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【MBTI】S型とN型の違い ②時間感覚

MBTIの傾向差が特に顕著に出る要素はやはり感覚(S)or直観(N)だろう。今回はMBTIの感覚(S)と直観(N)の違いについて、時間の感覚という観点から見ていきたいと思う。

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今現在を生きるS型

 S型は一般に現在志向だ。意識のリソースを「現在」に集中するため、日常生活や仕事や人間関係はうまくいきやすい。メールやSNSなどの連絡はマメでレスポンスも速い。

S型は関係性の長さ、接点の多寡がそのままその人や物事の記憶になっていて、現在との接点が切れた人・出来事は「過去」として区別する傾向がある。彼らが見ているものはあくまで「現在」なのだ。

SP型のワイルドセンス

 SP型であれば現在志向は今その瞬間における解像度(Se)として発揮される。このためSP型は持ち前のワイルドセンスでスポーツや仕事をクリアしていくことが多い。

特に優れているのは相手との「間合い」の感覚、あるいは球技や格闘技の「当て勘」だ。空間把握能力、動体視力、深視力、周辺視野といったワードで語られることも多いこの感覚はスポーツや格闘技、技能職といった分野で存分に発揮される。

 またSP型は非言語コミュニケーション能力も高い。協調性に難があるものの、空気が読めてアドリブが得意なため、ESTPやESFPは結果的には陽キャやコミュ強の部類に入る。営業の仕事において、あるいはプライベートにおける恋愛でも、交渉や本題に入る絶妙なタイミングの見極めはSP型の得意技といえる。

一方でSP型は刹那的・享楽的で後先を考えないという難点がある。着地点を考えないまま行動に移すため行き当たりばったりとなりやすく、リスク管理が苦手なため破滅しやすい。交通事故に遭う、酒やタバコで生活習慣病になる、FXでロスカットされるなどして痛い目に見るSP型は割と多そうだ。

SJ型の違和感

 SJ型の現在志向は「違和感チェッカー」として発揮される。息が上がりやすい、いつもと味が違う、なんか調子が悪い、といった自身の体調のわずかな変化に気が付きやすい。この違和感は記憶としてストックされ、印象に残った違和感はいつどのような状況だったのかをある程度正確に思い出すことができる。また違和感を判定する際の指標にもなる。

またこの違和感チェッカーはSJ型の生活空間、周囲環境、いつも接する知人などにも及ぶ。たとえば物の置き場所が変わった、同僚が髪を切ったというような変化で、SJ型はこうした細かい違いや変化に気が付きやすい。

 このためSJ型は注意力・観察力が優れていて実務能力が高い。この注意力・観察力は学生・社会人適性に極めて有用なもので、自分はミスしない一方で、他人のミスを発見する能力も優れている。「失敗しない=嫌われない」ということなので、その学校生活や会社生活において有利に働き、一定のポジションを確立しやすい。

違和感に敏感なSJ型だが、それゆえ保守的で世界観が閉じていて排他性が高く、新しい情報、あるいは新参者を受け入れられず拒絶しやすい一面がある。また常識にとらわれやすくアイデア出しが苦手で、想定外の出来事に対しては正常化バイアスにとらわれてパニックになりやすい一面もあるようだ。
 
 

S型は時間に正確?

 MBTIではJ型=時間に正確 P型=時間にルーズとされることが多いが、実際はこれもS型とN型の差という方がしっくりくるかもしれない。SJ型がそのイメージ通り遅刻しないのはわかりやすいが、P型であるはずのSP型も遅刻するイメージがあまり見えない。

実際のところS型は時間感覚がしっかりしていることが多い。空想をあまりしない(=余計なメモリを使わない)分、現実に対する注意力が高いためだ。約束の時間は守るし、忘れ物もなく、身だしなみもきっちりというのがごく当たり前にできる。

生活リズムも一定のため寝不足になりにくく早起きできるのも大きい。彼らはきっと始業時刻より20分以上前に出社して優雅にコーヒーを飲みながらメールチェックをしているだろう。納期と品質では納期を重視しており、課題やレポートは多少程々の出来でも余裕を見て提出する。

S型は「時間」という現実に対する注意力が適切に働くが、ただしどうしてその時間設定なのか、なぜ時間を守るのかという「意味」はあまり考えない人が多い。ただの規則・約束以上のものはないので、遅刻をしてしまう人に理解を示さない人は多いと思われる。

S型の思い出は「過去形」

 S型の人間関係は「上書き保存」される。そのため家族・親友・恋人などの生活圏を共にせず、濃い人間関係もない過去の知人や出来事は「過去の人・出来事」として区別し、やがて忘れてしまうことが多い。社会適応力の高さ故か、今現在の出来事や人間関係に注力するため、過去の人に対して「今どうしてるのかな」と空想や物思いに耽ることはあまりしないようだ。

英語の文法でいえば「過去形」だ。それは過去の一点を表わすものでゆえに「現在」とは繋がっていない。学生時代の友人や前職の同僚は「過去の人」であって「現在の人間関係」ではない。親友でもない限りわざわざ連絡は取らないし、今更連絡が来ても対応に困る。同窓会があまり開かれないのはクラスメイトの多数派がS型だからかもしれない。

なお「中高時代からの親友」などは大人になっても関係を維持するため「過去の人」にはならない。一方で「前の恋人」など関係性が切れた人はやがて「過去の人」というカテゴリに区別され、やがてフェードアウトしていく。つまりS型にとっての大切な人とは現在に至るまで実際に連絡が取れたり関係性が続いている人になる。

S型は今現在の人間関係で忙しく、またそれに充実・満足していることが多い。彼らのとっての過去は大切な「思い出」であって、胸にしまっておくものなので、勝手に一人歩きされると困るのだ。うかつに掘り返そうものなら「思い出の中でじっとしていてくれ」と遠ざけられてしまうだろう。

時間の概念が薄いN型

 N型は一般に「未来志向」と呼ばれることも多いが、正確には「時間の概念が薄い」といった方が正しいのかもしれない。時間にしろ、話題にしろN型はとにかく話が飛ぶことが多い。

N型は遠い過去の人・出来事でも自身にとって重要であれば昨日のことのように印象に残っているし、未来の出来事でも重要性や予見可能性が高ければそれを織り込んで振舞う。一方で重要と判断しないものは忘れてしまうし注意も払わない。要は自らにとって印象の強弱・重要性の高低がそのままその人や物事の記憶になっている。

NP型の発想力

 NP型の場合、遠い過去からアイデアを引っ張り出してくることがあるし、逆にまだ確定していない未来から仮説・考察という形で可能性を見出すこともある。好奇心やアイデアのモチーフとして用いるので、実現性にはあまりこだわりがなく、時間軸への関心も薄いのかもしれない。

しかしそれゆえNP型は常人が思いつかない自由でユニークな発想(Ne)を可能とするようだ。それがたまたま世の中の役に立つ分野・技術だったりすると、パラダイムシフトを起こして世の中の常識や生活スタイルを一変させてしまうこともある。蒸気機関・電気・IT等々挙げればキリがない。

他にも動画配信者やインフルエンサーなど新奇性への感度が高く、新しい価値を創造したり、深い共感を呼ぶ価値観を掘り起こしたりする能力がNP型は高い。既存概念にとらわれず、自由な発想ができるNP型の好奇心や探求心は本物で、そこには過去も未来もないのかもしれない。

しかしNP型は頭の中であれやこれやと勝手に空想をしてしまうため、日常のルーチンがおろそかになることが多い。常識や型にはまるのを嫌がり、奇策や閃きに頼って地道な作業や基礎固めを避けてきたことが後々足を引っ張ることがある。このためNP型は日常生活能力社会適応力の面で難のあるケースが見受けられる。

逆算志向のNJ型

 NJ型の場合はさらに奇妙で、強く影響を受けた体験をルーツとして理想となる人生観を形成し、それを達成するための長期計画(シナリオ)を描く。人生観を形成するルーツとなった体験は往々にして戦争、復讐、喪失、後悔といった「取り返しがつかない出来事」が多く、ゆえに時間の経過で風化することがない。NJ型の纏う独特のシリアスな雰囲気はこれに由来することが多い。

このルーツをもとにビジョン(ゴール・目標)を設定し、そこから逆算して実現計画を立てて、計画を実行する方法を検討し、その方法が可能なら実行に移す……という思考ルーチンを持っている。それは数十年に及ぶこともザラで、下手すると自身の死後すら想定していることもある。

NJ型は常に逆算思考(Ni)を用いて物事の着地点をあらかじめ定めるため、リスク回避能力が高い。またPDCAサイクルを呼吸と同義で行うため業務改善能力も高く、標準化・体系化を得意とする。結果としてNJ型は将軍(ENTJ)や勇者(ENFJ)、軍師(INTJ)、預言者(INFJ)といずれも全体最適化志向を発揮するタイプが多いようだ。

だがNJ型はとかくSeの弱さが足を引っ張ることが多い。NJ型の思考は過去のルーツ⇒未来のビジョン⇒現在の進捗行動 という認識になるため、今現在の認識が一番最後になされる。そのため現状認識やリアルタイムの判断能力に難があり、アドリブやマルチタスクなど即興性を求められる状況に弱い。Se劣勢のINTJやINFJは特にその傾向が強いといえる。

 

N型は時間にルーズ?

 N型は時間にルーズなことが多い。頭の中で空想をしている(=余計なメモリを使っている)分、現実の時間・空間に対する注意力が低下していて、時間の見積が甘くなってしまうためだ。物思いに耽ったりこうしてnoteを書いたりして夜更かししがちというのもあるだろう。

そんなこんなで約束の時間に微妙に遅刻したり、時間に間に合っても忘れ物をしたり、身だしなみがいい加減であることが多い。納期と品質では品質を重視することが多い。課題やレポートは可能な限り推敲を行ってギリギリ提出になることがしばしばある。

また自身がルーズなので、他人の遅刻にも寛容なことが多い。待ち合わせをすると1時間程度なら余裕で待ててしまう。納期についてもプライベートなら気絶しながら待っていられる。

ただし時間を守ることに「意味」があるとそれは守ろうとする。たとえばバスに乗り遅れるとか、締切があるとか、明確な意味があればそれは守る。要は「時間」という現実に対する注意力が、常に最優先に設定されていないのがN型という人種だ。

N型の思い出は「過去分詞形」

 N型の出来事や人間関係は「名前を付けて保存」となる。N型にとっての過去は現在と地続きになっているためで、そのため遠い過去の人・出来事でも、自身にとってとても大事な人だったり、強く印象に残った出来事であればそれは心象風景(モチーフやルーツ)として強く刻まれることとなる。刻まれているので風化しない。

英語で言えば「過去分詞形」みたいなもので、それは過去には違いないが現在まで地続きになっているのである。強く印象に残った出来事や人物の場合、長期間合わなくても「過去の人」にはならない。N型にとっての大切な人は、必ずしも今現在は会えない人や連絡を取れない人も含まれる。むしろそちらの方が多いかもしれない。会えないからこそ…というわけだ。

というか「過去の人」というカテゴリ自体がなかったりする。N型は外輪内輪という人間関係の垣根を作るのを嫌うが、それは時間においてもそうなのだ。他人を過去の人扱いするのは失礼だし、自らがそう思われるのも恐れるところがある。N型がSNSやnoteであれこれつぶやくのは「俺は過去形にされるのは御免だからな!」という思いがどこかにあるからなのかもしれない。

よって気に合う人がいれば「私は思い出にはならないさ」と言わんばかりに時間のブランク、空間の隔たり、過去の関係性をものともせず、コンタクトを試みる。筆者もよくやるが、数年ぶりに突然連絡をよこす人などはそのパターンだ。昔あった関係性が今も有効だと無意識に思っているフシがある。

もっともその流儀はN型にとってのものなので、同じN型同士であれば通用するかもしれないが、過去と現在を明確に区別するS型にとっては距離感バグでしかない。思い出の中で(ryと拒絶されることも多い。

まとめ

 今回は時間の感覚でS型とN型の違いを述べてみた。筆者はINFJなので、これはS型のN型の話じゃなくて、SP型とNJ型の話、あるいはSeとNiの話じゃないかというツッコミが入るかもしれないが、体感で書いているようで大外れはしていないと思う。

筆者のMBTI論はあくまで傾向の話で、S型(N型)だから絶対にこうだ!とはならない。そのため事実性・正確性は意識しておらず、話半分(経験則に基づいた偏見と憶測)で書いている面も否めない。

しかしそれでも特徴を箇条書きにしたり文章として書いてみると、世の中の常識・多数派・一般人(S型)に照らした部分で当てはまらない要素が浮き彫りとなるため、N型のズレているところを知るメタ認知としては効果的ではあると思う。

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