初恋という狂気の日々 第三十六章〜三十七章

第三十六章 何かが足りない

修学旅行は二泊三日なのだが、前章が一日目
今回の章は二日目となる

二日目は班行動となる 

班長の温厚さんを中心に、その日は様々な場所を巡った。 そんな中で私 温厚さん 美人さんは三人同士 様々な会話をする
前から薄々と感じていたことだったが、やはり絢辻さんと話している時並に盛り上がるし、楽しいのである……“けれども何かが足りない”

しかし それが何かはわからない


そんなことを考えながら 班行動が終わり、ホテルに戻った時 先に帰っていた絢辻さんに遭遇した
その時の絢辻さんは見るからに疲れた表情だったので、思わず 心配になり話かけた 
絢辻さんは安堵の表情を浮かべる「あぁ…助かったぁ こんなのアナタくらいしか喋れる人がいないもの…… 全くウチの班員さぁ〜〜 って言おうと思ったけど
誰が聞いてるかわからないから また今度にするわ」
私も納得する「あぁそうやな まぁ無理せんといて」

その時  近くにいた 温厚さんが やはり前に浮かべた時と同じく 何かを納得したような表情でこちらを見ていたのだった

第三十七章 軌道修正

そうして三日目となった

三日目も班行動が基本となっている

しかしながら三日目になると、ルートはある程度 絞られていくので 他班と被る可能性が高まる
実際 絢辻さんの班と途中から同じルートとなった

絢辻さんは相変わらず疲れた表情である 昨日と同じ様に私は話しかける 
そうすると絢辻さんは少し気楽になった様で「あぁぁぁ疲れた〜 何で班行動でここまで気配らなきゃいけないのやら…… 」と本音を吐露する
そして続ける「まぁいいか こうやって吐き出せるだけ少し楽になるもの 気遣ってくれてありがとうね
こんなの話せる相手やっぱりアナタしかいないもの 班の誰かに話せるわけないからね
私も返答する「そうやって お互い本音で話せるのは俺も嬉しいよ やっぱり腹割って話せる人は大切にしないとな〜」

そうして 二人で話していると、温厚さんが話しかけてきた
「二人はやっぱり仲良いのね〜」


私は驚きつつも肯定する「え?うん まぁな 」
絢辻さんが軽く肘鉄をしながらツッコミを入れる「いや まぁなって… そこは少し否定しなさいよ」
私は痛がりつつ返す「いやでも 別に否定する様なことではないやん」 
そうすると絢辻さんは「まぁねぇ… たしかにアンタとは5年以上の仲ではあるからねぇ」

温厚さんは笑顔で返す「そうなんだ〜良いわね〜」その時も温厚さんの表情は、昨日と同じ何かを納得した雰囲気であった

そうして 班行動の時間も終わり 一同は帰宅する時間となった 
行きの時と同じ流れでトランプゲームを帰り路もすることになり、メンバーは行きと同じとなった。
残念ながら絢辻さんは“疲れたから寝たい”という理由で断られてしまったが、行きの時とは違い私にも絶望感は無かった。
そうして トランプで負けたら罰ゲームをしたりで時間はあっという間に過ぎていった 

最寄りの駅に到着すると、また絢辻さんが近くにいたので話す流れとなった
絢辻さん「温厚ちゃんら周辺で 相当 盛り上がっていたわね〜 こっちにまで聞こえたわ 楽しそうで何よりだけど」 
私 「うるさかったのなら、申し訳ない 詞も途中参加してほしかったよ それならもっと盛り上がったかもしれんし」
絢辻さん「いや〜私はそういうガラじゃないし」

そうして話しながら改札を出ると、皆 両親が迎えに来ている
もちろん絢辻さんのお母さんも待っていた 
私は絢辻さんのお母さんに挨拶をすると、向こうも挨拶をかわし 「娘が世話になってます〜」と一声かけられお互い解散した

私も自分の親を探し出し帰ることとした 

その途中 私は確信した

❨やっぱり絢辻さんに対する気持ちはどんな事があってもの変わることはない これからも心の底から尊敬して崇拝しよう 全ては彼女の為に…❩

この記事の時点での時系列 中学3年生 春〜夏 出会って五年以上

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