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2月について*About February*ウォームアップ

日本語には、2月について如月(きさらぎ)という美しい呼び名がありますが、その由来は諸説あるようで、衣を重ねて着るような寒さが極まる月だから「衣更着(きさらぎ)」。それが、如月に変化したとも言われています。

英語では February 。こちらはローマ神話フェブルウス(Februus)をまつる祭り「フェブルアーリア」(2月15日に開催されていた)から取ったと言われています。
「フェブルアーリア」は、古代ローマ二代目の王ヌマ・ポンピリウスが、サビニ戦争の戦死者を慰霊し、戦争の罪を清める為に始めたそうです。

【フェブルウスは浄化と地下世界の守護神】
フェブルウスは、ローマ人とエトルリア人の両方から崇拝されていました。フェブルウスは富と死の神であり、エトルリア人は冥界の神として崇拝しました。フェブルウスは、ローマの神プルート(冥王星)と同一視されます。
また、エトルリア語でフェブルウスは、「地下」を意味するそうです。

浄化と地下世界の神フェブルウス

2月と冥王星が結びつくのは意外でしたが、1年を12か月にしたのはヌマ・ポンピリウスだったと言われています。それまで1年は10カ月しかありませんでした。そこでヌマは、1月(ヤヌスの月)と2月(フェブルウスの月)を追加したと考えられています。
2月と冥王星の関係、いつか深堀りしてみたいです。

古代ローマ初期の暦には1月2月がなかったのですね。
なぜかは不明ですが、占星術的に考えると冬至(12月)から春分(3月)までは太陽の力が減退(古代の人は太陽が死んだと考えた)するため農業や活動を休止し、春分の頃に太陽が復活すると生産活動を再開したから、その間は暦が必要でなかったということかな?と思えてきます。

暦が追加されたローマの春は、2月7日とされています。「立春」とほぼ同じころですね。
このとき、Favoniusが西風を吹き始めたと考えられ、畑の準備を整える時が来た合図とされていました。ギリシャ神話では。Favoniusは西風のゼフィルスでした。ゼフィルスは、実を結ぶ風、春の使者として知られています。
ゼフィルスを描いた絵を見ると、けっこうなイケメンマッチョでした。複数の妻を持ち、同性の恋人もいたそうです。
まあ、それはいいとして(笑)

偶然、別件を調べて出てきたアネモイ(ギリシャ語の「風」) は風の神々であり、それぞれの風が吹く主な方向が割り当てられており 、それぞれがさまざまな季節や天候に関連付けられていました。

1796 年頃に学者アダマンティオス コライスによって作成された、
古代ギリシャのウィンド ローズ

ちなみに北風はボレアス。南風はノータス (オースター)。東風はユーラス(ヴァルトゥルヌス)。ほかの弱い風にも神様の名がついていました。

さて、そんな西風ゼフィルスがやってくると、牧草地と穀物畑を「パージ」(purguntur)するという記述を見ましたが、最近は空気汚染の懸念によりあまり行われていないかもしれませんが日本でも行われていた野焼き(焼き畑)と同じ意味でしょうね。

野焼きには、地下に生長点を持つ草本植物を生かしつつ、地表を覆う有機物や、地上に生長点を持つ木本植物を減らし、また炎などによる地温上昇や発芽誘導物質(カリキン)の生成などにより土中種子の休眠打破を促したり、炭による暗色化(アルベド低下)で地温を上昇させたり、有機物を無機塩類とすることで新たに出る若草のための肥料としたり、ダニなどの害虫を焼き殺す効果も期待されるそうです。

渡良瀬遊水地のヨシ焼きの後の景色(3月頃)

そんなふうに2月は、作物の実りのために大地を整えるというときであり、ひいては人間自体も活動の季節を迎え、ウォーミングアップを始めるときなわけです。

そして東洋では、2月4日前後を立春と定めています。2023年は2月4日が立春です。

冬が極まり春の気配が立ち始める日。『暦便覧』には「春の気立つを以って也」と記されている。冬至と春分の中間に当たり、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合は、この日から立夏の前日までが春となる。

二十四節気

二十四節気の図を左に90度回すと、ホロスコープと合致します。
二十四節気の春分は、ホロスコープでは太陽が牡羊座0度に来た時です。

また、二十四節気の「立春」は、太陽が水瓶座15度付近のエナジーポイントに来たときです。

東洋の占い(四柱推命など)では、2月3日(節分)までは前年に属しており、立春から新しい年になると考えます。
「立春大吉」という言葉もありますし、節分の豆撒きも、立春を年初として新しい年の幸運を願って始まった習慣なんだそうです。
ですので、東洋では2月4日から新しいこと(おけいこ事)を始めるのが良いと言います。
西洋占星術では、春分(3月20日前後)が新しいことを始めるのによい時と考えます。2023年の春分は3月20日です。
どちらにしてもグレゴリオ暦の1月1日よりも、立春、春分が重要になるのも面白いですね。

占星術師の松村潔先生も「一年の計画は、立春に立てる。初夢もその時がいいのでは。」というお話をされていました。https://youtu.be/LUZKrvSoEYg

松村先生によると、立春に計画を立て、春分からスタートするのがベターと思うというお話でした。
立春は、太陽が水瓶座15度に来た時になるわけですが、サビアンシンボルはプラス1度した16度「机にむかう偉大なビジネスマン」で、ビジネスマンが1年間のビジネスプランを立てています。
あくまで計画なので、実現するかはこの時点ではわかりませんが、この時から春分(牡羊座0度)のスタートに向かって、エネルギーを溜めて行くときになります。

ベリー公のいとも豪華なる時祷書』より2月

2月はまだまだ寒いですが、水ぬるむ春はまもなく。それまでに1年の計画を立て準備しておくといいですね。
今日はこのへんで。お読みくださりありがとうございました。

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