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産めなかった子たちの命を無駄にしたくない

2回目の流産の時のお話です。

稽留流産だったので、搔爬法での処置でした。
家の近くにある個人クリニックでお世話になったので、日帰り手術でした。

曜日は覚えてなかったけど、平日の真ん中くらいで、翌日には出社でした。
先生から特別な指示もなかったので手術が終わると、もう何も無かったかのように普通の時間が流れる事に寂しさと虚しさを感じてしまいました。

気持ち的にはしんどかったので、お休みしたい気持ちはあったけど、しんどい気持ちが1日で収まる訳でもないし…

自分を奮い立たせて出社したら、上司から「ちょっといい?」って声をかけてもらって、大きな休憩室へ移動しました。

席に座ってから
「体調はどう?大変だったね」と気遣いの言葉が。
そこまでは想定通りだったので、泣くこともなく気遣ってくれたことに対して笑顔で「ありがとうございます」と言えました。

その後も上司が話を続けます。
自分の生い立ちについてでした。

7人兄弟の末っ子で大家族だけど、自分(上司)とすぐ上の兄弟の年齢が結構離れてる事が気になり、子供の頃にお母さんに尋ねたそうです。

7人目の子を産むまでに、流産を繰り返してたから出産に至るまで時間がかかったのだと、お母さんは打ち明けてくれたそうです。

上司は「辛い事が続いたのに、7人目を諦めようとは思わなかったの?」とお母さんに尋ねると「産めなかった子たちの命を無駄にしたくないから絶対、産みたかった」と仰ったそうです。


励まそうと話をしてくれたのも嬉しかったですが、上司のお母さんの言葉を聞いた時、風が吹いたような衝撃を受けて自分の中で張り詰めてたものが出てくるように、そこでワンワンと泣いてしまいました。
私もいつか産むことが出来るだろうか。



それ以来、妊娠して、無事出産する事が出来たら、その時の上司に報告してお礼を言いたいと強く思っていたのですが上司も定年を迎え、再雇用期間も満了となり退職してしまいました。

上司が在籍中に報告できなかったのは、少し残念ですが、連絡先は教えていただいたので、この先いい結果を運良く掴むことが出来たら、必ず報告をしたいと思っています。

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