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忙しくて何もわからん(2021/01月報)

 どうも。年末以来仕事が猛烈に忙しくなり、体調メンタルともにバランスを崩しつつどうにかやっています。とにかく平日はギリギリ生き延びて、休みには溜め込んだ家事などを消化しつつ心身を回復……みたいなサイクルでギリギリ回している状態なので、月報レベルのアウトプットにさえも気力が向かない状況。

 しかしこのまま行くと隔月報になってしまう(というかもうほぼそうなんですが……)し、「ああ早く1月の月報書かなきゃ……」に毎日心を乱され続けるのはディスアドなので、省略気味の箇条書きフォーマットで1月~2月前半に触った作品の感想類をガッとやっておきます。2月分をまとめているのは省力化のためではなく、純粋に年明け以降の時間感覚がぶっ壊れていて1月2月に触れた作品の境界がよくわからなくなっているので……

ゲーム

Getting over it

・年始にトータル9時間かけて初登頂。
・1月末には50回登頂の実績取得済み。
・今時点での最速登頂記録は7分38秒という感じです。

・入力装置はマウス一本のみ。後から増える特殊な操作やシステムなどは一切なく、純粋な挙動への習熟と操作精度だけで立ち向かうストイックなゲーム性。その過程は険しいながらも面白く、努力の成果は難所の突破とその安定化、そしてクリア後に周回数を重ねるごとに向上していくタイムが可視化してくれる。突破の喜びと上達の楽しみが詰まったゲーム。

・シングルプレイオンリーの気軽さ、中断のしやすさに加えてタイムアタック要素が合わさり、今回の忙しい期間では「合間時間にちょうどよく遊べるゲーム」の枠に収まってしまった。
・今では登頂速度や操作精度でその日の調子がわかるような感触すらあり、完全に壺おじを体の一部に取り込んだような感覚。あえて薦めはしませんが、間違いなくいいゲーム。

Radio Commander

・大体ツイートに書いたとおり。
・プレイ時間的にはそこそこスムーズにプレイしてエンディングまで7時間とかなので、いかにも「小粒でアーティスティックなインディーズゲーム」という感じ。
・Twitterで文字数的に書き漏らした内容の中で、特に明確な弱点として挙げられるのが、ゲームの進行があまりにもスクリプト制御すぎること。
・プレイヤーに与えられる情報量が限定されるゲームの仕様と、RTSジャンルからくるユニット操作の自由度の高さ、そして特定の地点で特定の事をしないとゲームが進行しないガチガチのスクリプト進行の相性が非常に悪い。

・「ゲーム時間が何時間経っても敵も何も来ないけど、もしかして何かトリガー踏み逃してる? でも現状どの部隊も敵を発見してないし何をどうすれば良いんだ? もしかしてバグった?」みたいな状況に陥ることが少なくない。

・「情報量が極限される先の状況をプレイヤーが想像する」というゲームの演出意図と領域が絡んでしまっているので難しい所ではあるけど、最低限ゲームの進行に関わる状況ぐらいは自発的かつ定期的に報連相してくれとは思う。
・ゲーム進行に関わる情報を適切にプレイヤーに与えることは、ゲームをゲームとして成立させるためにゲームシステムが負うべき責任であって、演出とは切り分けて(もちろんうまく馴染ませた形で展開してくれるのがベストではある)しっかりやってほしいところ。

・スクリプト制御がガチガチで分岐も少ないようなので、リプレイ性もかなり低い。仮に2周目をプレイしても、肝心のストーリーやキャラクターへの感情移入はできないと思う。
・その他諸々粗削りな部分は多いけど、ただ間違いなく「このゲームでやりたかったこと」はしっかりと感じ取れるし、そのターゲットはすごく良いところを突いている。こういうタイプのゲームはそこが一番大事で、この一点で間違いなく佳作と言えるし心に残る作品だった。

Apex Legends

・シーズン6に両プラチナ取ってから離れ気味だったが復帰。VTuberの大会とかプレイ配信を見ていて自分も遊びたくなった次第。久々に遊んでみてもちゃんと面白い。

・近頃よく見ているVTuber界隈ではとても頻繁にプレイされていて、毎月のように何かしら大会が開かれている印象。V界隈に限らず一般社会(?)の有名人が実はApexプレイヤー、みたいな話を聞くことも多く、国内に限って言えばFPSジャンルの共通言語的な立ち位置になりつつある。
・以前どこかで「立場や所属の違う人が横断的な交流のツールとして使っているスポーツ」という文脈を込めて「VTuber界隈のゴルフ」みたいな言われ方をしていて面白かった。一昔前のTwitterでサバゲーが「オタクのゴルフ」みたいに言われていたのを見たことがあったけど、ちょっと似ているところはあるかもしれない。
・ゴルフ・サバゲに比べれば「金使ってます」みたいなくだらないマウントの度合いは遥かにマシかもしれないけど、むしろ腕前や本気度の格差が(時に本物のプロが混ざったような場で)数値としてガッツリ可視化されてしまう環境ではあるので、ある意味前者2つよりも残酷で過酷な空間なのかもしれない。

・キャラ固有アビリティ、チームの連携プレイ、バトロワ……と構成要素はとても複雑で、FPSジャンルを俯瞰した場合には結構「煮詰まった」側のゲームだと思っているので、この位置に収まっているのは何度考えても驚き。
・個人的なFPS遍歴としては、かつて隆盛を極めた中韓系の無料オンラインFPS……だいたいみんなCS1.6クローンみたいなのだった……あたりから触り始め、本格的に踏み込んだのはHalo3とCoD4。あのあたりのゲームシステムと比べて考えると、「ApexからFPS始めました」みたいな人を見ると「こんな複雑なやつで入門を!?」と思う。
・結局の所ジャンルの入門者が見ているのは、「そのゲームのシステムが初心者向けか」なんてことよりも、キャラクターの個性やグラフィックなどを含めたゲームの雰囲気を気にいるか、そして何よりも「自分の友人や好きな人が(楽しそうに)プレイしている」という光景なんだろう。そういう繋がりや憧れみたいなものは多少のシステムの複雑性やハードルを飛び越えさせてくれるものなんだなと。

・ゲーム本体の話全然してないですけど今シーズンもまあ両プラチナ4ぐらいは目指しておきたいですね。

アニメ

直近2クールで気になる作品はかなり数が多くて、実際周囲の評判も良さそうでどうにかしないとなとは思っているんですが、現状消化速度が全く追いついていないです。とりあえず放送中作品で現行まで追えている作品を。

裏世界ピクニック

・原作既読勢。大前提として私は原作既読作品のアニメ化全般があんまり評価上がらない傾向にある、いわゆる原作厨的な性質を強く持っている人間です。
・……という前置きを置く時点でまあもう言ってるのと同じなんですが、これは正直ちょっとイマイチじゃないかなと。
・原作小説においてテキストで表現されるネットロアホラー存在、すなわち原典もネット上のテキストで表現されて、読者の頭の中にのみ結像する存在……を「映像」にしなけりゃならん、という時点で死ぬほどハードルが高い……というか無理……な部分はあると思っていて、そのあたりはまあ多少なりともしょうがないとは思うんですが。

・全体を通して異様に軽いテンションとか間延び気味で緊張感の薄いアクションとか、まあ色々と違和感はありますが、クリティカルに感じるのは原作小説とアニメにおける視点の差と、そこから来る「描けるもの」の差。
・原作小説は基本的に空魚の一人称で進行していく物語であるわけですが、”共犯者”たる鳥子を筆頭に、癖のある登場人物たちと付き合っていく過程における内心の(概ね性格の良くない)感想や葛藤といった、複雑な感情の動きを一つ一つしっかりと読み取ることが出来る。
・そうして読み進めていくに従って、読者としては「(他人に散々な評価をつけまくっている)視点人物にして主人公である空魚自身が相当やべー奴じゃない!?」という事実に気づかざるを得なくなる。ここで空魚から読者が切り離されて「空魚……おもしれー女……」となり、そこから徐々に「空魚視点からの世界の見え方のズレ」「登場人物がそれぞれ抱える不安定さと異常性」みたいなものが見えてくる。

・空魚という歪んだレンズから見た作中世界と人々の異常性、それらとの折り合いのつけ方、という部分にこの小説の面白みのコアがあると思っているんですが、アニメ版はこのあたりの要素が全体的に厳しい。
・やはりアニメという媒体の都合上どうあっても三人称に寄らざるを得ない、というのが全体的に壁になってしまっている感はありますが、しかしそれを言ってしまうとアニメ化展開そのものが……。

・同時期に発売された原作5巻はとても良く、とりわけ「マヨイガにふたりきり」が素晴らしい。印象的なゲストキャラとその絶妙な狂気、じっとりとした不快感と悲しみを残す怪談色強めのラスト。題材や空気感など、シリーズの流れで見るとちょっと異質な回だという感がありますが、その異質さゆえに非常に印象的で心を動かされる内容になっていたと思う。

PUI PUI モルカー

・序盤数話の時点で月報を書くとしたら「受け手側が何でもかんでも”人類は愚か”文脈に持ち込むのは受け方として雑やろがい!!! パワーワードでバズるまでは良いとしても”それだけ”の作品ではねえだろ!!!」などと書こうと思っていたら、月報を書こうとしている間に作品自体がそういうエピソードから離れていた。
・とりわけゾンビ回は誰もが困惑の中に突き飛ばされた感じだったけど、ああいうエピソードでぶん殴られたことで結果的にすごく健全な環境になったと思う。
・そもそもストップモーションアニメを普段見ることがないので、媒体としてここまでスピード感を表現できるものなんだ……と驚かされる。
・アクション要素に限った話ではなく、明確なセリフやテキスト無しでしっかりとストーリーや各キャラクターの感情の動きを伝えてみせているのもすごいことだと思う。モルカーのキャラデザの果たしている役割が大きくて、単に可愛いだけでなく、巨大な顔の表情や体の伸び縮み、足の動きなどから感情がすごく伝わってくる。当初「カーなのに足タイヤじゃないんだ……」などと思っていたけど、モルカーの動きの表現を見ていると足の効果が本当に大きい
・起承転結がしっかりしていて、問題から解決の流れも毎話キレイで見事……と言おうとするとゾンビ回が邪魔をしてくる。何なんだあの回
・何にせよ労力のかかった面白い作品が対象年齢とか放送時間とかの枠組みを超えて広く注目を集めるのはマジで夢もあるし良いことだと思う。幸あれかし。

ゆるキャン△ シーズン2

・マジで完璧なシーズン2
・何もケチを付けるところがない
・シーズン1を見た当時に「ひたすら美味い空気と水みたいなアニメで感想の書きようがない」みたいな事を書いたんですが、S2も全く同様。しみじみと淡々と、摂取できる成分のすべてが心地良い。

・余談ながら、しまリンの行動を見ていると「ソロキャンプ中テントの周りから離れて大丈夫なの!? テントの周りに置いてる物とか取られない!?」とドキドキしてしまう。ゆるキャン空間にはそういう人種は存在しないにせよ、現実世界のキャンプではそのあたりどうなっているんだろうと思う
・スキー場とかでも休憩エリアに板とか置きっぱなしにして飯食うの盗難怖くないのかなと思っていて、根本的に不特定多数の人間が居る場で知らない他人の善意に頼った行動を取ることへの強い抵抗感がある。たのしいアニメを見ている間にこんな事を考えている有様なので、ゆるキャン世界に到達することは今生のうちには叶わない

漫画

ジョニー・ライデンの帰還(21巻)

・「さすがジョニ帰、準備回をじっくり丁寧にやってくれるな……」状態が数巻も続いてしまうと流石にいい加減そろそろ……という気持ちも湧いてこようというもの
・各陣営の人物を一人一人しっかり描写した上で思想や思惑を丁寧に深堀りしてくれるのは良いところだけど、連載長期化に比例する登場人物の増加で本格的に収拾がつかなくなりつつある感がある。意図的に引き延ばそうとしているのか、各陣営を丁寧に描写しようとした結果伸びてしまっているのか微妙なところ。
・それでも玉石混交のガンダム派生作全般を通して未だにトップクラスの位置に君臨しているとは思う。うまく着地してほしい。

チェンソーマン(10巻)

・藤本タツキ先生は性格が悪すぎる
・次々に前提をひっくり返しまくって全ての状況が悪い方向ばかりに転がっていく空気感はファイアパンチっぽい手触りがある。最初の頃に「ファイアパンチで無軌道に爆発しまくっていたエネルギーを制御して一般人向けに出してきた」みたいな感想を書いた記憶があるけど、ここに持っていくために一般人向けの皮を被っていたのかみたいな思いがある
・とは言え向こうはWeb連載を追っていただけで、今度は単行本で過去の話を読み返しながら追っているという違いがあるので、ファイアパンチも改めて読み返したら結構印象変わるかもなと思う
・早く11巻が読みたい

ダンジョン飯(10巻)+冒険者バイブル

・マジで最高のファンタジー漫画
・状況のシリアス度はどんどん高まっているのに、「登場人物は100%シリアスなのに傍目にはコミカル」のバランスが崩れないままここまで来ているのがすごい。空気感が初期の頃と比べてもいい意味で変わっていない
・早く11巻が読みたい

・当初から生き物の生態やダンジョンの仕組みをハックして攻略していくスタンスが気持ちよくロジカルな話で、それは前提として設定の深い作り込みあっての事であることはよくわかっていたものの、いざ「冒険者バイブル」みたいな形式で設定の密度と緻密さを可視化されると圧倒される。短編集としてもキャラクターの魅力が詰まっていて素晴らしい一冊で、特にサブキャラクター達の関係性の掘り下げが強すぎる。
・「冒険者バイブル」で再認識させられた部分として、キャラクターごとに育った環境や種族に起因する価値観や知識、思想のズレがあって、そこから各自の中に様々な偏見や差別感覚が存在していることをフラットに表現してみせているのがすごい。
・これもまた精密な世界設定に裏打ちされて成立しているものだけど、たくさんの登場人物を表現するのに当たって個別に価値観や言動をコントロールしきっているのは設定の細かさ云々を超えた話で、常人の手腕ではないと思う。
・「竜の学校は山の上」を読んだ時にも思ったけど、キャラクターの描写も世界設定もすさまじく解像度が高く作り込まれているのに、そこに感情移入しすぎていないというか、どこか平等に突き放したような淡白な空気感があるのが素敵。

まとめ

・書いてみれば結局文量6000文字超えて普段の月報どおりのボリュームになっていた。
・箇条書きフォーマットを試してみたは良いものの、1文がかなり肥大化して箇条書きの意味がなくなっている。労力削減の目的が全然達成できていない。どの作品にしても書きたいことが多すぎる
・期間として1.5ヶ月分位を取っているのでそんなもんかなという部分はあるにせよ、忙しかった割に思ったよりは色々インプットできてるなという驚きがある
・来月しばらくまではこの忙しさが続く予定なので、死なない程度にがんばります

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