70年代ラテンのウィリーコロンのアルバム紹介 パート2
なぜ70年代のニューヨークラテンのウィリーコロンをしつこく紹介しているかと言えば、アルバムがどれも標準以上だからだ。ビートルズみたいな感じだろうか。それとけっこうな音楽好きでもアメリカのスワンプロックみたいなド渋いロックは知っているのに同じ時代の同じアメリカのラテン音楽は全然知らないケースが多いからもっとラテンも聴いてほしいということ。
ということで前回の続きから。69年発表のウィリーコロンの4thアルバム「Cosa Nuestra」。
ジャケットのデザインは前回が銀行強盗で今回は殺人だ。分かりやすくてすごくいい。とりあえず重要なことはトレードマークであるヒゲを生やし始めたこととカンタンテ(ボーカル)のエクトルラヴォー以外のステディーなバンドを結成して始めてのレコーディングということだろう。
この間にベストアルバムを出したみたいで、ジャケットデザインは獄中だ。
71年の5thアルバムの「La Gran Fuga」。大脱走という意味。どうやら脱走して指名手配されているようだ。
この辺りになるとボーカルのエクトルラヴォーがすごい良くなっていて当初のコロンとラヴォーの立場がほとんど逆転という感じになっている。映像もボチボチ出始めている。どうやらパナマでのライブらしい。
そんでここでクリスマスアルバム「Asalto Navidad」。クリスマスの襲撃と言った意味らしい。ロックグループはスカしているのでクリスマスアルバムなんて出さないけどラテン系は律儀にクリスマスアルバムを出すところがファン思いでいい。
クリスマスアルバムはコロンのバンドメンバー以外にヨモトロというクアトロ(ラテンの4弦ギター)の達人が参加している。なのでクリスマスアルバムだからと言って絶対にはずすわけにはいかない。
この頃からだんだんウィリーコロンとエクトルラヴォーの間が壊れ始める。音楽的才能があり英語もスペイン語も堪能だった知的なコロンと生粋のプエルトリカンでクスリの常習者のラヴォーはそれまでお互い気を使っていたが、ラヴォーの素行が悪すぎて手に負えなくなったらしい。なのでヨモトロが二人の間に入ったりしていたとか。70年代のロックスターあるあるに入り込んでしまった感じだ。
詳しくはジェニファーロペスが監督してラヴォーの奥さん役で主演しているラヴォーの伝記映画を見てください。
まだまだアルバムはあります。続きは次回。
おしマイケル。