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「パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―」:後編

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#12 ~#エピローグをまとめました。単品購入の場合よりお求めやすくなっています。
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記事一覧

#12:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

僕が覚えているのは ひどく傷ついたってことさ 僕なら 解決してくれるだろうって たくさんの人が 僕に 暴力をふるってきたんだ 僕は 彼らのあまりの幼さに嫌気がさして 走ってきたわけだけど 時々 振り返りたくなったんだよね これで よかったのかなって 彼らは どうなってしまうんだろうってね

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#13:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

笑い転げる ダンゴムシ ころころころころ 水色の大地の上を 転がっていく 小さな凹凸に あちこち行き先を 変えられながら ころころころころ 転がって 小さなクレーターの中に 落ちて 底につく

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#14:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

僕の腕にとまった ワタリガラス 水色の地平線を 横切っていく バイソンの群れを 見つめている 水色の風が 僕の髪を揺らし 遠い記憶の 意味を知る

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#15:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

繋いだ手を 放した時 不安と同時に感じた 解放感 ようやく 世界と繋がれたって 感じたんだ

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#16:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

水色の森を駆けていく トナカイ 茂みを揺らす葉音に 立ち止まり 視線を向ける 飛び立ったばかりの天使が 立ち上がり トナカイの視線に 肩をすくめる

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#17:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

水色のインク 文字のかわりに 一頭のライオンを 描く 探しているものが みつかるように ちょっと勇気が 必要だから 宛先は いらなくて 水色のインクで書くってことが 条件で 二つに折って 引き出しにしまう 後は 待っているだけでいい 注意が 必要なのは それが 忘れた頃にやってくるってこと それも 予想もつかなかった方法で

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#18:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

地平線の向こうが 見えないかと 背伸びをする きみ きみは もうここにいるよと伝える 水色の風

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#19:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

水色のテーブルクロス 大きなダイニングテーブルに 広げられ 水色のロウソクが 置かれる 水色の風の到来を告げる ロウソクの火 テーブルに頭をのせる コウテイペンギン テーブルクロスと 遠い地平線が 繋がっているように見える光景を 眺める

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#20:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

水色の大地が割れ 鮮やかな新芽が 頭をもたげながら 顔を出し ぱっと双葉を広げて 水色の高い空を見上げる

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#21:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

スキップする羊 鼻うたは 水色の風にのり 世界を回って かえってくる

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#22:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

私の手に触れる 水色の風 まぶたを閉じるたびに 鮮明に立ち上がり 開かれていく世界の光景を 見せていく

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#エピローグ:パンドラの素粒子 ―反転した地平線の向こうから―

僕と対面する アオアシカツオドリ どれほどの 時間がたったのか それとも どれほども たたなかったのか 二つの存在の間を 水色の風が吹き抜け アオアシカツオドリは 歩きだす

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