在宅勤務ハック_タイトル2

在宅勤務ハック 「行動管理」編

在宅勤務の一番の問題は、他人の目がないこと。自分でぜんぶ、コントロールしなければならないのです。

だらけていても、テレビを見ていても、ベッドで寝ていても、誰も何も注意しない。そんな環境で、ある人は全然仕事が手につかなくなり、またある人はかえって頑張りすぎてしまう。

そんな在宅勤務の「行動管理」のハック。これにより、人の3倍の濃度の時間を過ごすのが、この行動管理のゴールです。

服を着替えてオン・オフを切り替える

在宅勤務で重要なのが、オン・オフの切り替え。この切り替えがうまくいかず、仕事になかなか取りかかれなかったり、仕事をダラダラ続けて長時間労働になってしまうのを避けることが大切です。そのオン・オフの重要なトリガーが、服です。

在宅勤務だと服装に気を使わなくていいので、ついダラッとした服、ときにはパジャマのまま仕事をしてしまったりします。こうした緩さが在宅勤務のいいところではあるんですが、一方で切り替えができず、集中できません。スーツを着る必要はありませんが、ちゃんと外にでて買い物に行ける程度には着替える。これだけで気分が変わります。

男性であればひげそりも、切り替えには効果的です。女性であれば軽くお化粧という感じでしょうか。まずは身だしなみを(出社するほどでないにしろ)整えて、戦闘モードに入るわけです。

そして仕事が終わったら逆に、リラックスする。海外の調査によれば、プライベートと仕事の時間の区別があいまいになり、テレワーカーは長時間労働になりやすいという結果が出ています 。通勤時間を削減することでワークライフバランスが実現できるかと思いきや、その分労働時間が伸びてしまい、バランスがむしろ悪化してしまうケースもあるようなのです。

スイッチを入れるルーチンをつくる

文豪が小説を書き始めるとき、「鉛筆を削るところから始める」というような仕事を始めるルーチンがあります。片岡義男は鉛筆を削り始めると、他人からじゃまされない自分の世界に入っていくことができると書いていて、その結果、机の引き出しの中には何十本もの鉛筆があったのだとか 。鉛筆が必要だから削る、のではなく、自分の世界に入り込みやる気を出すために鉛筆を削っていたのです。

スポーツ選手も同様です。プロ野球選手とはいえども、雨で試合が中止になるとうれしかったと語っている選手もいました。気持ちの乗らないときにも同じように試合にでなくてはいけない。そんなときに選手は、さまざまなルーチンを決める。イチローさんも、選手時代はウォーミングアップの順番からグラウンドに踏み入れる足まで、すべてが決まっていたそうです。私のルーチンは、コーヒーです。デロンギのエスプレッソマシンで入れたコーヒーを飲んで一日の仕事をスタートします。

このときに、おそらくその日の仕事の全体像をイメージするのだと思います。プロ野球選手であればスタジアムの状態や天候、その日のチームメンバーの動き、相手選手の様子などを頭にインプットしながら、イメージを膨らます。この作業は、実はあとあと、試合の中で生きてくるわけです。同様に仕事においても、いきなり作業に取り掛かるのではなく、自分のその日の調子も含めた全体をイメージして、スタートするわけです。

仕事の途中で集中力が途切れてしまった場合にも、再度やる気を出すスイッチがあるといいですね。人によってはコンビニに行くというものだったり、コーヒーブレイクをいれるということだったり、ちょっと散歩するというものだったり、いろいろあると思います。総じて、気分を変えるために、一旦仕事から離れつつも、体を動かしたり、脳に刺激を与えるような作業をしているように思います。逆にYouTubeを見るというような身体の動きを伴わないものは、そのままYouTubeに見入ってしまって時間を無駄に過ごしてしまいがちなような気がします。自分なりのスイッチを見つけるとき、体を動かして頭を一旦からっぽにする、という条件をつけてみるといいと思います。

集中し続けるポモドーロテクニック

いよいよ仕事上での集中力の発揮の仕方を考えてみたいと思います。ポモドーロテクニックは、集中力を維持するための王道のテクニックです。25分集中して、5分休むというルーチンを繰り返すというもの。ポモドーロというのはイタリア語でトマトを意味し、ちょうどトマト型のキッチンタイマーで時間をはかっていたことから、その名前が付きました。この原稿も、ポモドーロで書いています。

25分という設定がなかなか絶妙で、音響機器メーカーGNネットコムの調査によれば集中するまでにかかる時間は23分だそう 。25分はちょうど集中するまでの時間であり、そこまで作業をし続けることが重要なのです。(まあ、ポモドーロテクニックのルールに従えばそのあとすぐ休憩の5分があるんですが、集中できていればもちろん、そのまま作業を進めてしまってよいわけです。)

これは心理学の実験でも言われているのですが、人がやる気になるためには、作業に取り掛かるのが一番だということ。やる気がでて作業を始められるという順番ではなく、作業をやっていく中でやる気が徐々に出てくるそうです。なので、「仕事をやり始めるためにはどうすればいいか」、答えは「仕事をやりはじめろ」。なんだか木で鼻をくくったような答えですが、これが真実です。

さて、このポモドーロテクニック、25分の時間をはかるのには、スマートウォッチが便利です。私の場合、Apple Watchの画面にタイマーのアイコンを表示させておき、すぐ25分のタイマーをスタートできるようにしています。そして消音設定にしているので、スマホのタイマーと違って、振動だけで25分を知らせてくれます。周りの人の迷惑になることなく、25分の時間管理ができるのです。

アウトプット量を記録するレコーディング仕事術

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