アレンジの時代性⑱

で60年代後半から、傑出したプレイヤーの存在が音楽に影響を与えることになります。

やはりこの時点で最も大きな存在だったのは、Jimi Hendrixでしょう。この人以前と以後ではエレクトリックギターは全く違う楽器となった、といっても過言ではありません。

前述した通り、それまでのポピュラー/ロックはやはり「歌」中心だったと思います。でも突然世界に「エレクトリックギターメインで音楽を作り上げることが出来る存在」が出現した訳ですから、当然音楽にも影響を与え、アレンジにも影響を与えることになります。

それまでポピュラー/ロックでは「上手い」プレイヤーはいても、傑出したプレイヤーはいなかったと感じています。Jimi Hendrixが現れたことで世界が変わったんですよ。

「あ、ギター1本でこれだけのことが出来るんだ」って。

「歌以外にも音楽の可能性があるんだ」って。

この頃をきっかけに、歌中心だったポピュラー/ロックの中に「楽器を弾く」ことがプラスされていったんだと思います。

これはギターに限ったことではなく、他の楽器でも同様だったと考えています。

もしそうでないとしたら「プログレッシブロック」も生まれる余地は無かったでしょうから。

で、バンドサウンドに楽器の要素が加わることにより、必然的にアレンジにも変化が生まれます。

歌をメインで聴かせるのではなく、作品全体を聴かせる方向に変わるきっかけになったのかと。

その後の70年代はその延長線上にあると言っていいと思います。

70年代はJimi Hendrixが撒いた種が色々な所で花を咲かせていった、というイメージで捉えています。

サウンドの自由度は日本の当時と比べて遥かに広いですよね。楽器の編成も同じアルバムであっても、曲によって違うのが普通ですし、かつそれが自然、といった感じだと思います。

後日本との大きな違いは不用意に「リズム隊」を鳴らしていないことだと思います。「Hotel Carifornia」辺りを聴くとその辺が良く分かると思います。

イントロは基本ドラム無し、でボーカルが入る直前にドラムをガツンと入れることによって、その後のボーカルを活かしていますよね。

80年代になっても日本ではこういったアレンジは少ないと思います。


ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。