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BLが私をコロナ禍の虚無から救ってくれた

 Twitterのフォロワーの皆さんはお気づきだろうが、私は最近趣味が増えた。そう、BLコミックを読むことだ。
 これまでこれといって趣味が無く生きてきた私だが、大学に入りライブに行くという楽しみを見つけて、バイトで稼いだお金の大半をライブやCDやらに注ぎ込んできた。しかし、昨今の情勢の中、ライブは無い新譜も出ないグッズもあんまり出ない、とお金を使う先を失ってしまっていた。ストレス発散にはお金を使うのが1番効果がある(※個人の感想です)ので、コロナ禍でストレスは溜まるのに発散できない日々が続いていた。そこでハマったのがBLコミックだったのだ。

☆スマホで漫画を読むように

 4月5月の自粛期間を実家で過ごしていた私は、本当にすることがなく、家事もしなくていいから毎日を無為に過ごしていた。Twitterで時間つぶすのにも限界があるな、と思っていた時、母が常にスマホを見ているのに気付いたので、「そんなにスマホで何を見ることがあるの?」と若干の棘も込めながら聞いてみた。すると、「漫画を読んでいる、pixivとかシーモアとかで」という回答が返ってきた。
 幼少期からほとんど実家に漫画が存在せず、ほぼ読まずに育ってきた私にとって、母が漫画を読むというのは衝撃だった(実家にあった漫画といえば「のだめカンタービレ」か「伝染るんです。」くらいだった)。
 そこから私は、漫画という娯楽を知ることになる。まずは実家にあったいくつかの漫画(少女漫画が多い)を読み漁り、次にWeb上のpixivコミックで無料連載作品を読んだ。いくつか読んでいく中で、自分がBLジャンルの作品ならわりとスッと読めることに気付いたのだった。

☆少女漫画が読めない

 それは、少女漫画が読めなくなった、ということでもあった。その原因を探れば、恐らく、「自分が投影されてしまうことに嫌悪感を抱く」ということだった。つまり、少女漫画を読んでいて、無意識のうちにヒロインの目線になっていたのだ。しかし、学校一のイケメンに好かれるとか、イケメン2人に取り合われるとか、そんな状況にヒロインの目線でニヤニヤしている自分に気付き、自分で自分に引いてしまい、読み進められなくなったのだった。そもそも女子というだけでヒロインに感情移入してしまう癖が間違っているのだが、それはもう長年蓄積された「女としての自意識」のせいなので今更変えようが無い。


☆BLのここがいい

 その点BLは、登場人物のほとんどが男性だ。単に性別だけで自分を投影するようなことが無くなる。なんなら、自分は壁とか神とかの視点で読み進められる。完全に「自分」からは離れた第三者の立場になれるから、「はよくっつけ!」とか「幸せになってくれ……」といった外野らしい感情を持てるのが楽でいい。あと、登場人物の大半が顔がいいのだ。特にそういう設定ではなくても、大抵の場合、作画がいい。受けも攻めも友達もモブもみんなだいたいそれなりに顔がいいのだ。これは現実世界ではなくフィクションの世界だから許されることだと理解しているが、見ていて気分がいい。自分が実は面食いであることに改めて気付かされる。でもそんな私にとってはとても都合のいい世界なのだ。


☆リアルとの兼ね合い

 では、現実との区別はどうなっているのか、ちゃんとフィクションだと理解できてるか? という話だが、先に断っておくと、私は決してそのへんの人を見て「これは攻め/受け」みたいな判定をするような人間ではない。そういった思考(嗜好)は持ち合わせていない。元々二次創作とかnmmnは興味が無いし受け付けない体質なので、そこは安心してほしい。それゆえ、私は自分のことを腐女子ではなく「商業BL漁り女」と称している。
 振り返ると、中学時代には好きだった男の子から「お前って腐女子っぽいよな」という、明らかに褒め言葉ではない言葉を貰ったこともあるのだが、残念ながら当時は全くといっていいほどBLには触れていなかった。それが8年も経った今更、こんな形で回収されることになるとは思わなかったよ……
 ちなみに、私の恋愛対象は男性だと今でも思っている。まあ2年ほど恋人もいなければ特別親密な人もいないので、そういう感情を失いかけているのは事実だ。自分自身に恋とか愛とか性とかが興味なく関係なくなっているからこそ、他人を見て補充しているともいえるだろう。なのにそこには自分を投影したくない、というのは変な話ではあるが。


☆本棚紹介

 私は何かハマるとかなりの額を注ぎ込んでしまうタイプなのだが、6月頃から買い始めたBL単行本は、約3ヶ月経った今ではいよいよ50冊を超えた。電子でも一部買っているから、トータル60ってところだろうか。1冊あたりの値段から考えると、すでに数万円は使っていることになる。ライブが無くなって返金されてるはずなのに口座残高がどんどん減っていく理由がここにあったみたいね……
 というわけで、以下は本棚の写真です。棚に入らない分は箱に。プラス電子購入分。
 それぞれの作品紹介はいずれするかもしれないので割愛する。そのうち全冊紹介とかやってもいいかもね。まあ、蔵書リストくらいは作っておきたい。
 もしこれを読んだ中に「この作品持ってる!」っていうのがあればぜひ教えてください。これ良いよね〜! みたいな共感をしたい。

(上から順に、本棚、箱1、箱2、シーモア、アニメイトブックストア)

☆50冊読んで分かったこと

 先日、Twitterに少し纏めてみたのだが、めちゃくちゃ雑な感想である。今後、インプットを増やして精度を上げたいと思っている。一応、随時Twitterにて更新予定。
 現状はこんな感じ。もっとちゃんと研究していつかは論文にしたいなー。
・目が大きい方が受けのことが多い
・髪が長い方が受けのことが多い
・顔が可愛い方が受けのことが多い
・黒髪の方が受けのことが多い
・美形は攻めのことが多い
・平凡顔は受けのことが多い
…………


☆今後の展望

 3ヶ月で50冊集めた私はこれからどうなるのであろうか。まず、来月から書店員としてアルバイトを始めることになったから、本を社割で買えるようになるから、恐らく冊数は増える。そして、シリーズものは恐らく今後も追い続ける。単話配信とか雑誌連載を追うつもりはないけど、単行本が出れば多分買うんだろう。
 ただ、来年には実家暮らしになってるはずだから、これだけの本を持って帰るのか、置く場所があるのか、というのはなかなか大きな問題だ。恐らく社会人になって時間もなくなるだろうし、今みたいな追い方はできなくなるんだろう。それでもこれからも、興味が続く限りは追い続けたいな、と思うのだ。
 私自身は絵も描けないし漫画なんてもちろん描けないし、物語を考えることもできない。だから、ひたすら享受する側であることしかできないのだが、それでも、作品と作者を応援できる方法はいくつもあるだろうから、それらを実行していくのみだ。
 BLコミックを手にしていなければ今頃ストレス発散方法がなくて困っていたし、恋愛しない自分に嫌気がさしていたし、本屋でバイトを始めようとも思わなかっただろう。そう考えると、とても大きなものを私にくれたのだ。
 コロナ禍の虚無から救ってくれたBLコミックという存在を、私はこれからも大事に思っていきたい。

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