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人それぞれのアンガー(怒りの感情)

ほうあんのぞみBlossomのジョブコーチです。今月から、メールマガジンがリニューアルしました。Blossomの就労支援をご紹介させていただこうと、「ジョブコーチのコラム」を開設しました。
日々の活動をご紹介しながら、皆さまに何か心に届くものがあればと願っています。
日常の支援や就労先への支援など私なりに感じて、全てプラスに捉えた形での支援に就いていることを、是非、お伝えしたいと思っています。

怒りの感情

皆さまは「アンガーコントロール」という言葉を聞いたことがありますか?
Blossomの就労講習の一つに、「アンガーコントロール(怒りをコントロールする)」の心理を学んでいます。

 怒りは一つの感情であり悪いものではありません。では、なぜコントロールをするの?と思われるでしょう。その理由として、「怒りの感情はエネルギーをたくさん使ってしまうもの」、「怒りの処理をしないと憎しみという強い感情に移行してしまうこともある」という状況があり、自分の怒りの感情に気づいて、早く切り捨てていこうという学びです。切り捨てていくには、今、怒りがあるということを自分で認識し、捨てていくためには、自分なりの対処法を持ち出して行動に移さなければなりません。

怒りの感情は様々な場面で心に飛び込んできます。突然、予想もつかない驚きがあり自己防衛が働いて、怒りの種になることもあります。また、小さな不安の種がずっと滞って不安が捨てられないと、イライラ感の小さな怒りの感情の生み出しにもなります。心や身体の疲労が蓄積することにより、自分では気づきにくい怒りを発生する種もあります。

どんな時に怒りの感情は起こる?

それでは、先日行った「アンガーコントロール」の就労講習の様子をお話させてください。「事例」をつくり、ホワイトボードに書き出しました。
「事例」は、①から⑧までつくってみました。どれもアンガー(怒り)の種になりそうな事例ばかりです。また、朝、起きて、会社へ行く様子から会社に到着し、仕事終了時間間近までを設定し、利用者が、想像しやすい場面を提示してみました。ホワイトボードに書き出したものを、利用者と読み合わせをして、更に、ひとつひとつの事例を支援者が詳しく背景等を重ねて説明をしました。

【事例】
①朝、出勤するのに玄関で靴を履こうとしたら、親に、「その靴でいいの?」と言われた
②家を出たら、サンサンと強い太陽の光で、ものすごく暑い日になると感じた
③いつもの通勤電車に乗ったら、学生がたくさん乗っていて満員状況、いつも座る席が空いていなかった
④会社に着いたら、自分ではないカバンがデスク上にあった
⑤会社内はいつもより暑く、「ただいま会社内のエアコンが故障していて修理中です」と放送が入った
⑥仕事中、汗が噴き出てきて、持っていたタオルハンカチがビショビショになってしまったが他のタオルハンカチを持ってきていなかった
⑦お昼にいつも通りに社員食堂へ行き、「たぬきそば」を注文したが、出てきたのは「たぬきうどん」だった
⑧定時10分前に、今日は定時後、会議があることを思い出した

このような事例であげて、①から⑧のアンガーの大きさ(大?小?)を自分なら・・・ということで考えてもらいました。当然、人それぞれの怒りの感情の大きさ、小ささの結果が出ていました。

利用者AさんとBさんは、「全部、小さいです」
利用者Cさんは、「②と⑤と⑥は大きくて、他は、小さいです」
利用者Dさんは、「全部、大きくもなく小さくもなく、中ぐらいです」
利用者Eさんは、「暑いのは絶対ダメだから②、⑤、⑥は大きいです」
利用者Fさんは、「どれも小さいです・・・」
ジョブコーチは、「私は⑦が大きいですが他は全て小さいです」

👀講習の視点

☆発表する→自分の声を届ける、聞いている人の様子を感じとる
☆事例の文章から、その状況の場面を想像する→場面に五感が入ってくる
☆自己決定をする→自分ならどうか?自分と向き合って決め、正直に話す
☆アンガーの種が普段いつも転がっている→アンガーを知る

👀支援を考え深める(支援者の視点)

それぞれの利用者のアンガーの大小を知り、大と捉えた種のその人のストレス度合いの大きさはどれくらいだろうか?環境についての敏感さ、鈍感さはどうだろうか?経験値の少なさや受け止めが浅いことが原因か?主張する声や表情の様子は普段とどう違うだろうか?

障害の特性を理解しつつ、人それぞれの育った環境、性質があります。そのことをしっかりと受けとめながら、学びのきっかけから、利用者、支援者ともにプラスになっていくものを引き出すよう軌道に乗せていく・・・そんなことを思いながら日々の支援の時間の一瞬一瞬を大事に思っています。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
これからも続けてジョブコーチがコラムを書いていきますので、読んでいただけたら嬉しいです。


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