カバー⑬

今日もまた失敗例を取り上げたいと思います。

またまた竹内まりやさんです(笑)。

竹内まりやさん自体は好きなミュージシャンなんですよ。ただ、セルフカバーはいただけない作品も多いです。

今日取り上げる作品はオリジナルは多分誰も知らないだろうと思われる、「リユニオン」です。

オリジナルを歌っている方自体は多分誰でも知っていると思います。

「ありの~ままで~」と歌っていたあの方です。今日の夜も流れるようですが。

ちなみにMay J.さんではなく、松たか子さんです(笑)。

オリジナルのアレンジは松たか子さんの旦那さんがやっていたはずですが、実に素晴らしいアレンジで、これ超えるのは多分厳しいと思います。

アコギ2本を左右に配置、ベース、ドラム、パーカッションといった形の編成ですが、アコギがやはり絶品です。

もう最後のアコギのハーモニクスなんてたまらないんですよ。

で、竹内まりやさんのセルフカバー(「夏のモンタージュ」と同様、「TRAD」に収録されています)の方は正直何がしたいんだか良く分かりません。

アレンジも山下達郎さんっぽくないというか、変にオリジナルを意識した結果、迷走したようなイメージです。

何故バックで弾くコードをエレピっぽい音にするのか、何故アコースティックピアノでああいう装飾音的な単音のフレーズを弾かせるのか、そもそもこの曲にストリングスは必要ありません。

全くもって意味不明なアレンジです。

多分山下達郎さん、自分らしさを追求した方がまだ良かったんじゃないかな。

と、一瞬思ったのですが、もっと重要な点に気がつきました。

この曲自体が、竹内まりやさんに合ってないんですよ。

竹内まりやさんって、好き嫌いはともかく、割とねっとりと歌う方なので、この曲の歌詞の、かつての恋愛を過去のものとして、新たな関係を築いていく、といった要素が表現されにくいんですよ。

で、これに対し、竹内まりやさんのセルフカバーの方は、アレンジもその声を活かそうとするアレンジになるから、なおさら迷走してしまったのでしょう。

というより、むしろその部分を隠すためにこのようなアレンジにしたのかもしれません。

その点、松たか子さんはさらっと歌っているので、歌詞が上手く表現出来ているんですよね。

もちろんアレンジの差も大きいとは思いますが、やはり曲には向き不向きというのがあって、上手い方であってもそれは同じように存在する、そのことを感じさせる2つの作品だと思います。






ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。