🍃　職種の希望と強み　🍃

4月は学校卒業の新しい方々が多く入所されます。
そして入所して間もなく新しい利用者と三者面談を行います。
これは、就労移行支援事業をスタートするにあたり、このサービスに対して、「ご本人の希望」「ご家族の希望」を聞き取る機会になります。

当事業所では、ご利用をする前に、見学をしていただき、また数日間の体験実習を経て、実習終了後に、実習評価（就労アセスメント）と体験者の感想や今後の意向、支援側での実習での様子や課題等について、お顔を合わせてお話をする実習評価会議を設けています。その中で、当事業所のご利用の希望があり、支援者側も実習評価を合わせて、契約へと進みます。

コロナの状況で3年前から求人の舞い込む様子が一変した中で昨年度、6名（定員8名）の方々が就労へ結びました。契約満了の2年間ギリギリで就労された方もいらっしゃいました。また、少ない求人の中で、雇用試験を何度もチャレンジした方もいらっしゃいました。数社、重なった時期に雇用試験を時間差で受ける方もいらっしゃいました。世の中（世界中）がコロナで我慢や痛手、疲弊、恐怖などを味わうことになりました。

そんな中でも「働く」とういうことの、うっすらと浮かび上がる思いが、この困った厳し状況に置かれることにより、
「人のために働く」
という深い意味を持てるきっかけになったのではないかと思います。

3月末のある日、養護学校の先生がご異動されるとのことで、当事業所へご挨拶にご訪問してくださいました。先生の担当された生徒さんを毎年数名、当事業所へご案内いただき、就労への支援を受け取らせていただきながら数年が経ちました。
とても熱心な先生であり、先生の人柄や情熱が手にとるようにわかりました。学校の先生方は、ご異動はつきものですので、非常に残念な思いがありましたがこのような一旦のお別れは、何度か経験をしてきました。先生が次なる養護学校が盲学校とうかがい、ご挨拶にご訪問いただいた翌朝、盲学校の卒業後の進路やまた職種、障害者雇用の数値を調べてみました。視覚障害者のためのツールもあり、また卒業後も、学びの場を進め資格取得を経た専門職に就かれる方もいらっしゃいます。

私が、「働く」という現場への就労支援で、大事にしていることは、働きたい方ご自身の就労への扉は、ご自身の希望する働きやすい環境や取り組める作業が存在し、またご自身の強みが活かされる現場であることだと思うのです。その意向は、就労への扉の前にあり、ゆらがない大切なものだと思います。時間が流れ月日とともに人は前に進んでいますし得たこのとの学びがあります。エネルギーを注いで努力をしていくので、良きご縁のある就労先へと進んでいくことを願います。

さて、これまでの経験で色んな方と三者面談を行ってきました。印象的だった利用者の「職種の希望と強み」を少しご紹介します。
 
（Ａさん：女性）
「自分の強みは、子どもと関わることが好きだし仲良くなれます。これは、3歳の時から子ども劇場に入り、年齢差のある環境で一緒にキャンプをしたり、演劇を見たりしてきました。今もこの活動を続けていて、小さい子供たちと一緒の空間にいる雰囲気が好きだし、きっと力になれると思います。音楽が好きなのは小さい時からオルガンやピアノを続けてきたことです。歌を歌うことも好きだし何か私のピアノの伴奏で子供たちが歌を歌うことができたらといいなと思います。子供のいる空間なら、洗濯や、消毒作業、お部屋の掃除、食器洗いなどでも大丈夫です。自分の仕事が子供たちのためになることならやってみたいです。」

（Ｂさん：男性）
「自分の強みは、お年寄りが得意です。どんなことも話を聞いて、答えることができます。特に得意なのは、植物の質問に答えることです。先日、ご近所のお年寄りが話しかけてきて盆栽の話で盛り上がりました。自分が知っている植物の説明をしたらとても喜んでくれました。お年寄りと仲良くなれる自信はあります。是非、老人施設で働きたいと思います。昨年、就労継続B型事業所で1年間訓練をして、そこで老人施設のゴミ回収作業や清掃作業の施設外就労での訓練をしました。居室がどんな様子か
雰囲気はどんな感じが経験しています。老人施設でお年寄りの方のために働きたいです。」

（Ｃさん：女性）
「私は、高校1年生の時にたくさんの検定にチャレンジし合格しました。今思うと、1年間で相当頑張ったんだと思います。その検定をみると事務的作業に生かされるものばかりなので、職種の希望は、事務補助の仕事に就きたいと思います。弱みはたくさん話せるのですが・・・、強みを考えて見ると、文章力でしょうか・・・。高校の時、先生にうながされて、文章を書き応募したところ賞をいただきました。その賞が今も自信として残っているし、今後も書こうと思ったら何か書けるかもしれないです。文章を
書くことが苦手だという声も聞いたこともあるので、これは、私の強みだと思います。
授業でノートに書き写すことは苦にならずたくさんの量を書くことが出来ました。試験勉強もたくさん書いたのですが、あまり良い点数がとれなかったのは残念でした。でも書くことは好きです。」
 
「職種の希望と強み」を前提に、就労支援を行っていきたいと思います。