フォーマットとは?
起 フォーマットの意義
まずフォーマットとは何ぞやという話である。
フォーマットとはざっくばらんに言ってしまえば、新規と古参のカード資本格差をなくすために作られたルールである。例えば、これを読んでいる初心者の方とこのロートルが、何の縛りもなくプレイした場合を考えてほしい。
MtG30年の歴史が、カード知識はおろかルールもおぼつかない生まれたての小鹿に襲い掛かるわけである。そりゃ面白くない。
そこで「過去3年間で発売されたカードのみでデッキを作ってください!」「2012年10月以降に発売されたカードのみでデッキを作ってください!」「全部使えるぞ!」と枠組みのことをフォーマットと言う。
今回は初心者が一番悩むであろうフォーマットの解説と、どれに参入するかをフォローするものである。
スタンダード
スタンダードとは最近発売されたエキスパンションのみが使えるフォーマットである。
やはりプレイヤー人口最大手なこともあって大会数も多い。MTGアリーナでもプレイできるのは魅力的だ。
ただしスタンダードにはローテーションがある。ローテーションとは毎年9~10月くらいに使えるエキスパンションが最新のものに入れ替わるのだ。要するに使えなくなるカードが毎年生まれる。
確かに初心者と経験者の差が生まれにくいのは事実だが、これ故にスタンダードを単純にプッシュするのは憚られる。何せどれだけ高いカードを買っても2年以内には使用できなくなるのは、金銭感覚が麻痺しているオールドユーザーはともかく初心者には受け入れがたいはずだ。
昨今は1枚1万円超えみたいなカードもあったので、維持という意味ではかなり困難になっている。
パイオニア エクスプローラ
パイオニアとはエキスパンション「ラヴニカのへの回帰」以降のカードが使用できるフォーマットである。またMtGAにてエクスプローラと呼ばれるパイオニアより使用できるカードが少ないフォーマットも存在する(2022年6月追記)
今回紹介するテーブルトップ(以下紙)のフォーマットの中では最も若い。スタンダードとモダンの間、かなり空いたから作るね!っていう軽いノリで作られたフォーマットではあるが、きちんと調整されている。
歴史が短いためコメントすることも少ないが、スタンダードで使えなくなったカードの受け皿、延長線としての役目は本当に全うしてくれている。
モダン
モダンはエキスパンション「第8版」から現在に至るまでのカードに、加えてモダンホライゾンとモダンホライゾン2のカードが使用できるフォーマットである。
スタンダードに次ぐ大手であることが最大の魅力である。レガシーほど高額カードを集めなくていいのが人気の理由だろう。実のところデッキを選べば高額カードをいくつか買い足すだけで下のレガシーに参入できるようなデッキもある。足がかり的な意味でもこのフォーマットを遊ぶプレイヤーは多い。
この辺りからデッキがかなり強力になってきており、3ターンキルはダメという調整が行われる。
レガシー
レガシーはエターナルと呼ばれる今まで発売された全カードが使えるルールの一つ。一部のハチャメチャカードを禁止にしている。
事実上デュアルランドと呼ばれるカード群を使うためのフォーマットである。確かにデッキは軽自動車ほどするが、自動車と違って重量税もガソリン税もかからず10年以上遊ぶことも可能(自分に言い聞かせるように)。
ヴィンテージ
ヴィンテージとはエターナルではあるが、レガシーとは違いどんなぶっ壊れでも1枚は使える(制限カード)。なお禁止カードもあるが殆どが大人の事情によるものである。
筆者はプレイしていないためコメントは差し控えるが、パワー9と言われるMTGに君臨するカード群を接待するために作られたフォーマットである。 そのためこれらのカードが弱くなると、接待根性を忘れたカードは制限に追い込まれるという話である。実のところ遠巻きから見ていても結構バランスが取れているように見える。
パウパー
レガシー、ヴィンテージと同じくエターナルルールであるが、コモンのカードのみでデッキを構築する。
安い。これに尽きる。正直「紙でMtGしたいけど金かかるしなー」と思っている人には仲間に勧める分にも結構おすすめである。問題は人口の少なさでありMAGIC ONLINEにて親しまれているフォーマットであるためマイナーもマイナーである。
各フォーマットを満遍なく破壊していったことに定評のあるモダンホライゾン1の際は新しいアーキタイプをこしらえた挙句に禁止になったが、そもそもコモンはアンコモンやレアと比べて収録枚数が毎回多く、転じれば新エキスパンションが発売されるごとに環境が変わるといっても過言ではない。それを嫌うかどうかはプレイヤー次第というところか。
ヒストリック、アルケミー
ヒストリックとアルケミーとは、MTGAでのみ行われるフォーマットである。
パイオニアと同じくMTGアリーナにてスタンダード落ちしたカード達をフォローするために生まれたフォーマット。紙でもプレイできないこともないが、一般的にMTGアリーナにてプレイされる。パイオニアの親戚みたいなものである。
プレイしていないのでコメントせず。
統率者戦
統率者戦は競技としてのルールではなく、カジュアル多人数戦に整備されたルールであり、おそらくプレイ人口は全テーブルトップ最大手である。
独自ルールがあり詳しくは調べたほうが理解できるので大部分を省くが、伝説のクリーチャー1体を統率者という役目とし殴り合う。推しを推すルールである。エターナルではあるが、禁止推奨カードが個別で設定されている。
起りはMTGにおける審判の人たちが楽しむために作り出したルールであり事実上MTG界のプロレスである。基本的にカジュアルに行われるルールであるが、やろうと思えば卓の全員を瞬殺することも可能であり、下手しなくてもその辺のレガシーよりも強いデッキもいる。
また長らく言われているのだが、ガチる人たちとカジュアルな人たちで埋め難い溝があり、また別の機会に語るがガチる人たちは統率者の旧名を取ってcEDH勢とも呼称(自称もしている)される。
上でも述べたがルールが少しややこしいため、興味がある人が多ければ別の機会にフォローしよう。
さて随分長くなってしまったが、簡単な解説を終了する。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?