命日(後編)

だが、そんな幸せは長くは続かなかった。

12月25日、電話で「別れよう」と告げられたのだ。前日の24日は月に1度のデートをしていた。その翌日である。正直24日のデートは夜景を観に行けば雨に降られるわなど散々であった。確かに機嫌も悪くいつもと違う様子であった。11月頃に少し喧嘩をしたのが良くなかったのか?実家に誘われた時に「まだ早いんじゃない?」と言ったのが良くなかったのだろうか。さまざまな思いが頭をよぎった。

私はその話を電話で聞いた時、頭が真っ白になった。そして本気か確かめた。本気らしい。「私が一度ダメになったらダメなの知ってるでしょ?」B子はそう言った。7年と半年の付き合いだ。もちろん知っている。「そうだね、今までありがとう」とだけ言い、電話を切った。5分に満たない会話だったように思う。

それから3か月以上、私は心ここにあらずであった。悲しすぎてかつての共通の友人に相談したりもした。そうしても、どうしても諦めきれず彼女の4月の誕生日に1度だけLINEを送ることにした。友人は止めてくれた。だが心の整理をつけるためにもLINEを送った。友人は骨は拾ってやると言ってくれた。
だが、どれだけ待てどもLINEに返信はなかった。こうして私は返信を待ちながらも緩やかに死んでいった。

そして数年後の今日が私の命日である。LINEには変わらず誕生日だと出ている。これまで消すことができなかったのは情けないが、流石にもう傷は癒えている。数年前の4月13日に始まった話をようやく終わらせる時が来たのだ。
命日を新しい私の誕生日に変えようと思う。

あとがき

そうです、前編はタイトル詐欺でした。
後編は「飯うま」な話に仕立てておきました。
「飯うま」だった人は私にロウソクを立てたケーキでもご馳走してください。お線香はダメですよ。

一応、追記しておきますが、前後編にまとめる上で省いている点もあります。もちろん私にだって非はあります。だから、B子のことは悪く言わないでくださいね。

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