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スタンコンボの損益分岐点を考える【ストV】

前回の記事以降、前のめりに戦うこととEXゲージの増加量について関心を向けて生きています。その結果、相手をスタンさせる機会が増えたのに対して、自分があまりスタン時のコンボについてよく考えていないことがわかったので、今回はスタンコンボについて考えたいと思います。

スト5のEXゲージの増加量について

まず、スト5のEXゲージ増加のシステムについて説明します。
攻撃を仕掛けた側は技を相手に当てるとゲージが溜まります。ガードされた時はヒット時の半分のゲージが溜まります。そして攻撃を受けた側は攻撃を仕掛けたプレイヤーが使用した技に設定されたゲージ増加量を0.6倍したゲージが溜まります(※コンボ補正で攻撃側のゲージ増加量は減りますが、コンボ補正がかかっても防御側のゲージ増加量は減らないためこのような説明になっています)。
春麗の強Pを例に挙げると以下のようになります。
攻撃側(ヒット:50 ガード:25)
防御側(ヒット:30 ガード:15)
そして、EXゲージは300で1本溜まります。大Pを6回ヒットさせればちょうど一本溜まるということです。

コンボ補正で攻撃側のゲージ増加量が減ると書きましたが、ゲージ増加量はコンボ補正と同様にコンボを繋げるたびに10%減ります(最低保障は10%、CAだけ50%)。
つまり、5個目の技で攻撃側のゲージ増加量と防御側のゲージ増加量が等しくなり、6個目の技以降は防御側のゲージ増加量の方が多くなってしまいます。

とはいえ、EXゲージの増加量にこだわりすぎるのも良くないです。EXゲージにこだわる理由は、EXゲージを持っていると相手の体力を削りやすくなり、逆に持たれていると相手に体力を削られやすくなるからです。あくまで可能性の話にすぎません。EXゲージにこだわって、せっかく体力を確定で減らせる機会であるコンボを安く済ませてしまうようでは本末転倒です。

スタンコンボでは補正がかかりやすいことに注意して、いたづらにコンボを繋げることはしないように注意する。この程度の認識がちょうどいいと思います。

J強P>屈強P>覇山蹴>立小P>弱百裂>立小P>弱スピバは長い

J強P>屈強P>覇山蹴>立小P>弱百裂>立小P>弱スピバは高火力でVゲージも溜められる優秀なコンボです。しかしながら、このコンボだけで7個も技を繋いでいることには注意が必要です。3個以上の技を繋げてスタンさせた場合、最後の弱スピバは補正が90%かかっており全く減らないにも関わらず相手にEXゲージを30もあげてしまいます。

立小Pを2回も挟んでいるところも良くないのですが、実は屈強Pも悪さをしています。公式のフレーム表を確認すると屈強Pの性能は以下のように設定されています。
屈強P(ダメージ:100 スタン値:150 EXゲージ増加量:50)
しかし実際は2段技なので正確に表記するならばこうなります。
屈強P初段(ダメージ:60 スタン値:100 EXゲージ増加量:25)
屈強P2段目(ダメージ:40 スタン値:50 EXゲージ増加量:25)
屈強P初段だけでは中攻撃相当のリターンしかありません。

スタンコンボの理想は、補正があまりかからない短さかつダメージの大きい技だけで構成されていることです。
スタンコンボの前半で屈強Pを使うのは理想的ではありません。
春麗の通常技で必殺技にキャンセルが出来て屈強Pより火力のある技は発勁しかないので発勁をスタンコンボに組み込みたいです。春麗の必殺技で火力と状況を考慮するとスピバが最も優れているのでコンボの締めはスピバにしたいです。
ということで、僕の考える3個以上の技を繋げてスタンさせた時にやるスタンコンボはこのレシピです。

J強P>発勁>中スピバは短くて最高

このコンボは最高です。
J強P>屈強P>強スピバという絶対に失敗しないコンボよりほんの少しだけ優れているという理由で、発勁キャンセル中スピバという難しいことをやらされます。最高です。実戦投入できるほど安定しない場合は素直にJ強P>屈強P>強スピバで大丈夫です。ほとんど変わりません。

【1ゲージ】J強P>発勁>EX気功>中足>強スピバ

これまでずっとノーゲージコンボについて考えていましたが、画面端ではEX気功を絡めたコンボでダメージを伸ばすことが出来ます。
このコンボも5個の技を繋いでいるので、5個以上の技を繋げてスタンさせた場合は最後の強スピバに補正が最大の90%かかりロクなダメージが出ないうえにEXゲージを30もあげてしまうことには注意が必要です。それでも、EX気功を使うことで10ダメージ程度は伸ばすことが出来るので本当に倒し切れそうな場合はゲージを使います。
5個以上の技を繋いだ場合はゲージを使わずに前述のJ強P>発勁>中スピバが良いと思います。

画面中央でのスタンコンボについては、相手を画面端に追い詰めた状況で後ろ投げを決めた時を想定して考えます。相手がスタンするほど連続で打撃を当てていて、スタンした後にも前ステが可能なのにも関わらず、相手が画面中央でスタンしているということは後ろ投げ始動以外まずないからです。
そして、画面中央でEXゲージを使うコンボというのは春麗にはありません。正確にはJ大P>発勁>EX気功>弱スピバというコンボがあるのですが、20ダメージしか伸びないのに難しすぎるのでリスクリターンが合っていません。
後ろ投げでスタンさせた後のコンボは、J強P>屈強P>覇山蹴>立小P>弱百裂>立小P>弱スピバが無難です。

○ここまでのまとめ

・ノーゲージ
【技2個以下】J強P>屈強P>覇山蹴>立小P>弱百裂>立小P>弱スピバ
【技3個以上】J強P>発勁>中スピバ
・1ゲージ(画面端)
【技4個以下】J強P>発勁>EX気功>中足>強スピバ
【技5個以上】J強P>発勁>中スピバ
・画面中央
J強P>屈強P>覇山蹴>立小P>弱百裂>立小P>弱スピバ

スタンへの入り方

この記事を書くにあたって、相手をスタンさせた時にどのコンボをするのかを決めることが重要だと思い、具体的なダメージなどは記述しないようにしていました。結局、真に知りたい情報はどれだけダメージが減るかではなく、実戦で何をすればいいかだけだと考えていたからです。

しかし、実際にトレモで試していると、補正がひとつ多くかかるだけでも想像よりはるかにダメージが減ることがわかりました。
例えば、画面端でスタン直前の相手が無敵技をパナして自分はガードしたとします。僕はクラカンさせると補正が重くなってしまうことは知っていたので、ゲージを増やすためにも後ろ投げをしていました。しかし、これは間違っていました。
まず、2021年2月の調整で、投げ技を始動としてコンボが開始された際にコンボ補正値が技1個分多くかかるように変更されています。
さらに、画面中央での春麗のコンボは決して高くないことは先ほど確認した通りです。
この2つも間違いを犯しているコンボのダメージは380でした。
間違いを1つ訂正して、後ろ投げではなく前投げ始動にすると1ゲージで409ダメージです。
この状況での最適解はノーゲージなら立強P始動で406・1ゲージなら立強P始動で453・2ゲージならEX百裂始動で482です。
補正が1つ重くなるだけで44ダメージ損するというのは想像より痛かったですし、これまでどれだけ損したか想像すると憂鬱になりました。

でも冷静に考えてみると、補正が1つ重くなるということはそれ以降の全ての技のダメージが10%減るということであり、その影響が甚大であることは当たり前でした。
スタンした後のコンボについて考えることも大事でしたが、その前段階であるスタンさせる技についてももっと検討する必要があると感じました。

※追記
EX無敵技をガードした後はカウンターヒットの1.2倍に加えて初段も1.2倍のダメージになるのですが、投げには反映されません。したがって、EX無敵技をガードしてから後ろ投げでスタンさせるのは3つも間違っています。

平時の思考パターンからの脱却

先ほど例に挙げた、スタン直前の相手が無敵技をパナして自分がガードした状況で後ろ投げをしていたという誤りについてですが、愚かな行動であるのは間違いないもののその誤りを犯した理由は分かります。
スト5というゲームにおいて後ろ投げは特別な技です。ノーゲージで出せる単発技の中では最も火力が高く最もゲージが溜まります。対戦中は相手が後ろ投げで倒せる体力かどうかを常に気にしていますし、無敵技をガードして相手が後ろ投げで倒せる体力なら後ろ投げをしてゲージを溜めます。
こういうことを積み重ねた結果、僕の中では「後ろ投げ=単発技の中で最も効率の良い行動」という認識になっていました。この結果、スタンさせるなら始動は単発技の中で最も効率の良い行動である後ろ投げが最適であると思い込んでいたわけです。

こういった長く続けていくうちに作り上げられた思考パターンは、咄嗟の時に最善に近い行動を即座に実行できるようになるのでとても大事です。しかしながら、ことスタンさせるコンボにおいては平時の思考パターンから脱却する必要があります。

残りスタン値別最適コンボ

例えば春麗でシミーを決めた時の理想は、屈大P始動で覇山蹴にコンボを繋ぐことですが、スタンが見えていてシミーを決めた場合の行動は相手の残りスタン値によって全く変わります。
【1~100】大足
【101~150】屈大P
【151~280】立中Por屈大P>EX百裂
【281~350】立中P>中足>EX百裂
【351~404】屈大P>覇山蹴>立小P>EX百裂
上記の表は最適”風”であって決定版ではないです。最適行動はVゲージやEXゲージの本数で全く変わりますし、その人が投げスカを見てから確定を決められる技次第でもあります。
ただ、スタン値次第でこれだけ選択肢が異なるというのは調べていて面白かったです。

調べてみて分かった注意点としては以下の2点です。
①EX百裂締めの徹底
春麗の必殺技の中で技の最終段が当たるまでスタン値が一切上昇しないのはEX百裂だけです。CAが絡まない限りは1ゲージ使ってEX百裂でスタンさせた方が良いです。
例外として、スピバの最終ヒットで相手がスタンする場合は1ゲージ使う必要がないのですが、人間にその見分けはつかないと思っているので原則ゲージがある場合はEX百裂に繋げましょう。

②覇山蹴を手癖で経由しない
屈大P>覇山蹴が屈大Pの絡むコンボでは最大ダメージなのですが、スタンさせる場合は最適ではなくなります。覇山蹴から小Pを挟むことで補正が1段階重くなってしまうからです。屈大Pを当てると手癖で覇山蹴にキャンセルしたくなりますが、気づかないうちにダメージを損している場合があるので、スタンゲージを確認したうえでキャンセルする必殺技を決めましょう。

補正切りについて

気功掌コンボや覇山蹴コンボを決めていると、対戦相手のスタン値が思ったよりも上昇している時があります。ダメージ感覚と同じように、スタン値感覚を養ってそのようなことが起きないようにしましょうというのは、もっともなアドバイスではありますが実践的ではないです。
そのような状況になった時に、コンボを完走するか、補正切りをするか、その基準を考えたいと思います。

色々考えた結果、「場合による」というズルい言葉を使わせてもらいます。
上手い人っぽい意見としては、確定で取れるダメージは取っておいた方が良いのでしょう。でも自分で考えるとそんなこともないかなぁって気がしてきたんですよね。
とりあえず、読んでいる人がなんとなく自己判断できる程度の情報は提供したいと思います。

補正切りを失敗することによって失うダメージは補正の重さによって変わります。ザックリになりますが、4段階目でスタンさせた後のコンボは約150ダメージ・5段階目で約100ダメージ・6段階目で約50ダメージ入ります。
これらの確定ダメージ+スタンさせるときに使用した技分のダメージを取るか取らないか。なんとなく5段階目までなら完走、6段階目を完走するか補正切りするか悩ましいという印象を抱きました。

補正切りによって得られるメリットについても考えていきたいです。
そもそも、春麗は他のキャラよりも補正切りが得意なキャラです。
普通なら投げとシミーの2択などを仕掛けるのでしょうが、春麗の場合はそこに鷹爪を使った中下択を絡めることもできます。
このことを踏まえて検討します。
まず、補正切りが成功した時ですが、これはもう分かりやすくそのラウンドの勝利です。
さらに、失敗してしまった時にも実はメリットがあります。
強力な3本トリガーを持っているキャラとの対戦でスタンさせて完走すると、相手のトリガーは溜まるあるいは溜まる直前にまでなっている場合があります。
そして、3本トリガーが溜まった後の立ち回りはかなり相手が有利になってしまいます。しかし、補正切りを失敗したことによってその危険な状態に突入しなくなります。
1回そのラウンドを終わらせる攻撃を仕掛けておきながら、その後の立ち回りもキツくならないというのはギャンブルプレイではなくちょっと効率が良いだけの賢いプレイにも感じてしまいます。

これまで自分がやったことのないプレイで面白そうという理由で、かなり補正切りに寄った意見を書いてしまいましたが、頭の中でこねくり回しているだけでは結論が出せない程度には難しい問題だと感じました。
こういう時は何度も実際のプレイで試して体で覚えるのが大事なので、しばらくはスタン値が溜まってきたら積極的に補正切りを狙う最悪な春麗としてやっていこうと思います。
この記事の前半部分であんなにスタン後のコンボについて考えたのに、全然それを活かすつもりのない結論を導いてしまったことについてはどうかと思うのですが、強い行動の可能性がある以上仕方ないですね。

最初の想定の3倍くらいの長さになってしまいましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。

それでは、また。


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