病気で働けなくなったときに

Q.ある朝、どうしても布団から起き出せなくなり、会社をたびたび休んだり、遅刻したりするようになりました。医者に行ったらうつ病と診断され、しばらく仕事を休むように勧められました。とはいえ、経済的なことが心配でなかなか踏み切れません。どうしたらいいでしょうか。

■うつ病は珍しくない
 日本ではいまや約20人に1人がうつ病にかかっているそうですし、私の知人にも何人か通院している人がいます。こうしたうつ病や自律神経失調症、心身症などメンタル面の病気は、決して珍しい病ではなく、誰もがかかりうるものになってきましたね。
うつ病の場合、初期の段階で適切な治療を行なえば、数ヶ月で回復する例が多いようです。相談者さんもここで無理をせず、お医者さんのアドバイスに従ったほうがいいでしょう。長い人生ですから、時には思い切って休む事も必要ですよ。

■前もって方策を立てておく
 とはいえ、仕事を長く休むということになると、どうしても経済的なことが気になりますよね。経済的な不安というのは非常に大きなストレスなので、それによってさらに症状を悪化させてしまう、ということにもなりかねません。

 病気で長く休まなければならない時、どうすればいちばん有利なのか、まず必要な情報を集め、前もってある程度の方策を立てておきましょう。そのほうが、無駄な不安を抱えずに済みます。

■使える制度あれこれ
会社員の場合、やはり最初は有給休暇を使って休むようにしましょう。有給休暇を消化してしまったら、そのあとはそれぞれの会社ごとに制度は異なりますので、自分の勤め先の制度がどうなっているのか調べておいてください。不明点があった時に直接確認できるように、人事や総務担当者の電話番号も聞いておいたほうがいいでしょう。

 一般的には傷病休暇(休職)扱いになります。ここでお医者さんに「仕事のストレスで具合が悪くなった」という内容の診断書を書いてもらい、会社に提出することで健康保険から【傷病手当金】が支給されます。最長で1年半、給料の6割程度が出るので、なんとか生活は維持できるのではないでしょうか。

 また、治療を続けていく上で頭が痛いのが医療費ですね。健康保険では、通常医療費の3割は自己負担ですが、精神的な疾患で通院治療を続ける場合、自己負担の割合が原則1割に軽減される制度があります。それが【自立支援医療費制度(精神通院医療)】です。3割支払わなければならないのと、1割で済むのとでは大きな違いがありますから、ぜひ申請しましょう。各地域によって申請窓口が異なるようですので、詳しくはお住まいの市町村の役所に問い合わせてください。
 また、入院費などがかさみ、1か月の治療費の自己負担額が一定以上の金額を超えた場合、申請により、その超えた金額が払い戻される【高額療養費】という制度があります。

自分の勤めている会社自体がストレスの元凶だからと、いきなり会社を辞めてしまう人もいるようですが、その後の経済的な心配や転職のストレスなどで、より症状を悪化させてしまう人も多いと聞きます。個々の判断は自分でするしかありませんが、何よりも大切なのはあなた自身なのですから、使える制度や法律をうまく使い、自分のペースで健康を取り戻していただきたいと思います。

幸せを呼び込むポイント
・会社を長く休む前に、情報を集め、今後の方策を考えておきましょう。
・まず有給休暇を使い切ること。その後傷病休暇に切り替える。
・一番大切なのは『あなた自身』です。使える制度は遠慮なく使いましょう。

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