実家ハラスメント、貧乏とバレないギリギリの生活

お金がない。
手渡しでもらうバイト代を受け取りに行って
ギリギリ明日のカードの引き落としに間に合う。

芸能事務所に所属して4年目、
下積みの役者、26歳、女。

実家は東京だし、立地もいい。
両親は健在で共働き。
子供の頃から2人とも忙しく、
いろんな大人に面倒を見てもらい
愛されて、自由に育ってきた。

だけど、
「実家が金持ちだから恵まれてる」
とか
「大した苦労もせずにうらやましい」
とか
私の努力も込みで得た成果を
「親に感謝だね」
とか言われるのは腹が立つ。
恵まれていることは認める。
親に感謝もしている。
でもそれだけで私を勘定するな。

だから、もういい大人だし、
最近一人暮らしを始めた。

両親は高齢で、65歳と70歳。
ちょっと若い祖父母くらいの歳だから、
心配で実家の近くに部屋を借りた。
それはそれで、
「そんなとこで一人暮らしするのは勿体無い」
という人もいる。
もう黙ってくれ。ほっといてくれよ。

芸能界事務所に所属していると
明日急にオーディションが入ることもある。
だから、アルバイト先にはしょっちゅう
ご迷惑をおかけしている。

売れない役者には人権がないのか、
情報漏洩を懸念して、
ギリギリのスケジュール出しになるらしいが、
内容は言わなくてもいいからせめてスケジュールだけでも早めに教えてくれ。

そんな業界の闇のせいで、
芸能界を知らない、アルバイトを雇う人たちは
「役者を目指してる人は使いづらい」
というイメージを持ってしまうんだ。
役者って言いづらいったらありゃしない。

だから、日雇いバイトや配達に手を出した。
誰かに迷惑をかけない最善の策だと思う。
でも、明日の仕事を探して、
今月の収入が足りるかもわからない毎日は、
余計な時間も、余計な心配も増えて、
時間がもったいたい気がしてならない。

家族にも友達にも心配をかけたくないから
余裕な顔をして生きてる。
実際、人並みに働く常識も精神もあるから
健康で文化的な人間らしい生活は保っている。

ただ、精神の浮き沈みが激しく、
多分 「非定型うつ」というやつ。
月経前症候群(PMS)による病み堕ちも激しい。
人前では元気に見られるけれど
1人でいると、
自分が虫ケラに思える状態も多々ある。

お金がないとバレないように生きる
ギリギリのラインにいるからこそ、
友達に会いたいと思ったら、
ちょっといいランチをしたり
いい感じの居酒屋に入ったりすることになる。
周りは社会人3,4年目だから
だんだん金銭感覚に差を感じてきている。

夢を追えるだけで幸せだよな。
こんなのツラいうちに入らないよな。
と思いつつ。

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