるBメロのない曲ですが、Aメロにドミナントがないところが潔いです。そうすることによって、サビのドミナントモーションが効果的に響くからです。
後、この曲、プロデュース、編曲ともに小林武史さんなんですが、あまりらしくないんですよね。
やはり鬼束ちひろさんの場合、色が明確だから、その辺は意識せざるを得ないのかと。
わりと小林武史さんっていかにも的なシンセ音を良く使うんですよね。上手く馴染ませているから、あまりそういうイメージはないと思いますが。
でもこの曲にせよ、「everyhome」にせよ、そういう音は使っていません。いかにシンプルにするかに重きをおいて制作している印象です。
実際にこの曲もピアノとチェロだけの編成ですから、いかにも「鬼束ちひろ」的なアレンジにしている印象です。
自分の色に引きずり込まない、これはやはり小林武史さんが優れたプロデューサーであることの証だと思います。曲を理解していないと出来ないことですから。
それとやはりこの作品の詩が好きなんですよ。
自分のことを歌っているのかと思いました。
そんなことある訳ないけど(笑)。
でもなんだか聴いていて涙が出てきたことが何度もあります。
生きづらさを感じている時、きっとこの作品に感じるものがあると思います。
もしそういう時があったら、この曲を聴いてみてください。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。