見出し画像

沖縄の伝統に触れる

今日は旧暦12月8日、ムーチーの日。

沖縄に移住して3年。まだまだ知らない沖縄の伝統行事や言葉ばかりです。
青と碧と白と沖縄ではウェルカムドリンクとして月桃茶をお出ししているのですが、沖縄出身の方はきまって「ムーチーの香りがする!」とお話ししてくださります。
そのこともあり“ムーチー”という言葉はこれまでよく耳にしていたのですが、正直なところ深くは知らないまま過ごしていました。

そんな中、青と碧と白と沖縄で朝食を担当していただいている手登根さんから、「ムーチーの日」がもうすぐだとお聞きしました。

ムーチーについて、私自身ももっと身近に感じてみたい、沖縄で大切に受け継がれている文化について学びたい、そんな気持ちが高まり、今回手登根さんにお願いしてムーチー作りを教えていただきました。

ムーチーの日の由来は諸説あるそうですが、そのひとつが鬼になったお兄さんに、妹が瓦を包んだムーチー(餅)を食べさせ、鬼退治をしたという話。

鬼退治をした日、旧暦12月8日に厄払いと健康祈願でムーチーを食べる風習があり、
赤ちゃんが生まれて初めて迎えるムーチーの「初(ハチ)ムーチー」はこどもの健康と無病息災を願い、ご近所さんにも配りにいく文化が今でも残っているそうです。

昨年4月に出産した9ヶ月になる娘がいるので、今回ご近所さんやお世話になっている方にお渡ししようと決め、月桃の葉を取りに行きました。


今回作ったものは2種類。紅芋と黒糖のムーチーです。
餅粉、砂糖、お水をいれてこねていきます。
食べた後に気付いたのですが、この「こねる」作業がとても重要。(私の担当した黒糖ムーチーはこねるのが足りず、少し固めに、、)

お水を少〜しずつ足していくのもポイントだそう。

月桃の葉っぱで一つずつ丁寧に包んでいきます。葉っぱの大きさによって大きさもバラバラ。そこもなんだか可愛らしいのです。

ゆとりを持たせて包んでいきます。

重ねて、蒸していきます。このときの月桃の葉っぱのいい香り。沖縄出身のお客さまが月桃茶をお出ししたとたんに「ムーチーの香りだ!」と口にする理由がやっと分かりました。

暖簾の先までムーチーの香りで包まれていました。

ムーチーの香りに癒されながら30分待っていると、出来上がり。

作りながら、
「お父さんと男の子が月桃の葉をとりに、お母さんと女の子がお餅をこねる。そんな風に家族みんなで役割分担しながらムーチーの日を迎えるんだよ。」
と手登根さんに教えていただきました。

ムーチーの日は、ただ表面的に文化が残っているのではなく、家族みんなで楽しみながら大切に受け継がれてきたものなのだと思いながら、そのお話を聞いていました。


今回こうして沖縄の伝統行事、”心”に、ほんの少しだけでも触れることができた気がして、とても嬉しかったです。

先ほど無事ご近所さんにも娘と一緒にお渡しに行き、温かく見守ってくださる方がいる今の環境に感謝の気持ちで溢れた1日となりました。

蒸した後。綺麗に色づき、もちもちに。