虚無感に駆られる日々 第五章〜第六章

第五章 第三者からの評判

前章から 時は過ぎて 高校の入学式も終わり
いよいよ クラスでの自己紹介も終わり、席が近い人達と話し始めた時だった。

 私 「X市の A中学校から来たんだ」
隣席の男子生徒(以下 隣席くん)「えっ?!X市 それなら俺もだよ
しかも A中なら 何人か知ってるよ 」
私「えっ?!そうなん 誰わかるん?」
隣席くん「塾が同じだったから 男だと ◆くんとか▲くんとか 女子だと 美人さんとか 温厚さんとか

この時 私は電撃が走る様な衝撃だった  何故なら
美人さん 温厚さんと同じ塾=絢辻さんとも同じ塾❞ というコトになるからである。
なので思わず私はその話題に食い付く
 
私 「えっ?! 美人(下の名前呼び)とか温厚(下の名前呼び)も知ってん! あの二人なら 同じクラスやし 友達だから よく喋ったよ! 」

隣席くん「ってか 美人さん(名字さん付け)と温厚さん(名字さん付け)と下の名前で 呼び合う仲なの良いなぁ」

私「えっ? どういうコト」

隣席くん「え?もしかして知らないの? 二人とも可愛いから 男子の癒やし枠だったんだよ
美人さんなんて ウチラの中学では めっちゃ綺麗だから『同じ中学に転校して〜』って言ってるヤツも何人かいたしな」

私は困惑しつつ 冷静に返答する「えぇ…美人そんな人気だったんか… まぁたしかに綺麗だとは思うけど…ウチの中学では狙ってるみたいな話 あまり聞かなかったからなぁ…」

隣席くん「そりゃ 高嶺の花だからな 気軽に話しかけれる男子が少数だよ……温厚さんは誰にでも親しみやすく接してるから、関わりやすいけど、美人さんはあまり男子と話していなかったから尚更ね……
名前呼びできる状態の君は恵まれてる自覚をした方が良いね 

私は苦笑いしつつ答える「あはははは… 確かに 二人とも優しくて素晴らしい人だと思うよ
ところで 同じ塾繋がりだと、絢辻さんって方は知らない??? その人も素晴らしい才能を持った方なんだけど……」 

私は絢辻さんに対する近況確認と話題を変える目的で質問をした  

隣席くん「絢辻さん?………うーんいたっけなぁ…」

私「温厚並に優等生で 美人と温厚とよく話していたと思うんだが……」

隣席くん「うーん…あっ! あーあの人かな? 優等生なんだけど 温厚さんと違って、少し近寄りがたい雰囲気があった人

 私は内心で(絶対 絢辻詞だよなぁソレ……)と思いつつリアクションをする 
「あー……雰囲気はなんとも言えないけど、そう 絢辻さんってその人かな?多分」 
隣席くん「ごめん 絢辻さんは温厚さんと違って非の打ち所が無さそうだったから、雑談とかする感じにはならなかったかな 
多分だけど喋ったコトある人の方が少ないと思う

私は残念そうに話す「そっか……ちょっと気になっただけだから気にしないで」

隣席くん「お、おう……でもさ〜そんな美人さんと仲良いなら 狙おうよ
ってかむしろよく今まで狙わなかったな……
ウチラの間では美人さんと話せただけで自慢になっていたからなw」

私は苦笑いをする 「いや狙うって……私とあの人じゃ そもそも釣り合わないでしょ 好きになるのも申し訳ないし(笑)」

隣席くん「余裕がありますねぇ」

そんなこんなで その日は終わった

高校から駅に向かっている間 私は考え事をしていた

(まさか 美人がそこまで人気だったとはなぁ…… たしかに綺麗だし優しいけどな。 
でも 言われてみれば 絢辻さんしか私の頭にはなかったから、絢辻さん以外を好きになるって視点が無かっただけで 絢辻さんを好きになっていなかったら、美人に惚れていたのかなぁ……?)
そんな空想をしつつ 歩いていると、次第に
(というか 絢辻さんじゃなくて彼女を好きになっていれば、こんなコトにならずに……)

私は そんな考えが頭によぎるようになった。

第六章 新たな事実

しばらくして駅に着き、私が電車に乗り込もうとすると 愛嬌さんも一緒に乗ってきた。※愛嬌さんとは同じ高校

「お互い卒業式以来だね〜」と他愛もない会話から始まり、クラスの印象や新しい友人について話し合った。 

そこで 私は「春休みに中学の友達とは出会った?」と聞く

愛嬌さんは可愛らしい笑顔で 「うん! 詞ちゃんや美人ちゃんとかと 遊びに行ったよ〜 そういえば詞ちゃんとは会ってるの?」

私は その質問が来てドキッとする が、正直に応えようと決心する。 「ソレなんだけど 私 絢辻さんと関わりが切れまして……」淡々と説明を始める 

愛嬌さんは その説明を呆然と聞いた後に 彼女から驚きの言葉が出る

「え、、でもやっぱり何かあったと思っていたから納得かも……」

 その発言に私は驚愕し、詳しく聞いてみる

愛嬌さん「いやね 春休みに会った後に また会おうって話してたんだけど、それからめっきり連絡が無くて……ちょっと避けられてるかなって感じてたの」

私「うーん それは向こうが忙しいからじゃない?」

愛嬌さん「最初は私もそう思っていたの……だけどねその後 ラジオちゃんや仲悪ちゃんと一緒に出掛けていたから ちょっとよくわからなくて……」

私「えっ? アイツは あの二人のコト嫌っていたはずなんだが…??? 」

愛嬌さん「そうなのよ 私もそこで困惑したの… でも
なんかちょっと聞いちゃいけない気がして……」

私「そんな矢先に私と絶縁した話が出てきた……と」

愛嬌さんは少し悲しげに頷く姿を見ると こちらも申し訳ない気持ちがこみ上げる 
私「ごめんよ……もしかしたら 俺のせいで 絢辻さんが君のこと避けるようになったかもしれなくて……」

愛嬌さん「ううん そんなことないよ!  何も悪くないじゃん!」

私「それなら良いんだけど……これ以上 友達や関係を失いたくはないからね……」

愛嬌さん「大丈夫 私 嘘つくのとか苦手だから(笑)」

私は彼女の無垢な笑顔に癒やされ可愛い女性と話せてるコトに幸せを感じるのであった。 

そうして 数十分 雑談をしていると、いつの間にか最寄り駅に到着し お互いに解散した。

この記事の時点での時系列 高校1年 春 絶縁してから約1ヶ月


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