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障害者雇用での配慮と障害者の方が上手に仕事を進めていくには

「雇用現場の中での配慮とは?」

みなさんこんにちは。
今日はジョブコーチの視点でみる、雇用先で必要なことについてお話ししていきたいと思います。

障害者の方が現場に入るときに、雇用先として「配慮するべきところ」を雇用前に準備をしておく必要があると思います。
たとえば、面接試験時に、

「あなたは、雇用先に何か”配慮”してほしいことはありますか?」
と質問する機会があったとします。
障害者雇用での面接を受けた人はどのような答えをするのでしょうか。
当事業所での利用者が面接時に返答された一部をご紹介します。

・「私は、いっぺんにたくさんの指示をされると混乱し、優先順位がわからないので、1つずつゆっくりと指示を出してください」
・「私は、タイムスケジュール表を提示していだだくとわかりやすいです」
・「私は、先を想像をすることがとても難しいです。」
・「電話は、相手の顔がわからないことや声だけを聞いて、瞬時に返答するので応対は難しいです。また聞きながら同時にメモをとることも難しく、出来れば電話応対は外していただきたいです」
・「私は、相談できる人(キーパーソン)を決めていただきたいです」
・「あいまいな表現は迷ったり、わからなかったりするので明確に具体的な内容でお願いします。また、聞き取れないことは、質問をしますので、もう一度、わかりやすい言葉での説明をお願いします」
・「休憩時間は、静かに自分一人で過ごしたいです。積極的なコミュニケーションをとろうとする姿勢ではないかもしれませんが、自分にとっては、このスタイルが仕事の疲れをいやす一番の休憩となりますので、ご理解をいただきたいです」
・「職場を離れた場所で、少しの時間で良いので、責任者(キーパーソン)と定期的な面談の時間をいただきたいです。そこで、自分の困ったことや悩むことを話せたりできます。また自分の仕事の評価を聞いたり、仕事の振り返り等ができると安心します」
・「前もってわかる予定変更は、できるだけ当日ではない日に伝えてほしいです」
・「初めて新しい仕事を行う際は、準備(道具・作業場所)、手順(仕事の進め方)の説明をお願いします。また、完成した後の状態をみていただき、一度だけで良いのですが出来上がりをこれで大丈夫かの確認をお願いしたいです」
・「新しい人や現場に慣れるまでとても緊張しますが、ゆっくりと慣れていくことができますのでご承知ください」
・「私は、大きな音が苦手で、時折、びっくりする様子をお見せするかも知れませんが、音に敏感な部分があるので、ご理解ください。人と会話をするとき、私は、できるだけ落ち着いた声で声のトーンを抑えて話そうと思っています。その点をご配慮いただけたらと思います」
・「暗算での計算は苦手ですが、計算機を使うと間違いなく出来ます」


このような、自己表現があったとき、雇用先(会社側)は、作業環境や人的環境について、どのようなご準備をされますでしょうか?
また、他にはどのようなことをご準備され、受け入れを開始されますでしょうか?

それぞれの配慮をしてほしい内容の自己表現には、対象者(障害者の方)が自らの障害の認知をされ、自分と向き合い正直にお話をして、このようなことを理解してほしいと思うことや自分の働く力を発揮するにはこのようなことを伝え、安心安定して、良い仕事をしていきたいと願う気持ちがあると思います。
障害を認知し、配慮してほしいことを整理してお伝えすることは、誰しも簡単な心の準備ではありません。お互いがよく理解を深め、それぞれの準備が必要と言うことは言えると思います。
健常者、障害者と区別することではなく、その人の良さ、良い職場環境づくりが進むことによって作業環境が発展につながり人的環境が自分の人生にとって大切な人の一人になるのではないでしょうか。
努力や忍耐、我慢なども必要なものではありますが、身体も心も時間ともに豊かになるものが働くことの場で全て必ず得られるものではないかと思います。

ご縁があってつながったことを大切に働く仲間とともに成長していきたいと思います。

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