純邦楽④

今日は少し話を変えて、従来の日本の音楽(純邦楽)が西洋音楽の影響を受けた結果の一つを書きたいと思います。

よくヨナ抜き音階(ここで言うものはヨナ抜き長音階の方)が「日本的」なものだ、という言われ方をします。

これは真っ赤な嘘です。

ヨナ抜き音階、確かに昔からあった、これは紛れもない事実です。

ただ、これ、いくつもある旋法の中の単なる一つなんですよ。実は色々な旋法が純邦楽にはある訳で、ヨナ抜き音階以外にも色々な旋法があります。

ヨナ抜き音階が「日本的」なものとなったのは明治以降の話です。

西洋音楽に対抗する一つの軸を国家として作る必要があった。それがヨナ抜き音階です。

そもそも日本でなくてもヨナ抜き音階は世界中にありますから(笑)。

実際にヨナ抜き音階、当初は日本的なものという意識すらなかった。

やはり明治初期はUKの影響が強かったため、イングランドやスコットランド民謡の影響が色濃くあり、これを意識した結果、日本の音楽の中でヨナ抜き長音階との共通性が意識され、唱歌が生まれた、これが「日本的なもの」になってしまった訳です。

だからヨナ抜き長音階は全く日本的なものではありません。

しかしそういう言説が当たり前のように今の世の中では語られてしまっている。

まあカレーライスやラーメンまで日本食にしてしまう国だからしょうがないような気もしますが(笑)。

でも音楽のプロが平気でこのようなことを言うのは少し信じられませんね。

やはり音楽史への決定的な無理解がこのような現象を生んでいるのでしょう。


ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。