MS Flight Simulatorがいい意味でやばすぎてPC刷新まである件

マイクロソフトのフラッグシップタイトル『Microsoft Flight Simlator』の最新作が、8月18日に登場する。実に14年ぶりの新作だ。若いPCゲーマーはマイクロソフトがフライトシムを出していたことすら知らないかもしれない。

DOS時代から脈々と続く本シリーズは、「重いゲーム」としても有名だった。特に1999年に発売された『Flight Simlator 2000』は、当時まともに動作させることができるPCを見たことないぐらいだった。

昔話は各自調べていただくとして、この2020年版のすごさをまとめてみたい。

Flight Simlatorの特記事項

フラッグシップタイトルの満を持しての最新作ということもあって、物量、テクノロジーともに、マイクロソフトの意地を感じる狂気の内容となっている。

・マップデータはBing、クラウド部分にはAzureを採用
・ゲーム内のデータサイズは約1,000TBにもおよぶ（15億棟の建物や2兆本の木）
・プレイ中に天候の変化があり（ライブウェザーシステム）によって、動物の活動もリアルタイムで発生
・独自開発のテクノロジーによって、飛行情報の補完などすべての飛行機が非常にスムーズに描画される
・4万の世界の空港を実装
・マルチプレイにも対応しており、すべてのパイロットが1つの同じ世界を共有する形式
・エディションは、スタンダード、デラックス、プレミアムデラックスの3つ。収録している飛行機と強化された空港（※）の数が異なる

※シーナリーにあたるもので、別途手作業でより高精細なオブジェクトを実装しているという意味で、実装空港数は変わらないようだ。

Flight Simlatorの動作環境について

これだけのものをインストールして動作させるとなるとPCに要求されるスペックもお高いんでしょう？ となるが、まったくそのとおりだ（OSはすべてWindows 10の最新版の前提）。

■最小スペック
CPU：Ryzen 3 1200 / Intel i5-4460
GPU：Radeon RX 570 / NVIDIA GTX 770
VRAM：2GB
RAM：8GB
HDD容量：150GB
通信帯域幅：5Mbps

■推奨スペック
CPU：Ryzen 5 1500X / Intel i5-8400
GPU：Radeon RX 590 / NVIDIA GTX 970
VRAM：4GB
RAM：16GB
HDD容量：150GB
通信帯域幅：20Mbps

■理想スペック
CPU：Ryzen 7 Pro 2700X / Intel i7-9800X
GPU：Radeon VII / NVIDIA RTX 2080
VRAM：8GB
RAM：32GB
HDD容量：150GB SSD
通信帯域幅：50Mbps

最小スペックは起動できるぐらいのイメージなので無視するとして、現実的には推奨スペック以上だターゲットになるはずだ。4Kや21:9のディスプレイ環境でプレイすることを視野に入れると、理想スペックを最低ラインとしてもいいぐらいだと思っている。

まず、容量150GB以上はなかなかのデータ量だ。近年、ゲームの容量は増えて入るものの、このクラスはCoD: MWぐらいじゃないかと思う。

通信帯域幅がスペックに入っているのも注目だ。これはマルチプレイ時やAzureテクノロジーの導入によって使われることと予想している。

お約束のGPU周りはやはり最新のハードウェアが必要になってくるのはある意味仕方ない。

これをイチから組み上げると、給付金では届かないスペックと言わざるを得ない。実際にプレイを本格的に楽しむにはPC本体以外にも4Kディスプレイや操作桿なども必須になるため、令和の時代でもフライトシムは貴族のシミュレーターとなりそうだ。

Game Pass PCに対応でプレインストール開始

Xbox Game Pass for PCに対応しており、月額450円のサブスクで本作がプレイできるのは、とりあえず見てみたい層へのリーチとしてはいいと思うし、これでユーザー層が広がってほしい気持ちもある。

配信開始を前にプレインストールが始まっている。現状インストールされるのは初期ファイルのいくつかのみで、いきなり150GBがインストールされるわけではないので、安心してほしい。

Combat Flight Simulatorの復活もあるか？さすがにないか!?

Microsoft Flight Simlatorのエンジンを利用したCombat Flight Simulatorというゲームがあったのをご存知だろうか？

前者は旅客機やセスナなどの操縦シムだが、後者は戦闘機をメインにしたコンバット型シムだ。記憶が確かであれば、Combat Flight Simulatorは3までリリースされていたはず。

ここまで作り込んだエンジンを利用しない手はないと思うが、さすがにCombat Flight Simulatorの復活はないか？