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JEFF BECK with THE JAN HAMMER GROUP live

ジェフベックの1977年に発売されたライブ盤。よく日本盤は「ライヴワイアー」とかって言われてるけど原題はヤンハマーもいますよという感じになっている。もちろん私は後追いで聴いたものです。それでもCDではリイシューされてなかったときだったので西新宿の輸入レコード屋街でせっせと探して購入しました。たぶん正直名盤というものではないと思われる。

ベックは76年にワイアードをベストセラーにして、ギターのいないヤンハマーグループへそのまますっぽりベックが入る形となって全米ツアーすることになった。ベースにフェルナンドサウンダースがいて、80sにルーリードのバンドで活躍するまでは骨太のジャズロックをしていた。

ちなみにベックはイギリス人なのだが、ベックが脱税?していたらしくイギリスではライブが出来なかったらしい。なのでイギリスでの人気は地に落ちてしまったようだ。

初めてこのレコードを聴いたときは作りが粗いなーと思わざるを得なかった。フュージョンやジャズロックというムーヴメントについて自分があまりよくわからない頃だったからかもしれない。繰り返し良く聴くとまあ悪くないライブだなと思えるようになった。

Jeff Beck with The Jan Hammer Group - Scatterbrain - YouTube

曲によっていろいろな小技を使っているのも興味深いところだ。
ボトルネック奏法
トーキングモジュレーター
指弾き(当時はピック弾きだったが随所で指弾きしている)
エフェクター(オクターバー)
ヤードバーズのフレーズ
メカニカルな速弾き
フィードバック奏法
実際に生で見たらもっといろいろとヘンテコなことをやっていたに違いない。フュージョンとかジャズはあまりこういった小手先の技を使わない。ジョージベンソンも同じ時期にベストセラーになっていたがギターの使い方はいたってシンプルだ。

ヤンハマーのモーグシンセサイザーも当時としては新しかったかもしれないし、とにかくヤンハマーの活躍もこのレコードでは聴きどころだ。ヤンハマーは曲によってティンバレスを叩き、シンセベースを弾き、ボーカルを取っている。アルバムの最後にベックが「God bless you」と締めるがヤンが「Thank you」とすかさずかぶせたのも力関係が見えるような気がしないでもない。とにかくヤンハマーのバンドのライブということだ。

Jan Hammer Group - Live (1977) promotional album - YouTube

このライブの後にヤンハマーはアル・ディメオラに合流して、ベックはスタンリークラークに合流するのも面白い。当時のフュージョン界は結局みんな同じ穴のムジナなのかなと思ったりもする。

Jeff Beck & Stanley Clarke - Lopsy Lu (Live 1979) - YouTube

ベックのヒストリー本に書いてあったけど、ベック自身はこのアルバムにノータッチ。いつ作られたのかも分からないらしい。全てヤンハマーが全米ツアーの音源を切った張ったで編集したものだ。ヤンハマーは策士だ。たぶんベックの名前でポップス界へ自分を売り出そうと思っていたに違いない。現に80sにはビルボード1位まで上り詰めている。ヤンハマーはもうジャズロックに飽きていたんじゃないかと思う。

おしマイケル。

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