カバー④

カバーと言っても、他の方の曲をカバーすることだけがカバーではありません。自分自身の曲をカバーする方も多いと思います。

竹内まりやさんなんてある意味これがビジネスモデルと言ってもいいかもしれません。

他の方に提供した曲をセルフカバーして、それを販売しているようなイメージがありますから(笑)。

結構セルフカバーの方が有名な曲も多いかもしれません。

ただそれだと面白くないので、どちらもそれほど有名でない曲を取り上げたいと思います。

「夏のモンタージュ」です。

オリジナルは高畑充希さん(名義は「みつき」だったはずです)が歌っています。皆さんこの方は良くご存知でしょうが、この歌を知っている方は少ないと思います。もちろん作詞・作曲は竹内まりやさんです。

でこの曲を竹内まりやさんが「TRAD」の中でカバーしているのですが、これはあまり良くないんですよね。こちらの方が有名かもしれませんが(笑)。

確かに竹内まりやさんの方がアレンジとしては新しいアレンジです。

そして安定感があるアレンジだとも思います。

ただ、それが悪い方向に働いて、オリジナルと比べると明らかにメリハリのないアレンジになってしまっています。

一言で言うと、変化のないアレンジ、といったところでしょうか。

おそらく二人の歌い方の違い、というものもあるとは思います。もちろん良し悪しの問題でなくて、しっとりとした竹内まりやさんの声と比べて、高畑充希さんの声の方が真っすぐな声ですから、歌を活かそうとすれば違うアレンジになるのは当然とも言えます。

そういう意味合いがあったのかどうかは分かりませんが、オリジナルとは違った雰囲気を目指したののに、どうもこのアレンジ、オリジナルと比較すると、この曲にあってないんですよね。

細かい部分には気を使っているのに、大局観のないアレンジ、といった感じです。

というより、オリジナルの方が山下達郎さん的なものがあるようにさえ思えます。

これは明らかにオリジナルを意識して違うものを作ろうとしたら、間違えちゃった的な例のように思えます。

どうしてもカバーを作ろうとすると、オリジナルと違ったものを作ろう、という意識は絶対あるんですよ。そうしないとコピーみたいになってしまいますから。

「歌ってみた」をやっている訳ではなく、あくまでも作品として制作しているので、当たり前と言えば当たり前ですが、どうしてもオリジナルが強すぎるとなかなかカバーが難しくなるんですよ。

その典型的な例と言ってもいいかもしれません。この曲もカバーだけ聴くとそれほど悪くはない、というよりは普通にいい曲ですから。

ただエンディングの意味不明な音だけはやめてほしいな...。

ただやはりこの辺は難しいところなんだと思います。これがカバーの怖いところなんですよね。いいものを作っても常にオリジナルと比較される訳ですから。

こういう曲を聴くとやはりカバーに対しては慎重にならざるを得ないだろう、と考えています。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。