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決死アイドル究極相撲

「お前らも何か考えろよォ!もういっそデスゲームか!全員ここで死ぬか!そしたらニュースは俺達の話題で持ちきりだ!視聴率は全国ネットで実質100%!あのクソ野郎も満足だ!」

 私達にカメラを向け喚く男はどこぞの番組制作下請けのD。高視聴率SNSバズ間違いなしの単発番組を極限低予算かつ特急で上げろとアホな局員から無茶を言われ、とにかく売れる演者をと、若手アイドル5人を召集した。
 しかし128連勤中の脳から売れる企画が浮かぶはずもなく、予算は出演料で枯渇。撮れ高ゼロのまま、番組制作は行き詰まった。

「このままだと本当に殺されかねないわ。何か考えないと」

「どうして私が……」

 癇癪を起こしかけた久我ちゃんを、牟礼さんが制した。「私に考えがあります」彼女の言葉はいつも正しい。

「この状況下で確実に稼げる番組を……これはもはや芸能界の伝説に伝わる”決死アイドル究極相撲”しかありません」

 この時、私は初めて彼女を疑った。

【続く】

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