給与明細書をきちんと見よう!

Q.この春で社会人3年目になります。毎年、少しは給料が上がっているはずなのに、久しぶりに預金通帳の給与振込金額を見たらなぜか手取り額が少なくなっていることがありました。あわてて給与の明細書を見ましたがよくわからず、結局そのままにしてしまいました。なんだか釈然としないので、給与明細の見かたを教えてください。

■給与明細書は絶対間違っていない?
 あなたは給与明細書(以下「明細書」と略します)を受け取った時どうしていますか? 手取り額のところだけ、ちらりと確認してあとはゴミ箱行き、もしくは開封もせずに引き出しに放り込んである…なんて人もけっこう多いのではないでしょうか。

 給料の計算、いまはほとんどコンピューターを使っているとはいえ、操作しているのはやはり人間です。従って間違いが絶対にないとは言い切れません。支給されるはずのお金をもらい損ねた、なんてことのないように、明細書の見かたを改めて確認しておきましょう。

■明細書の基本構成
 明細書は、その呼び方や項目、支給される手当の種類などその会社によって異なる部分もありますが、基本となる部分はそれほど変わりません。 大きく分けて、【勤怠項目欄】【支給項目欄】【控除欄】の3つで構成されていることが多くなっています。

【勤怠項目欄】休日出勤や残業、欠勤、遅刻、早退など1カ月の勤務状況を示す。
【支給項目欄】基本給や住宅手当、資格手当、時間外手当などのさまざまな手当等。
【控除欄】雇用保険、健康保険、厚生年金保険などの社会保険料と所得税&住民税(人によっては財形貯蓄や生命保険料)といった有無を言わさず天引きされるものが並んでいる。

 全体としては、【勤怠項目欄】を反映した【支給項目欄】があり、そこから【控除欄】の数字を引くと【手取り額】が出てくる、といった関係になっています。

 相談者さんの手取りが少なくなったのは、住民税が引かれるようになったか(住民税は前年の所得に対して計算される、いわば後払いの税金です。)あるいは給料が上がったことによって、社会保険料が上がったことなどが影響しているのではないでしょうか。

■明細書をチェックする
 では、明細書のどこをどう見ればいいのでしょう。
まずは、ただ働きさせられていないように、【勤怠項目】の残業時間や休日勤務時間、欠勤、遅刻・早退等の時間数が合っているかどうかを確認しましょう。それらがきちんとお給料に反映されているかどうかは要チェックです。ですから自分の残業時の時給を把握しておく事も大切になりますね。その上で総支給額合計が合っているかを確認しましょう。

 また、雇用保険料と所得税の額もお給料の金額によって毎月変わるので一応見ておいたほうがいいでしょう。

 健康保険料と厚生年金保険料は年一回、4月から6月分の給料の金額によって定期的に改定されます。さらに給料が大幅に上がった時、下がった時にもそれに応じて改定されるので、昇進や残業時間の増加などで給料が急に増えた時には気をつけておきましょう。

 最後に、大事な手取り額(差引支給額)の確認です。念のため銀行に振り込まれた額と差異がないかもチェックすれば安心ですね。

 少しでも不明な点、釈然としない点があったら遠慮なく担当者にたずねてみましょう。基本的に給料計算にそうそう間違いはないはずなので、多少うるさがられるかもしれません(笑)。しかし、担当者から疑問点の説明を受けることで、給料の計算方法や、社会保険・税金のしくみなどの基本的な知識が身につけられるはずです。

幸せを呼び込むポイント
・あってはならないけれど、絶対ないとは言いきれない給与計算のミス
・給与明細書をチェックする習慣をつけましょう
・不明点はそのままにせず、担当者に確認しましょう

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