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福島県の旅④最終回

旧滝沢本陣

旧滝沢本陣は飯盛山にほど近く「白河街道」沿いにあり、しっかりとした看板もあるが、暑さのせいでボーっとしてしたのか通り過ぎて引き返す。国の史跡、国の重要無形文化財に指定されている。戊辰戦争の際の本営であり、白虎隊もここに集結し藩主松平容保の命を受けて出陣して行った。建物の至る所に刀傷や弾痕があり、戦の痕跡を残している。

門と主屋

主屋に入ると無人の受付があった。賽銭箱のような木箱に入館料を入れる(400円)。小銭が無い人のために両替器あり。土間はまさに歴史博物館の趣き。

当時使用していた道具類

建物内部はちょっとシュールである。実際は画像より薄暗く、段差があったり高かったりして足元に注意が必要。

庭と武家屋敷らしい裏門
駐車場から見る主屋(左)と名子屋(右)

現存する建物は1678年に建てられ、その頃から会津藩主が白河街道を通る際の休息所として使用していた。柱に刻まれた戊辰戦争時の刀傷や弾痕は「下に貼り付けた動画」でご覧ください。

會津藩校日新館

會津藩校日新館は上級藩士の子弟のみ入学が義務付けられた。ちなみに鶴ヶ城(会津若松城)には2015年に訪問している。戊辰戦争で焼失後、図面などの資料が残っていたことにより、場所を新たにし1987年に復元、博物館として開館した。入館料はJAF割引で750円。

駐車場から南門を見上げる
戟門(げきもん)
右に大成殿
大成殿

大成殿の孔子廟、儒家の始祖「孔子」を祀っている。

素読所での様子を再現(生徒役を務めるのは白虎隊の隊士)
什の掟

會津藩における藩士の子弟を養育する組織で「什」(じゅう)というものがあった。「什」は日新館に上がる前の六歳から九歳までの男の子たちの組織だった。「什の掟」ではとりわけ最後の一文、ならぬことはならぬものです」が有名。

一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ

ならぬことはならぬものです

 尚、「什」と同様の組織は幕末の同じ時期に薩摩藩にもあり「郷中」(ごじゅう)と呼んだ。

洲走の湯

會津藩校日新館で福島県での予定はほぼ終了。ほぼ終了だが行きたい温泉があった。日新館から20kmほど西へ進んだ会津坂下町。洲走鉱泉「洲走の湯」。なかなか味のある佇まい。鉱泉というから源泉の温度は低いと思われる。しかし、熱々の湯であった。しっかり温まって湯上り後、常連さんと思しき男性から「汗がなかなか引かないよ」と教えてもらった。料金は500円。

酒場探訪を楽しみに新潟県に宿を取ったが、目当ての居酒屋が予約で埋まって入店できず。翌日下道を走って帰路に就いた。台風の影響はあったが大きな道路渋滞、混乱もなく福島県の旅を楽しめた。

旅行日:2024年8月13日




 



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