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ドラマティック冷蔵庫

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。今回のテーマは「#最近読んだ漫画」です。

……そうなんです。ずっと気になっているんです。勢い付けて冷蔵庫に必要な食材を詰めた後、消費するペースが追いつかず、賞味期限を過ぎた食材が増えてきていることはわかっているんです。でも、罪悪感からそれを見て見ぬふりしています。時間は残酷に過ぎていきました。状況が悪化していることもわかっています。そう、特にあの卵ケースにぽつんと残った一つの卵。物価高で卵の価格も高騰し、大事に食べようと思った結果……正直に告白します。忘れたんです。気が付いたのは賞味期限が切れて1週間後だったと思います。諦めきれず、「私、お腹強いから」と言い聞かせ、遂に勇気が出なかった結果……そうですね、1か月が経過しています。「そろそろ捨てないとなー」とは思うのですが、今度は怖くて触れることが出来なくなりました。私、どうしたらいいですか。

こんな脳内会話を繰り返した結果、冷蔵庫の中の食材たちはきっと、「こんなはずじゃなかった」、「なんでこんなところに連れてこられたのか」とか言っているんじゃないかと想像したら、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。で、思い出した。冷蔵庫に関する漫画、あったな、と。

主人公は冷蔵庫。冷蔵庫とその中にいる食材たちの4コマ漫画である。冷蔵庫内で繰り広げられる食材の特徴に沿ったドラマが面白くてほっこりして好きである。時々、ライバルの冷蔵庫や友達の家電も出てくる。冷蔵庫ごと旅行にも出かける。

こちらの漫画は、随分前に古本屋の本棚を眺めていた時に偶然見つけ、題名に惹かれて手に取ったのがきっかけで知った。のんびりと読むのに丁度よく、ちょっとだけ勉強もできて好きになった。

バナナが興味本位で冷蔵庫に入ったら、真っ黒になり、出てきた時に「日焼けサロンだった」で終わる回とか、恥ずかしがり屋の桃が壁際でもじもじしていたら、壁についていた部分が傷んだ回とか、そういう話が沢山ある。「へえ、そうなんだ!」と夢中になって読み、家族に熱弁したら、「何故、あなたはそんなことも知らないのか?」と言われてしまった。昔の話だけどね。

これまで一巻しか知らなかったのだけれど、最近になって沢山出ていたことを発見し、少しずつ読み進めている。一度に読むより、時々、息抜きに読むのが丁度よいかなと思っている。どの巻からでも楽しめる内容になっているので、良かったら、この世界観に触れてほしい。

話を冒頭に戻そう。冷蔵庫どころじゃない。冷凍庫もだった。年末に行ったばかりだけれど、早々に大掃除をしようと思う。まずは、卵様からどうにかしよう。

文:彩音
編集:アカ ヨシロウ

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