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#126 11月20日、朝。



若手と娯楽性の高いフットボールで期待を抱かせた2011年


 
手元から昇格がこぼれ落ちた2012年


 
あと一勝に泣いた2013年


 
全ての貯金が崩れ去った2014年


 
現実に直面した2015年


 
新たな希望も芽生えた2016年


 
順位以上の絶望を見た気がした2017年


 
かつてない危機が現実味を持った2018年


 
躍進が最後に悲劇を呼んだ2019年


 
どこか消化不良を抱く船出となった2020年
 
 
 
─これがサンガの10年間でした。


2010年の最終節、FC東京戦─バックスタンド試合を見ていた私は当時中学1年でした。FC東京を道連れにしたあの試合が、まさか2021年もまだサンガにとって「最新のJ1の試合」になるとは当時は夢にも思っておらず、あの年に一緒に降格したFC東京は1年で、湘南は2年でJ1へと帰っていきました。
甲府、福岡、山形、大分、札幌、……J2で聞き馴染みのある面々は、彼らには彼らの紆余曲折を経ながらも、まるでサンガを置き去りにするようにJ1に旅立っていく……たとえその後J2に戻ってきたとしても、近いところにいた気がした彼らは遠いところに行った気がして、逆にサンガを遠くの存在として見ていたはずの徳島、松本、長崎といったクラブが追い抜いていく……年を取り、いつかは老いがくる選手に対し、本来年を取らないはずのクラブでさえもどんどん年老い、衰え、いつしかJ2がしっくりくるクラブになって、遂にはJ3降格でさえ現実的な恐怖として迫るようにもなった。13-1というとんでもないスコアも見た。「優勝を見るまでは死なない!」なんて言う人がよくいるけれど、サンガにとってその対象がJ1になってしまうのだろうか……いずれ帰れる、すぐに帰れると思っていたJ1は、次第に近い目標ではなくなり、いつしか遠い目標にすらなっていく感覚がありました。


気がつけば2021年、ちょうど10年が経ちました。
今や私は24歳。立派かどうかはともかく、成人式も終え、バキバキに成人し、もう来年には20代前半ですらなくなります。
一言で言えば10年です。でも10年とは、14歳の者は24歳になるし、アラサーに突入した人間はアラフォーになっている。親にチケット代を出してもらってサンガを見た季節はいつしか過ぎ、バイト代でチケットを買い、そして今では収入でチケットを得た……私が人間として大きな変化を迎えるこの10年、ずっとサンガはJ2でした。

必然なのか、偶然なのか、宿命なのか、呪いなのか…それはわかりません。
でも、今年遂にここまできた。ここまできたんです。

苦汁を舐めるどころか、まるで浴びるようなこの10年間、望まぬ旅路を延々と歩み続けたこの10年間─時代は平成から平和に変わり、サンガは遂に本拠地を手にした。あと手にするべきものは一つのはずです。10年間に…いや、2010年11月14日から続くこの11年間に、いい加減ケリをつけましょう。


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