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僕から見たエフフォーリアという馬

はじめに

こんにちは。蒼月です。
先日、エフフォーリアの引退が発表されました。
今回は僕のエフフォーリアに対する思いを書きたいと思います。

栄光の2021年

僕はウマ娘から競馬に入った者なので、競馬のレースを観るようになったのは2021年頃からです。それで、初めてエフフォーリアが走っているのを生で観たのは2021年の天皇賞秋でした。

この年の秋天は復活を期す三冠馬コントレイル、三階級制覇を目指すグランアレグリア、そしてエフフォーリアの3頭が抜けていました。

当時はお金を賭けていなかったので、特に誰かを応援しているというわけでもなかったのですが、強いて言うならコントレイルが復活勝利したらいいなあぐらいの気持ちで観ていました。

レースはエフフォーリア、コントレイル、グランアレグリアの3頭が後続を突き放し、エフフォーリアが上がり最速で突っ込んできたコントレイルを寄せ付けず勝ちました。

当時競馬観始めたばかりの僕でも強いとわかる勝ち方でした。
エフフォーリア鞍上の横山武史騎手のガッツポーズも非常に印象に残っています。

エフフォーリアはその勢いのまま有馬記念に参戦し、ここも勝ちました。
憎たらしいまでに強かったです。

それと同時に一時はエフフォーリアを差し返しかけた2着のディープボンドに惹かれました。詳細は以前書いた記事で語っています。

話を戻します。
陣営はこの時「秋天が完璧で有馬は7割くらいの出来」と言っていたにもかかわらず普通に勝ったので、この馬はバケモンなんだなあと思ったんですが、実際には秋天の後に馬運車の中で釘を踏んでしまうというアクシデントがあったようです。

この影響で有馬は秋天よりもパフォーマンスを落としたのでしょうが、確かに今振り返ってみれば、秋天のパフォーマンスができていれば有馬はもっと圧勝していたのかもしれません。

それだけに有馬では横山武史騎手の神騎乗が大きかったと思います。
道中でクロノジェネシスをマークして閉じ込めた騎乗は素晴らしかったと思います。

そして、結果的にこの有馬記念がエフフォーリアの最後の勝利になりました…

苦難の2022年

エフフォーリアは2021年の年度代表馬になりました。
3歳で秋天と有馬を勝ち、なおかつここまで7戦6勝、唯一負けたダービーもハナ差の惜敗。
憎たらしいとは言いましたが、何も文句はありませんでした。

そして、2022年の初戦は大阪杯に向かうことになりました。
僕はまず負けないと思っていました。
金鯱賞を圧勝して挑んできたジャックドールもいましたが、さすがにエフフォーリアからは逃げきれないだろうと思っていました。

また、唯一エフフォーリアを破ったシャフリヤールは大阪杯の1週前に行われたドバイシーマクラシックに出走していたので、「ここで負けるわけにはいかない」というメンツだったと思います。

しかし結果は9着。
エフフォーリアとジャックドールの2強と言われていましたが、どちらも馬券内にすら入りませんでした。
しかも直線入った時に実況に「エフフォーリアは中団で揉まれている!」と言われ、そのまま見せ場なく沈んだので、心配にさえなりました。(この動画の1:44~1:48くらい)

この時は陣営もファンも敗因が全くわからず、ゲートに顔をぶつけたから、早枯れだから、輸送が苦手だからという原因から両隣が牝馬だったからという説も浮上しましたね(笑)。
実際のところは先ほどリンクを貼った木実谷場長の記事によると、休みを取りすぎて調整が遅れたというのが原因のようです。

とはいえ1回負けるくらいならほとんどの馬にあり得ることです。
キタサンブラックも5歳の宝塚記念で惨敗しましたが、同じ年の秋天と有馬を勝つなどすぐに復活しています。
宝塚記念でも春天を圧勝したタイトルホルダーを上回る1番人気だったのも、そう判断した人が多かったからでしょう。

しかし、宝塚記念でも勝てずに6着。
阪神競馬場で連敗したため、阪神競馬場苦手説、輸送苦手説、さらには大阪杯も宝塚記念もハイペースで秋天と有馬はそうでもなかったことから、ハイペース苦手説など、ここでも色々と敗因が考察されました。

確かに宝塚はパンサラッサとタイトルホルダーが作った異常なハイペースで、追走に苦労したというのはあると思います。
とはいえ、最後の直線では追い上げは見せていたので、まだこの馬は終わっていないと思っていましたし、秋天で人気を落とすようなら買い時だろうとも思いました。

しかし、秋天は出走予定だったものの状態が改善しないということで回避しました。

さすがにここまで体調が整わないとなると、陣営(厩舎だけでなく、NF天栄も含む)の調整にも疑念を抱かざるを得ませんでした。
とはいえ、去年あれだけ強かった馬がこうもあっさりと終わってしまったとは思いたくなかったです…

そしてなんとか調整がつき、有馬記念には出走しました。
さすがにこれだけ調整がうまくいかず、なおかつ1つ下の22世代が強いということを考えれば勝つどころか馬券内も厳しいだろうと思っていました。

ここで惨敗すれば引退だろうとも思っていましたが、結果は5着と何とも言えない着順でした。

少なくとも春より調子が上がっていることはわかりましたし、57kg背負った馬の中では最先着でしたので、終わってはないだろうし、G1はダメでもG2やG3ならまだ勝ち負けできそうだと思いました。

ただ、去年のあれほど強かったエフフォーリアはもういないんだと思うと悲しくなりましたね…

引退

2023年はG2の京都記念から始動することになりました。
陣営も輸送苦手説を感じ取っていたのか、栗東トレセンを経由するなど工夫を凝らし、万全の態勢で臨んできたことがわかりました。

僕もドウデュースに勝てるかは怪しいものの、有馬記念で見せた復調の兆しや陣営の工夫などを考えると馬券内はあるんじゃないかと思いました。
逆に言えば、このメンツで馬券内にも入れないようではもうこの馬は…ということでした。

レースでは2番手につけていましたが、3コーナーあたりからズルズル下がっていき、ゴール直前で武史騎手が下馬して競走中止になりました。

ドウデュースが圧勝して力を示したことは嬉しかったのですが、騎手が下馬するのは故障を発生したと思い、非常に不安でした。

YouTubeやTwitterにもこの瞬間の動画が流れていましたが、ファンの悲痛な声が入っており、僕も心が痛くなりました。

その後、心房細動だったことがわかり、脚の故障でないことに安心しましたが、またしても阪神競馬場苦手説や輸送苦手説を払拭できず、消化不良でしかありませんでした。

春のG1は関西圏のレースしかないので、この後は目黒記念とかに出つつ、秋の関東のG1に狙いを絞るのかなと思いましたが、京都記念の2日後にエフフォーリアの引退が発表されました。

もう一度勝ってほしかった気持ちはありますが、ここまでの成績を考えるとこれ以上身体に支障をきたさないうちに種牡馬になるという判断はおかしいとも思えませんでした。

古馬になってからは散々でしたが、3歳までの彼のパフォーマンスと実績がなくなることはありません。
先日美浦トレセンから退厩して馬運車に乗ってからの武史騎手の涙を見て、本当に武史騎手はエフフォーリアのことを思っており、愛していたんだなと思いました。
建前でこんな涙は流せないし、ここまで感謝は述べられないでしょう…

僕は特にこの馬のファンではなかったのですが、武史騎手の涙を見ると心にくるものがありました…
この馬は武史騎手にさまざまなことを教えた馬だと思います。
お父さんの横山典弘騎手にとってのメジロライアンのような存在じゃないでしょうか。

ファンの人からすれば唐突な別れということになり、悲しいどころの話ではなかっただろうと思います。
私のフォロワーさんにもエフフォーリアのファンの人が多いので、その気持ちは強く伝わってきました。

そして、改めてエフフォーリアはたくさんのファンに愛されていたんだなと思いました。

最後に

僕がエフフォーリアについてどう思っているかをまとめると、

・3歳時は憎たらしいまで強いと感じていた。
・古馬になってから低迷してもファンになることはなかった。
・とはいえ、このまま勝てずに終わっていくのは嫌だった。僕の好きなディープボンドのG1制覇を阻止したんだからもう少し頑張ってくれというのもあった。

というところになります。

結局、輸送苦手説や阪神苦手説、さらにはエピファネイア産駒早枯れ説も払拭できませんでした。
古馬になってからの陣営の調整も褒められたものではないと思います。

しかし、鹿戸調教師のこの馬に対する気持ちも熱いものがあり、決して横山武史騎手に勝るとも劣らないと思います。

それに、僕も今は無事に種牡馬になれたことを喜びます。
エフフォーリアの産駒に期待したいです。

シンボリクリスエス→エピファネイア→エフフォーリアと3代続けてダービー2着という苦い血統(エフフォーリアの母父ハーツクライもダービー2着)でもあるので、エフフォーリアの産駒がこの悪い流れを断ち切り、ダービーを勝ってほしいです。
所属厩舎は鹿戸厩舎、鞍上はもちろん横山武史騎手で!

エフフォーリア、改めてお疲れ様でした!

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