論語8

曾子、疾有り。門弟子を召して曰く、予が足を啓け、予が手を啓け。詩に云う、戦戦兢兢として、深淵に臨むがごとく、薄冰を履むがごとしと。而今よりして後、吾免るるを知るかな、小子。

曾子が病気になった。弟子たちを呼んで言った。私の足をひらけ!私の手をひらけ!詩経に、戦戦兢兢として、深淵に臨むがごとく、薄冰を履むがごとし、と言う。これからは、私はそうしたことから解放される。

曾子は死を前にしている。このエピソードは君子としての心構えを言っているのだろう。

追記。最後の小子というのは、自分が小さな人間だということか。曾子が死にそうになってる時のことではなく、ただ病気になった時のことかもしれない。


曾子曰く、能を以て不能に問い、多きを以て寡きに問い、有れども無きがごとく、実つれども虚しきがごとく、犯さるるも校せず。昔者吾が友、嘗て斯に従事せり。

できるけれどできないことを考え、たくさん持っているけれど少ないことを考え、くらいの意味で、向上心のことか。わが友というのは、孔子の他の門弟のことだろうか。弟子の曾子の言葉が少しつづくけど、孔子とは違って、目標を強く高く掲げている掲げてる感じがする。


子曰く、詩に興り、礼に立ち、楽に成る。

(人や社会というものは?)詩にはじまり、礼でつくられ、楽しいことでできあがる。


子曰く、民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず。

一般の人々には何かを示して、それを生活の基準とさせることはできるけど、それを理解させることは難しい。


子曰く、勇を好みて貧を疾むは乱す。人にして不仁なる、之を疾むこと已甚しきは乱す。

勇ましいのが好きで、貧しいのが嫌だと、乱れる。仁ではない人を、あまり嫌がりすぎても、乱れる。

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