このババアがすごい!ジブリババア7選(2023年7月18日の日記)
・矯正してる歯が痛え〜〜〜〜。
・食べられないわけじゃないんだけど、やはり痛みはあるから一人の食事にストレスをかけないようになってしまう。スープうまい。
・見た。
・レイトショーで見たから比較的空いていてよかった。本当は明日の夜にでも見ようと思ってたんだけど、予定が入ったので急遽見ることにした。今まで内容についてのネタバレを踏まないように頑張っていたんだけど、いつまでもそうしているのも大変だから早く見たかったんだ。
・そういうわけでこの先は多分にネタバレを含みます。一度見てしまえばネタバレを防ぐ側から与える側に180度転身できるのはすっきりするなあ!!!!!おそらくここに書いてあるようなことは他の人も散々言っていると思うぜ。わたしは凡庸な人間なので。
・一切プロモーションが行われていないことが逆にプロモーションとなったわけで、あらすじも登場人物もキャストすら一切わからない。そういう状態で映画を見るのってずいぶん無かった気がする。最近は原作を知った状態で見ることも多かったしな。しかしそれでも基本情報くらいは持っていたはずだから、ここまで何もわからないブラックボックス状態で行ったのは初めてかも。小学生の時に父と見たパイレーツオブカリビアン2くらいわからない。あれも「海賊の話」程度の知識しか無いままにタコがうねる様を見て呆然としていた。
・想像の30倍鳥が出る。
・唯一わかっていたのは、販促ポスターに鳥が描かれているということだけだ。でもこういうのって案外でかでかと描かれていても、本編では匂わせる程度だったり、物語の最後に空を飛んでいるところを遠くから主人公が見る、程度だったりしそうじゃないですか。
・まじで想像の50倍出てくる。開始10分くらいで出て来たし、結構気持ち悪い部類でびっくりした。ポスターでは眼光鋭めに描かれていたから、出てきたとしても何らか高潔さの象徴みたいな硬派なキャラクターなんだと思っていたのに、かなり下衆よりだった。ジブリがよくやる気持ち悪さの表現が全面に押し出されている。あんな気持ち悪い感じにする?ビジュアルとしては千と千尋の神隠しで出てきた3つ頭の化け物と同じ感じだぞ。個人的には「魔笛」に出てくるパパゲーノを思い出した。
・ババアがめちゃくちゃ出てくる。ジブリババア百景。
・これまでジブリがお出ししてきたあらゆるババアが一同に会するババアの博覧会だ。お好きなババアをどうぞ、と7種類の差分を出されて笑ってしまった。開始時に自分の外見を数パターンから選べるタイプのゲームシステム。どのババアで冒険を始めますか?
・登場時は得体のしれない異形の側面が強かったババアたちだが、一応独立した思考や感情、行動があるとわかって安心した。完全にもののけ姫の猩々たちと同じ化け物寄りの存在かと思ってしまったから。
・全体の登場人物たちを顧みても、これまでのジブリで出てきた人物たちの総まとめって感じだったな。ババア7選も、世話焼きのババア、毒気の抜けた無垢なババア、狡猾なババア等、昔の作品にいたな、こんなババアと思い起こさせるし、かと思えば自分の権力に自信を持ち振りかざしつつも、家族を守りたいという意志の強い父、美しく優しい継母、男勝りで勝気な中にも優しさがある姉のような女性、同世代の快活な少女、謎のふわふわ生物、すべてを見通す老爺……。全部どっかで見たぜ!
・これがジブリだ~~~~とボールを次々投げつけられている感覚。
・でも実際それは嬉しかった。何の情報も無かったから、見てみたら実写だったとか3Dだったとか普通にあるんじゃないかと少し怯えていた。ちゃんとジブリのアニメーションで安心した。
・何かこう~、この登場人物が表すものは!みたいな深読みをあまりしたくないな~と思いつつも考えずにはいられない。
・インコ帝国が表すのは大衆なんだろうか。登場人物を食べてしまうというところも、これまでジブリが出してきた映像や登場人物を隅々まで解体・分析して、その裏に隠された意図を丸裸にしてやるぜという悪辣さを感じる。食事をしているインコが多いのも、そういう……生み出されたエンタメを消費するだけの人々ということなのかな。主人公と初対面した時の、丁寧に恭しく接してくれる裏で包丁を持っているところも、新作が出たら歓迎してくれるが、その裏にはいつでも攻撃できるように凶器を持っているような。
・人々(インコ)は帝国(ジブリ)の存続を望み、新たな食物(作品)を求めているけど、崇拝と同時に攻撃性も持っている。ジブリという塔の中にはもうあふれるほどインコが溢れていて、彼らを飢えさせないために帝国は存続しなければならないと思われている。インコ大王はジブリの中でもその永遠の継続を望む人なのかな。モデルがいそうではある。最後に「裏切りだ!」と叫んで積み木をぐしゃぐしゃにして世界を壊すのも……内輪のトラブルを見せられた感じはしたな。
・世界の均衡を保つ大叔父は宮崎駿監督で、今にも崩れそうな世界の積み木を日々積んでギリギリの状態を一日、一日と伸ばしてきた。そうしてジブリを存続させていて、それを続けるために後継者を探していたけど、後継者はそれを望まずに新しい世界へ踏み出す……うーん。
・最初は今まで積んだ積み木にひとつ足せばいいんだ(現在のジブリを大枠は変えずに引き継げばいいんだ)と言うけど、一度断られたあとは新しい積み木を用意している。「悪意」のない積み木。でも主人公自体の体にすでに悪意の傷が入っているから、自分は純粋な積み木を積むことはできないと言って羽ばたいていく。
・物語の体を取りながらもジブリの今後や内々でされた攻防みたいなものが見える感じがした。でもどうかな、そうやってわざと見えるところに餌を巻いて、したり顔のインコ共を満足させようとしているのかもしれない。
・こうやって何かと意味するところを読み解こうとしてしまうわたしもまた包丁を持ったインコのひとりだ。君たちはインコになるか。
・批評が割れるのも仕方ないかもと思った。でも面白かった。初回は先がわからなくて色んなところに目移りしてしまった感じがするから、ストーリーが分かった状態でもう一回見に行きたい。
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