月報の更新時期が遅れすぎて実質隔週報になった回(2020/12 月報)
どうも。タイトル通りの事情により全然書くことがないのでサクサク行きます。
今回の年末年始はコロナの情勢を鑑みて両親の実家への帰省はなし。それどころか実家にも帰らず一人暮らし先で新年を過ごしているわけですが、普段この時期に感じていた年越し・新年的ムードというものは家族親族が意識的に生み出していたもので、一人で普段どおりの生活をしていると、良くも悪くも特別感を感じることなく年末年始は過ごせてしまうものなんだなと実感しています。
例年と違った感覚で過ごしていると多少なりとも寂しさのようなものは感じますが、そうかと言って意識的に年末ムードを摂取するための行動を取るというほど年末ムードに飢えているわけでもなく……という具合で、微妙にモヤッとした年末年始を過ごしています。
ゲーム
「タルコフ」はついにワイプ(アプデに伴うプレイデータ全削除)が到来、この機に一旦アプデ蓄積まで半引退とする覚悟を決めました。Escape成功なので事実上のゲームクリア。その分で別のゲームなどをちまちま進めています。
Stronghold HD
古典的傑作RTS……のHDリマスター。ただしオリジナルが2001年でHDが2003年リリースのようなので、リマスター版自体もクラシックの域ですね。
いかんせん全体的に「古さ」を感じてしまう部分が多く、特に大きな欠点がフルスクリーン強制で、かつその動作自体が明らかにWin10、あるいは私のPC環境と食い合いが悪そうなところ。私の環境ではプレイ中頻繁に画面がチラついたりテキストボックスのスクロールが出来なかったりと妙な挙動が発生しており、非常にストレスが貯まりました。
そうしたゲーム自体の挙動だけでなく、全体的なUIの不親切さやAIの挙動の怪しさ、不安定気味なゲームバランス(特に攻城戦ステージの理不尽さ・面白みのなさ)など、現代水準のゲームと比べてしまえば多くの欠点を抱えた作品。しかし、それらの減点を踏まえた上でも十分に楽しめるゲームでした。
なんと言っても本作の特徴は「城の運営・防衛」という一点に注力したゲームシステム。防衛塔や城壁を作成し、堀を作り弓兵を並べトラップを準備し……という過程の中で、ストラテジー性と街づくりシム性のいいとこ取り的な面白みを存分に味わうことが出来る。
そのシステムをさらにおもしろくしているのが、非常に良くできたリソース・施設周りの経済システム。例えば食料を生産する施設を見ても狩猟小屋・酪農・小麦・果樹園とあり、それぞれ一長一短のバランスが絶妙。
ザッと説明すると、狩猟は設備が省スペースで必要な準備が少なく済むものの、収量が不安定・非効率。小麦畑は収量が多いものの、収穫した小麦を食料にするには別途粉挽き小屋とパン屋とその労働者が必要となり、当然その分の加工時間も……という塩梅。
他にも、酪農は効率的には一段劣るものの、牛から革が取れるため革鎧の作成が可能となり軍隊の強化に繋がり……というように、様々な設備で産出されるリソースの間で、変換工程や相互関係が設定されている。程よく現実味とゲームシステムの間でバランスが取れています。
そうした諸々を踏まえて設備の配置量やバランスに頭を悩ませ、配置した設備を守るためにどのような防衛設備を配置するか、その準備に必要なリソースを収集するためには……と、きれいなプレイサイクルが成立している。
ゲームでは、とりわけこの手のストラテジーにおいては「現象をいかにゲームシステムに抽象化して落とし込むか」というところに開発者の思想や手腕が問われてくるわけですが、本作はそこの勘が絶妙。名作として名前が残っているだけはあるなと実感できました。
Getting Over It with Bennett Foddy
いわゆる壺おじ。ゲーム好きを名乗っているなら配信者がやってるのを見て笑ってるだけではいかんだろう、ということで以前セールで購入しましたが、5時間ほどのプレイ時間で未だにバケツゾーンを超えられません。
全体として評判通り非常に高難易度かつ不親切なゲームであることは確かなんですが、プレイヤーの実力がダイレクトに反映されて、プレイの中で上達できるという点でとても真摯なゲームであることも確か。
少なくとも理不尽というわけではないので、良いゲームとは言えないにせよ悪いゲームやクソゲーというわけではまったくない、という印象。どうあっても人には薦められませんが……
Wolfenstein: The New Order
id製の伝説的オールドスクールFPSのリブートということで、直近遊んだ「DOOM(2016)」と立ち位置が非常に近い作品ですね。こちらは発売2014年なのでこちらの方がリブートとしては先行しており、体感的にも確かにDOOM2016よりは古いゲームだなと言う印象。
特色としてはなんと言ってもシングルプレイオンリーという(特に当時としては)割り切ったシステムと、ゲームプレイとシームレスに繋がるカットシーンによる映画・ドラマ的なストーリー演出……というところになるでしょう。
舞台設定としては「オーバーテクノロジーを所有するナチに支配されたディストピア」というB級感あふれる世界で、繰り広げられるシナリオはグロテスクかつシリアス。とにかくダークでナチスなレトロフューチャーデザインの出来が良く、ストーリー的にも演出のタイミングや内容が良く、全体としてかなり引き込まれる出来に仕上がっています。
ただ、ゲーム的には正直今遊ぶには何とも言えない出来。
一例として戦闘に関して言えば、アサルトライフルやオートショットガンの両手持ちが可能になっているなど、なるほどハイテンションな撃ちまくりナチ殺しまくりゲームなのか……と思ってガンガン突っ込むとサクッと死ぬようなバランスで、カバーに隠れての丁寧なプレイが必要になる部分が多い。
それを裏付けるようにサイレンサーを用いた暗殺などステルスプレイの要素も存在してはいるものの、こちらはこちらで死体が見つかってあまり警戒されなかったり、逆に自分自身が一瞬見つかれば全員即敵対みたいな場面もあり、全体として(今の水準で見てしまうと)あまり強みが感じられないシステムです。
加えて個人的な相性の問題だとは思いますが、いかんせん画面が何かと揺れすぎで、かつプレイ中頻繁に演出で強制的なカメラ操作が入るような場面も多く、1時間も遊ぶ頃にはどうしようもないぐらいに画面酔いしてしまう。シナリオが気になるのでどうにか最後まで見たいところですが、このあたりが足を引っ張ってやる気が持続しておりません。せっかくギフトでもらったものなのでちゃんと遊びたいんですが……
アニメ
ここは先月分で書いたアニメを最終話まで見ましたという感じですね。
ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN
いや終わっちゃいましたね。もちろん関連作・派生作は今後もたくさん作られていきそうなわけですが、501の話としてはしっかり走りきったという感じではないでしょうか。と言いつつ501でまだあと1本ぐらいは作りたいという未練みたいなものを感じなくはない感じの終わり方でしたが……
全体として本当に「ストライクウィッチーズの集大成」として「シリーズでやりたいこと、やってきたこと」を丁寧に踏襲してやりきってみせた印象。
終盤の展開については「WW2の陸戦でドイツで超兵器と言ったらこれだよな!」「ベルリン戦で地上が通れないと言ったら……」「ドイツで巨大ラスボスと言ったら……」「ベルリン解放と言ったら……」という塩梅で、軍事系のオタクがストライクウィッチーズで見たいもの、求めていたものを適切に出しきってくれました。
ただ、個人的な好みで言えばラストで「戦後」まで描写して今度こそ本当に解隊、というところまで行ってほしかったな、とは思います。
もちろん「ストライクウィッチーズ」に終わって欲しいわけではまったくないんですが、501の話が終わったからストライクウィッチーズ全体が終わりというわけでもないとは思うので、501に関してはここで最後まで行ってほしかったなと。まあ今後のOVA・劇場版などでそれをやってくれる可能性もあるかもしれないので、期待して待ちましょうという所にはなるんでしょうか。
アサルトリリィ
これはもう見事な着陸だった、の一言ですね。最終話手前までの「この内容でよくこの完成度を維持できてるな!」という印象が、しっかり最後まで続いてくれました。
先月分で書いた通り要素過多キャラ過多で心配になるような作品だったわけですが、最終話まで膨大なキャラ数を出しまくり、所々駆け足気味にはなりつつも、話自体はしっかり区切りまで進んでみせたので大満足。
関連展開全然追えてないんですが、今後手を出してみても良いのかなと思える程度には良いアニメでした。
その他イベント
RTA in Japan 2020
冬休みの定番イベントとなりつつあるRIJ。
世界レベルのタイムを叩き出してしのぎを削っているRTA界の精鋭プレイヤーたちが集結し、通常プレイからは掛け離れたような圧倒的テクニックや知識量、圧倒的なやりこみを見られる……というだけで、ゲーム好きからすれば見ていて面白くないわけがない。
加えて本イベントでは、「国内最大」という立ち位置からくる視聴者数の多さと、それを受けた走者・運営側の意図もあるのか、一点変わった面白みが強まっているように感じます。
それは自分ではプレイどころか名前ぐらいしか知らなかったようなゲームの圧倒的なやりこみプレイと、そのゲームに徹底的に情熱を注ぎ続けたプレイヤー達による愛の籠もった解説をセットで見られるという、ゲームマニアの研究発表会としての面白さ。オタクが楽しそうにオタク語りをしているのが面白いわけがない。
今回では特に希少な64DD所有者による興味深い64DD語りを聞ける「マリオアーティスト」、一部マニアの間で有名な超大型専用コントローラーの操作を個別カメラで見られる「鉄騎」のプレイが凄まじく、それぞれタイムアタック云々を抜きにしてもプレイと話そのものに価値が感じられるというレベルの映像でした。
他方、プレイヤー・解説側のスタンスとして、プレイ中の実況・解説の中にたっぷりネタや小芝居を挟んで視聴者を楽しませよう、みたいな思いが感じられるプレイも多く、これまたお祭り感があってとても楽しかった。
Twitchチャット欄もそうしたネタを受けてしっかり盛り上がり、特定タイトルで発生したミームが以後に残り続けて新しいネタにつながるようなカルチャーが醸成されていました。今回であれば「ファイナル〇〇」「ホットプレート」が特にすごかった。コメントの盛り上がりを含めてのイベント、という部分もあるので、見るときはTwitchの方のアーカイブがおすすめですね。
このあたりの文化はRIJが回を追うごとにどんどん強まっている印象があり、実際に夏発生のラグーン語ミームなどが(元から存在していたミームの輸入であったとはいえ)今回までしっかり生き延びている姿が見られるなどもあり、これも面白かった。
こうしたミームの発生・継承みたいなものはインターネットカルチャーの特に面白い部分の一つだと思うので、それがこれだけ活発に行われている場にリアルタイムで立ち会えるというのは実に面白いものです。
これが行き過ぎて身内感みたいなものが強まりすぎるとそれはそれでアレになりそうですが、現状でそこまで考えるのはまあ杞憂ですし、毎度これだけ色々起こっていれば新しい血も入って空気も循環しそうなので、まあ心配するまでもなく大丈夫じゃないかという気もします。そもそも部外者が心配するような話でもないですし。
今回一応少額ながらcheerも送るなどしたので、今後も続いていって欲しいイベントですね。
まとめ
年末という事もあって、期間の割には色々やった感じがありますね。
とりあえず2020年全体の振り返りとして、1月に今年の目標としてスタートした月報をしっかり毎月分(相当遅れたりしつつも)書けたのはそれだけで良かったなと思います。
過去時点での各作品への感想を振り返る事が出来るのは単純に便利ですし、それ以上に摂取から間を置かずに作品の感想を文章に書き出すというプロセスそのものに大きなメリットがあることを実感できた。
記事としてまとまった感想を書くためには自分の感じた楽しさや不満を論理的に整理する必要があるので、2020年を通して触れたものに片っ端から感想を書いていく中で、自分にとっての「面白さ」や「不満点」と感じやすい勘所がどこなのか、という部分をより具体的に理解できたような実感があります。
個人的に作品への感想はなるべく感情論や一般に使われているバズワード的な表現を避けて論理的に作品を理解して具体的に良かったポイントを挙げるような語り方をしたいという思いがあるので、それを一定以上達成できたという点において、月報やってよかったなと思っています。
月報という取り組みの振り返りとしてはこんなところで、実際に月報の中で触れたコンテンツ全体の振り返り(個人的GoTYなど?)もやりたい気持ちはありますが、毎年これで凄い時間を消費しているので、今年もやるかはちょっと考えたいところ。
そもそも毎年年単位での振り返り記事を書こうとして年始以降に労力を取られているのを避けるために月報という形で振り返りを分割したはずなのに、2020年は毎月の月報執筆にかなり時間を取られており、他趣味の時間を圧迫する事態になっていたのはかなりの反省点。各感想を箇条書きレベルで書くようなスタイルにするなど、2021年は労力軽減を考えていっても良いかもしれません。
とりあえず12月分はこんなところで。今年もよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?