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基本的に夏はビーチボーイズを聴く

当たり前だがビーチボーイズは同時期のビートルズに比べて聴かれていないようだ。多分だけど、ビートルズに比べてアルバム内容が散漫だということだろう。しかも1つのアルバムが30分以内で終わっていて、短いし散漫なら、ベストで聴けばいいじゃんということになる。

ただビーチボーイズを聴かないでアメリカのロックンロール、R&Bは語れないだろうし、語ってはいけないのかもしれない。一応メンバーの構成はブライアン・ウィルソン、カール(故人)、デニス(故人)が兄弟で、マイクラブ、アルジャーデンがその幼馴染みということを覚えていればいいと思う。生粋のサーファーだったデニス以外はサーフィンとは縁遠かったというのも有名。全員ボーカルがうまいし、作曲もするし、演奏もする。ただ演奏はスタジオミュージシャンにお願いするということも多かった。これは当時のアメリカ音楽の普通の流れだし当然のことだ。ハーモニーが唯一無二。これはビーチボーイズがビーチボーイズたるゆえんだ。

けっこうビーチボーイズは闇が深いので全部キャリア語れる人は相当の猛者だと思う。全盛期は60年代の前半から中盤。サーフミュージックでヒットを飛ばしていた時だ。ビートルズのような真面目なコンセプトアルバムを出し始めて転がるように人気と売り上げが落ちる。

60年代の初期はベストで聴けばいい。アルバムは比較的有名な66年のペットサウンズから始めるのがいいと思う。これはロックの名盤として名高いが、人気の凋落が始まったアルバムとしても有名。有名なので何も言うことはない。

次からはどうなんだろうか?知っている人がグッと少なくなるのではと思う。翌67年の初旬に発表した「Smiley Smile」。ほぼペットサウンズと同じような感じ。素晴らしいと言える。グループの最重要作品の「good vibrations」もこのアルバムだ。ただちょっと散漫になるのが当時のLSD文化というか。それも当時の雰囲気らしくていい。

67年の後半にもう一枚リリースする。「Wild honey」。悪くはないが前作、前々作に比べたら地味。逆に言えば至極シンプル。ヒット曲もあり。この盤はあまり聴いてないので語れない。

その次の68年の前半にリリースした「Friends」。これがすごい。20分くらいですぐ終わる。ヒット曲なし。短いのにけっこう散漫。でもダメかといえばそうではなく、おすすめしたい。ただ68年というロックの超変革期にこれでいいのかというのはすごいある。天才ブライアンがドラッグで脱落したのでメンバーに任せることが多くなる。才能が開花してなかったデニスが作曲をはじめる。ブライアンが失速したので、ブルースジョンストンが新加入。個人的に好きなだけに謎だらけのアルバム。売れたのか?

たぶん69年の前半くらいだろうか。ある程度華やかさも戻った「20/20」。ジャケットを見ればわかるようにブライアンウィルソンが消えている。でも裏ジャケにはとりあえず映っている。ブライアンはこの頃からもうダメだったのかもしれない。ビーチボーイズっぽさもある。ブルースロック系も展開している。前作「Friends」っぽさもある。ブライアン作曲の深遠さもある。でもどう評価していいかよくわからないアルバム。このアルバムは闇が深いと思う。売れたのだろうか?

ペットサウンズからのアルバムは、一言で言えばどれも微妙だ。ただベストやサブスクでヒット曲だけを聴けばよいかといえばそうでもなく、このダメさ加減も総じて楽しむのがビーチボーズの聴くうえでの流儀かもしれない。特にアルバム「Friends」とか。

結局売り上げが芳しくなくこのアルバムを最後にキャピタルからワーナー/リプリーズへ移籍。ビートルズの影響からかアメリカでの人気はほとんどなくなりイギリスで売れるようになる。天才ブライアンウィルソンはクスリ漬け。あと「SMILE」というこの頃に作りかけたアルバムがなぜか2000年代に発表されたが個人的に聴く気もしなかった。

おしマイケル。

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