論語10

食は精なるを厭わず、膾は細きを厭わず。食の饐して餲し、魚の餒して肉の敗れたるは食らわず。色の悪しきは食らわず、臭いの悪しきは食らわず、飪を失えるは食らわず。時ならざるは食らわず。割ること正しからざれば食らわず。其の醤を得ざれば食らわず。肉は多しと雖も、食気に勝たしめず。唯だ酒は量無し、乱に及ばず。沽酒市脯は食らわず。薑を撤せずして食らうも、多くは食らわず。公に祭れば肉を宿せず。祭肉は三日を出でず。三日を出ずれば、之を食らわず。食らうに語らず、寝ぬるに言わず。蔬食・菜羮・瓜と雖も、祭るときは必ず斉如たり。

唯だ酒は量無し、乱に及ばず。ここは、酒は量の限りなく飲む、という意味ではなく、大量に飲まない、という意味だろう。他のところは、食生活や生活習慣などについて。


席正しからざれば、坐せず。

(上座とか下座とか)席が正しくなければ、座らない。


人を他邦に問わしむるには、再拝して之を送る。康子、薬を饋る。拝して之を受け、曰く、丘未だ達せず。敢えて嘗めず。

康子大夫が孔子に薬を送った。孔子はお辞儀して受け言った。私はまだこれをもらうに足る人物ではないので、あえて服用しません。くらいの意味か?前半は、孔子が他国に人をやる時に、二度お辞儀をして送るのか、それとも当時の一般的なありかたを言っているのか分からない。いずれにせよ、ここは孔子の丁寧なありかたを言っているのだろう。


廐焚けたり。子、朝より退ぞく。曰く、人を傷なえるかと。馬を問わず。

馬小屋が焼けた。先生は朝廷から帰って言った。けが人はいないか?馬のことは問わなかった。


君、食を賜えば、必ず席を正して先ず之を嘗む。君、腥を賜えば、必ず熟して之を薦む。君、生を賜えば、必ず之を畜う。君に侍食するに、君祭れば先ず飯す。疾むとき、君之を視れば、東首し、朝服を加え、紳を拖く。君、命じて召せば、駕を俟たずして行く。

君、食を賜えば、必ず席を正して先ず之を嘗む。君主から食事に招待されると、必ず席を正してまず食べる、とあるが、毒見をしてもらわないで、その料理を食べるということだろうか。


色みて斯に挙げ、翔りて而る後に集まる。曰く、山梁の雌雉、時なるかな、時なるかな。子路之を共す。三たび嗅ぎて作つ。

孔子が何かしらの変化を見てとって、手を上げるか何かしたのだろうと思う。そうしたら、その何かしらの変化はキジにとっての時刻のようなもので、キジが飛び立ってまた集まった、ということだろう。で、子路が孔子のお供に三回ついていって、三回ともキジが飛び立った、ということか。

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