お金儲けは人生の目的?

Q.婚約している彼が株にハマっています。もともと才能があったみたいで、もう何千万円も稼いでいます。そのため、「普通に仕事なんてしていられない」と、勤めていた会社も辞めてしまいました。今では1日中、パソコンの前で過ごしていて、私が遊びにいってもぜんぜん相手にしてくれません。このままだと、お金はたくさんできるでしょうけど、結婚しても幸せになれるとは思えないし、彼の身体のことも心配です。どうすればいいのでしょう。

■ お金儲けへの依存
 株式投資自体は決して悪いことではありません。楽しくおもしろい部分もたくさんあるので、余裕資金でゲーム的に楽しんでいる人も多いでしょう。けれど、今回の相談者さんの婚約者はそういった段階を通り越し、いわば株取引の依存症になってしまったのかもしれません。
ですから、早いうちになんとか彼とゆっくり話し合える時間を作り、「いくら稼ぐのが目標なのか?」「そのお金で何がしたいのか?」「どういう人生を送りたいのか?」「お金以外にどんなことを大切に思っているのか?」などを確認し、また相談者さんの考えをきちんと聞いてもらう必要があると思います。場合によってはカウンセラーにお願いしたほうがいいかもしれませんね。

 こういった人たちは、自分の口座に使いきれないほどのお金があっても満足せず「もっともっと」に囚われてしまっています
 「もう充分にお金があるのだから、すこし休んではいかがですか」とすすめても、「自分のいない間に、市場でなにが起こるかわからない。せっかくの投資の機会をみすみす見逃すわけにはいかない。」と決して相場から離れようとしません。お金儲けが人生の第一の目的になり、他のすべてのものの価値はかすんでしまいます。相談者さんが心配するように、恋人や配偶者の位置も2番手以下に押しやられてしまう可能性が大きいように思います。

■ お金による不安解消?
 
これまでも何度も書いていますが、お金というものは非常に感情に絡みやすい性質を持っています。そして、その感情によって、人はお金にその実態以上の余計な意味づけをしてしまうことがあります。
そのため、お金をたくさん持たない自分には価値がないのではないか?とか、自由、パワー、愛情、自信、よい人間関係といった「良きもの」が逃げてしまうのではないか?などと、実体のない不安を抱えてしまう人も多いのです。
 そういった人たちは、いきおい、その不安を解消するためにお金を貯めこんだり、金儲けに走ったりと、必要以上にお金に執着するようになっていきます。
 ただ、そういった不安が表面に出てくることは少なく、本人でさえも気づいていないことがあります。そのため、貯めたり儲けたりしたお金が当初の目標額に達しても、心の奥底の不安は解消されることはなく、結局、目標をさらに高くすることで「もっともっと」に囚われる、ということになってしまうのです。

■ お金は使うための【道具】
 基本的にお金というものは素晴らしいものです。お金がたくさんあれば、欲しい物もいろいろ買えるし、やりたいこともほとんどできますし、その選択肢も増えるでしょう。
 ただし、そういったことはあくまで「お金を使うこと」によって得られる楽しみです。つまり、お金というものはあくまでも、人が幸せになったり人生を楽しんだりするために使う【道具】なのです。ですからお金を使わずに、一方的にお金を儲けるだけ、貯めるだけでは意味がありませんね。

「お金を稼いだり、貯めたりするのは得意なんだけど、なんだかうまく使えない・・・」というあなた。心の奥底になんらかの不安が隠れていないか?一度確認してみることをオススメします。

幸せを呼び込むポイント
・お金に必要以上に執着する人は、不安を抱えていることが多い。
・不安を解消するため、お金になにか別の意味づけをしてしまい、
 必要以上に求めることがある。
・お金は素晴らしいものだが、使ってこそ意味がある。


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