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歌詞のある曲が聴けなくなった日。

こんばんは。
noteをはじめたきっかけは言語化してみたいという理由もありますが、
その背景には、心が疲れてしまってネガティブ思考の自分の気持ちを
誰も知らない場所で言語化することでリセットさせていきたいという
理由があります。
私にとっては少しばかり重い話なので、書こうかどうか迷ったのですが
強くなれたので書きました。

今年に入って、私は人生で初めて心を病んだ経験をした。
時期としては約3ヶ月。
仕事でもとても悩んでいて既に病みかけていた時に、
舞い込んできた身内の不幸。

幼い頃から憧れていた仕事は想像以上に肉体労働で、
それでいて複雑な人間関係。
優しい人ももちろんたくさんいるけれど、
心無い言葉、萎縮するような言葉を平気でいう人、
まるで駒のように動かしてくる会社。
それに重なって気を遣いすぎてしまう、気にしやすい私の性格。
仕事の適正として正直あまり向いていないのかもしれない。
それでも憧れの仕事で、大好きなものの近くで、大好きな場所で働ける。
それだけが私の心の支えだった。

そんな生活が7ヶ月続いた。
仕事が終わって帰ってくると、安心感と疲れで気を失うように寝る。
もちろんご飯もお風呂にも辿り着けなくて、
ベッドの上にあるメイク落としシートを手に取ることで限界。

仕事中はいたって普通で、上司も期待してくれてた。
特別仕事ができないわけでもないと思う。
ただ真面目すぎたのか、頑張りすぎたのか、
徐々に体よりも心が疲れていくのを感じた。

涙が止まらなくなって、限界を感じて、明日はもう休もうかと迷った夜。
飛び込んできた身内の危篤の連絡。
必然的に休まざるを得なくなって、会社に連絡した。

後悔しないように最後のお別れを言いに行った。

仕事は楽しい?
しおんちゃんの結婚式見たかったな。
この間〇〇を見せてくれて嬉しかったよ。

うん。楽しいよ。毎日が充実してる。
いつか見れるよ、だからもうちょっと待ってて。
私も一緒に〇〇できて楽しかったな。
ありがとう、また来るね。

そう言って静かに後にした。これが最後だってわかっての言葉。
春のあたたかさと香りが開いている窓から入ってくる。
ご飯を食べながら、カーテンが揺れて、ふわふわと浮かぶ雲を見たとき、
私って生きているんだって、そう感じた。
身近に確実に近づいている人がいるから、
それをより強く感じてしまって、ぼろぼろと涙が出た。

私の仕事は泊まりがある。
明日仕事に行くということは、もう帰ってこられないことを意味する。
それでも私は仕事をすることに決めた。
だって、悲しませたくないから。

覚悟を決めて行った仕事。
その晩に知らせを聞いた。
本当に辛かった、行きたくても簡単に戻れない。
帰りの仕事が残ってる。

仕事中はどんなに辛くても笑顔でいなければいけない。
心の中の私はもうぼろぼろなのに、
それでもいつも通り何事もなく終えた。

お葬式のすぐ後にたまたま3連休を取っていたりで、
一時的に仕事から離れる期間があった。
その間に私は少しだけ回復した。

危篤の連絡が入った時、1番辛かった時だったから、
それが最後のプレゼントだと思っている。
ちょっとだけ私に休息の時間をくれた。

この時ぐらいからだろうか、歌詞のある曲が聴けなくなったのは。
歌詞のある曲は疲れてしまうから、クラシックばかり聴く。

そして仕事に対しての考え方も変えていこうと決心した。
程よくサボること。頑張らないこと。
頑張らなくても、私は十分頑張ってる。

そうして良くなったり落ち込んだりを繰り返しながら、
私は徐々に回復していった。
疲れて夜ご飯を食べられないのは変わらないけれど、
楽しみたいと思うことが増えて、お出かけしたいと思えるようになって、
ついに大好きなアイドルの曲を聴けるようになった。
歌詞のある曲を聴きたいと思えるようになった。

自分にとって辛い経験をしたから、また少し強くなれた。
自分にも他人にも優しくなれた。

仕事をする意味もまた少し増えた。
仕事をすることは日常的に大好きな人に会いにいくこと。
少し距離が近くなるから、心の中で会話する。

今日もきたよって。頑張るね、見ててねって。








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