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ロリータ(ナボコフ 小説)

※センシティブな主題を取り扱いますが、
全ての性加害問題について反対です※


ロリコンの語源になった小説。
リンクは2005年新訳版、元々は英語で書かれていて、昭和から平成にかけて和訳されている。時代によって少女ロリータの若者言葉の口調の訳が違うのが興味深い。

↓すごく大まかなネタバレ避けまくったあらすじ

 主人公のハンバート(中年男性)は、幼くして亡くなった初恋の人にそっくりな少女ロリータに一目惚れ。
 ハンバートはシングルマザーのロリータ母と再婚し、継父としてロリータの傍にいることにした。
   途中でロリータ母が亡くなり、ハンバートはロリータを連れて全米を旅しながら性的虐待…
…という、かなり倒錯した話。

(↓ネタバレ有りのあらすじはこちら)

ハンバート、中年になっても初恋の人の面影を追い求め続けているところに着目したら、源氏物語の光源氏の心理をちょっと思い出した。
   倒錯した欲望を実生活に絡めたのは人権や倫理的に完全アウトだが、人生初期の憧れが大人になっても続くのは、ある種、人のサガなんだろうか…と思ってしまった。

ロリータ側からみたら、倒錯した大人に振り回されて人生の若い時期を滅茶苦茶にされる悲劇。継父の初恋の人に似てる?若者からすると知らんがな、だ。
ちなみに清楚系ロリでは全然ない。日本語訳のバージョンにもよるけど、言葉遣いや素行はいろいろ悪い。

(↓日本語訳別バージョンこちら)

衝撃的な主題をひたすら美しい文章表現で書いているので、長編だけどすんなり読めて不思議だった。描写の言葉のチョイスがとにかく美しくて、倒錯した世界観なのに、なんか読めてしまう。

最初に読んだ時は中学生、その後20代~30代にかけても数回読んでみたら、自分の年齢が上がるにつれて、ハンバートの異常さとロリータの憐れさが脳内で浮き彫りになった気がする。自分自身が元より、若い子を守ってあげたい(見守りたい)と思う性分だからなのかもしれない。




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