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小山龍介|FUJIFILM X100V ファーストインプレッション

ここ数年ずっとSONY党だった僕が、どうしても気になって気になって仕方がなかったのが、このFUJIFILM。いろいろ触れてみたんだけど、それでも最後の一歩が踏み出せなかったのが、ちょっとしたデザインとか機能とか、そういった点。SONYでほぼカバーできてしまうから、買う理由がなかったんですよね。物を買うときに「買う理由」ってすごく重要で、自分を納得させるあと一歩が欲しいわけです。

ちなみにSONYは、最近はほぼα6600。ガチの撮影は少なくなってきてα7R4の出番も少なくて、軽くて使いまわししやすい6600ばかりが活躍していた。他のフルサイズ機に比べればα7系は軽いんだけど、APSCの6600にはもちろんかなわない。正直、ウェブに載せることだけでいけば、APSCで構わない。こんな状態だから、FUJIFILMの上級機は眼中になく、もっぱらスナップ用に触手を伸していた状況でした。

スナップ機ってなかなか難しい。α6600でも行けるんだけど、サッと撮影するにはちょっと図体が大きい。なんか、細かいところで、スナップ専用な感じにならないんですよね。

それから、小型のRX100M6も持っているんだけど、こちらも高機能すぎてNG。たとえばズームレンズは、もちろんいろんな用途に使えて便利なんだけど、電源を入れるたびに広角側に設定されてしまって、いちいち自分の好きな画角に変えないといけない。50mmでサッと撮りたい、みたいなニーズには応えられないわけです。

お金があればライカ、という選択肢もあるんだけど、さすがに高い。日進月歩のデジタル機器であの金額を出すのはちょっと……。できれば気兼ねなく使い倒したいということもあって、いろいろ探しているときにFUJIFILM X100がアップデートされるということで、俄然、選択肢の上位に食い込んできたわけです。

ここからこのカメラの良さを紹介していきたい。 

1. 35mm単焦点がスナップ&ポートレートにちょうどいい

単焦点レンズ、35mm。ちょっとだけ迷いました。個人的に35mmは苦手で、標準レンズの50mmをよく使っているんですが、これよく考えると、撮影がポートレート中心だからなんですよね。写したくないものを外すのに、50mmはよい画角で、後ろもちゃんとボケる。けれど、スナップと考えるとちょっと狭い。その点、35mmは、ポートレートも行けるし、スナップももちろん大丈夫。これがリコーGRの28mmだと、さすがにポートレートはきつくなる。

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ポートレートっぽい感じ

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スナップっぽく。

2. 絞りをレンズ側で変えられるのがいい

単焦点レンズの場合はズーム操作がいらないので、レンズリングで絞りを変えられるようになっているケースが多い。SONYの交換レンズも単焦点のいいレンズはそういう仕様。もちろん35mm単焦点のこのX100Vも、レンズ側で変えられる。ソフトウェア操作ではなく、さっと物理的に絞りが変えられるので、直感的。

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キャップのロゴが逆だけど、いいや。レンズのところにF値が書かれている。

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5.6に絞って撮影(ピントが来ていないが)。

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絞り5.6。もっと絞ってもよかった。

ISOとシャッタースピードはオート。スナップの場合、こうした数値をきっちり設定して撮影という感じでもない。ただ、設定も物理的なダイヤルで設定するのは、機械っぽくてうれしい。

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3. 思ったほど重くない

428gという重さは、α6600の本体のみの重さ(約500g)よりも軽い。レンズを付けたα6600と比べれば、二周り軽い感じ。作りがしっかりしているので、見た目で重さを判断していたんだけど、これは断然軽い。

リコーGRが約250gなので、さすがにそれよりは重いけれども、ミラーレスカメラを持ち歩いていた感覚からすれば、全然あり。ちなみに、iPhone 11 Pro Maxは226gなので、リコーGRと同程度ですね。

4. NDフィルターが便利

今日なんか、日当たりがよくて、絞りを開放にするとシャッタースピードが追いつかなくて白飛びしてしまう。NDフィルターが内蔵されているので、オンにするだけでそうした晴天にも対応できてしまう。

レンズ横のファンクションキーをNDフィルターのボタンに設定して、ワンタッチで切り替えられるようにした。室内ではフィルターを切って、屋外に出たらフィルターをオン、といった細かい切り替えにも、これで対応できる。

あとは写りについては、みなさまで判断ください。しばらくこれははまりそうです。

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