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大きなくしゃみが怖いので、席を離してもらうことにした

外に出ると、マスクがたくさん歩いている。違う。マスクを付けた人がたくさん歩いている。花粉症の季節に突入しているというのに、すれ違う人すれ違う人、感染症予防なのか、風邪なのか、花粉症なのか、全く区別がつかない。春と言ったら、花粉症が主役のはずなのに、くしゃみをすると周囲の空気はピリッとして、何となく周りに嫌がられるから少し気の毒だ。そう言う私も、くしゃみをしている人に出逢うと「マスクしてるよね?」と確認してしまう。……と、まあ、ここまで書いたけれど、私は花粉症ではない。今のところは、ね。今回のかきあつめテーマは「花粉症」である。宜しければ、お付き合いください。

私にとって、花粉症と言えば、くしゃみである。

幼い頃、大きなくしゃみが苦手だった。我が家の隣の家のパパさんも、裏の家のパパさんも、みんなみんな、くしゃみが尋常ではないくらい大きかった。おっと、はす向かいの家のパパさんも、とんでもなく大きなくしゃみの使い手だった。どのパパさんも優しくてとても穏やかな方々なのだけれど、彼らのくしゃみが怖かった。皆さん揃って、花粉症だったのかはわからないけれど、くしゃみのせいで、一歩も二歩も引いて彼らと関わるようになっていた。くしゃみの何が苦手って……急でびっくりするからだ。ちゃんと前もって教えてくれればいいのに(無理だよね)。

大人になってかなり経つ今もなお、大きなくしゃみが苦手だ。ちなみに……我が上司のくしゃみも大きい。だから、少し前から座席を遠く離れたところにさせていただいている。そうでないと、いちいちびっくりしてたまらない。そのうち、嫌いになりそう……だから、私達はお互いを尊重しあうために、距離を置くことにしたの(何の話だろう?)。まあ、体質的に、大きな音やざわざわしたところが苦手なのが、本当の理由なのだけれど。

ここまで書いてみて、ふと、思った。何故、あの「パパさんず」は、無駄に大きな音を立ててくしゃみをしなければならなかったのだろう?くしゃみは生理現象だから、止めるのは難しい。それならば、せめて音量を絞りたい。これを解決すれば、私もパパさんずに対し(もちろん上司にも)、もう少し愛想よくなれるかもしれないじゃないか。

早速、大きなくしゃみの原因とその解決策を調べてみた。幾つか記事をさらってみると、主に、「老化による筋力の衰え」、「配慮のなさ」が挙げられていた。これが本当ならば、前者は仕方ないかもしれない。でも、後者は意識してもらいさえすれば改めていただくことはできるのではないか。でも……こういうのって、何て言えばいいんだろう?

ストレートに言うなら、「あの……くしゃみをするときは、静かにしていただけませんか?」とか?より具体的な行動を提案するなら「あの……びっくりするので、くしゃみをするときは、3秒くらい前に教えていただけないでしょうか?無理なら、手を挙げるとかでもいいんです。」いや、言えないな、言えないよ……だから、私は上司に言ったの。「あの……席を離してもいいでしょうか?」って。後ろ盾として、「働き方改革!」をちらつかせもした。その結果、ご快諾いただけた。これが、私の日頃の行いが善いからなのか、それとも「あいつは却下しても強行突破するだろう。ちゃんと仕事してくれればいいや!」とお考えになったのか、どちらもなのかは、上司のみぞ知る(ま、行いの善さに違いないけどね!)。こうして私は安住の地を手に入れ、のびのびとお仕事をさせていただいている。席が離れているので、上司との会話は減ったような気もするけれど……当面はこれでいいかなあ、と思っている。「くしゅん」と可愛いくしゃみをしてくれるようになるまでは。

お付き合いいただきありがとうございました。

編集:円(えん)
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