こんなに暑いのにラニーニャの夏じゃなかったラシイニャ
早いもので8月も後半。
先日、Xのアメリカの気象専門家によるAMOC(Atlantic meridional overturning circulation)についてのポストを見ました。
英語圏では(興味がある人だけと思うが)話題になっているようです。
AMOCは2050年には停止する可能性があると言われていたんですが、時期が早まったという見方をしているポストが多かったです。
CNNもこのような記事を出していました。
大西洋の海洋循環、今世紀半ばにも停止か 「早ければ2025年」(1/2) - CNN.co.jp
AMOCはいつ停止する?
AMOCについては日本語の記事が少ないので(日本語wikiもない)ピンとこないと思いますが、大西洋の塩分が多く北へ向かう暖流(赤いライン)と、塩辛い深層水の南へ戻る寒流(青いライン)で構成され、ベルトコンベアーのようになっています。
大西洋の場合は、熱帯の暖かい海水と塩分が北大西洋に運ばれ、北極海で折り返し、冷えた海水は沈み込んで南下します。
AMOCは産業革命前よりも弱くなっていると言われていますが、実は観測するようになってまだ120年ほどなのでそれ以前のデータがありません。
専門家の話ではグリーンランドの氷河が温暖化で溶解し、水中の塩分濃度が薄まっていると。そのためAMOCの速度が遅くなっているとのこと。
AMOCの弱体化による北米周辺の海面上昇が予測されています。
また、イギリスやアイルランド、スカンジナビアでは今より寒冷化します。
酷い場合は極寒の地となるでしょう。
『デイアフタートゥモロー』という映画がありましたが、あんなふうに世界中が数日で凍るということはありませんが、AMOCの崩壊により地球の気温が約0.5°C(0.90°F)低下し、ヨーロッパの地域的な気温が4°C(7.2°F)から10°C(18°F)低下すると言われています。
大西洋子午面転覆循環の崩壊予測:科学的警告と緊急の行動が必要な理由|エスクァイア日本版 (esquire.com)
AMOCの崩壊は予想よりも近い:その結果 Materia Rinnovabile |再生可能物質 (renewablematter.eu)
上の記事によれば、前回、AMOCが停止したのは12900年前。
北米で巨大な氷湖が溶けて大量の淡水が海に流出した結果、その後、1,300年間の凍結が続いとのこと。この出来事は、おそらく彗星の衝突によって引き起こされたと書かれています。
また、AMOCが今世紀中に停止することは「非常にありそうにない」と英国気象庁は否定しているそうです。
つまり、AMOCは減速している(かもしれない)けれど、停止はいますぐではないとイギリスの気象庁は言っているんですね。
もしかすると、今回のAMOCダウン騒ぎは、グローバリストによる気候危機煽りなのかな~。
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日本を含む太平洋側への影響は?
AMOCの崩壊が南方振動(ENSO)に及ぼす影響は調査中だそうですが、エルニーニョの発生が約95%減少するが、オーストラリア東部での極端な降雨の増加、米国南西部での干ばつと山火事の激化が予想されています。
ラニーニャといえば、8月9日に気象庁は「エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態になっている。今後、冬にかけて平常の状態が続く可能性もあるが(40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)。」と発表しました。
あれ?まだラニーニャ発生してないの?(苦笑)
早すぎたラニーニャ予報
海外の方がUPしていた8月17日の図によると、監視海域(ペルー沖)の海面は青色で、たしかに海水温は下がっているようです。
今夏にラニーニャが発生するという予測が、速すぎたということのようですね。でも、昨年より暑いのは海水温が高すぎるのでしょう。
海水温が高くなっているのは地球温暖化の影響だと、メディアが口を揃えて言っているので、私は逆にアヤシイと思っています(苦笑)
日本近海の海水温が高いのは、通常は常磐沖から東へ向かう黒潮続流が北上して三陸沖まで高水温をもたらしています。
ひまわり海中天気予報 (jaxa.jp)
EL Nino Watch – JAXA 第一宇宙技術部門 Earth-graphy
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水中酸素の減少
話は変わりますが、おかしな現象が現れているときに私がまず拝見するのがIn Deepさんのサイト「地球最期の時に」です。
日本の猛暑についての最新に書かれた記事は見つけられませんでしたが、「地球の 水は急速に酸素を失っており、その危険性は極めて大きい」という海外の記事を紹介されていました。
科学者チームは、 水中の酸素欠乏を「地球という惑星の限界」のリストに加えることを提案しており、このリストの最新版では、「人類が将来の世代にわたって発展し、繁栄し続けることができる」限界を定める 9つの領域が説明されています。
水中の溶存酸素濃度が低下する理由はいくつかあり、例えば、水温が上昇すると溶存酸素をあまり保持できなくなります。
また、温室効果ガスの排出により、気温や水温が長期平均以上に上昇し続けると、表層水はこの重要な要素を保持することが難しくなります。
漁獲量の減少
現在進行中の海水温が高い状態が継続するのも、海の生物については決していい状態ではないわけです。
サバやカツオも…漁獲量 去年は過去最低か 「未利用魚」に活路 | NHK | 水産業
上記のNHKニュース(2024年6月)の中で、和食やフランス料理のレストランの料理人らおよそ40人で作る団体のメンバーが水産庁を訪れ、水産資源の回復などにいっそう取り組むよう求める提言書を手渡しています。
国内外の漁業に詳しい東京大学大学院の八木信行教授は、魚の種類別では、日本海などで漁が行われているスルメイカは、水温の上昇により産卵場所が減っていること、サンマは、海流の変化で生息域が日本の近海から餌となるプランクトンの少ない沖合に移ってしまったことなどを背景に、それぞれ資源量が減っているとしています。
去年はサンマが高かった記憶がありますが、今秋もサンマ漁は厳しそうです。
湧き水が汚染されている?
つい先日、8月19日に出たニュースです。
大分 由布 旅館で食中毒 537人に 敷地内の湧き水が汚染か | NHK | 大分県
ニュースによると、症状を訴えた人のうち10人は、湧き水を飲んだだけだったということです。
湧き水・・・つまるところ地下水ですよね。
地下水は帯水層という地層(土壌層も含む)の中を流れているため、地下水が汚染されていればその入れ物である帯水層自体も汚染されていると考えられています。
汚染されている可能性がある湧き水は、由布岳と温泉で有名な大分県由布市。由布岳は山岳仏教信仰の山として崇められていたそうです。
由布岳の最新の噴火は約2,200年前と推定されており、現在は休火山です。
海中に限らず、地下水の溶存酸素も減少しているということかも。
専門家がこの現象をどのように見ているのか知りたいですね。
In Deepさんが紹介されていた記事には
「溶存酸素は、農業用および家庭用肥料、下水、産業廃棄物の形での有機物や栄養素の流入によって引き起こされる藻類の異常発生と細菌ブームは、利用可能な溶存酸素を急速に吸収します」とありました。
磁極の逆転と240万年の天文周期
In Deepさんの今回の記事の中で、磁極の逆転(ポールシフト)についても書かれていました。
私はまったく素人ですが、海流システムの異常にも磁極の変化がおおいに関係している気がします。
極度の太陽活動と「地球の磁場の弱体」が生命に劇的な影響を及ぼす可能性がある。一方は進化、一方は絶滅
In Deep 2024年7月16日
こちらは2015年の記事
「地球は磁極のポールシフトで磁場を失うことにより、太陽風に晒され水と大気を失った火星と同じ状態を200年間経験するだろう」 -- NASA火星探査メイヴン計画主任
240万年の天文周期
また、やはり海流に関する記事も紹介されていました。
「地球の海流も宇宙からの影響を受けている可能性がある」
今年 3月に、シドニー大学とソルボンヌ大学の 科学者がネイチャー誌に発表した以下の論文にそれが示されています。
深海の休止記録により、240万年周期の離心率による軌道のペース変化が明らかに
Deep-sea hiatus record reveals orbital pacing by 2.4 Myr eccentricity grand cycles
記事によると、地球の深海部の海流は 240万年ごとに停止し、その周期は「天文大周期」Astronomical Grand Cycleと呼ばれ、地球と火星の軌道の相互作用により発生すると予測されると。
しかし、地質学的記録でこれの証拠が検出されることはほとんどない。その影響を地球に与えているのが「火星と地球の関係」だと研究でわかったと。
地球と火星との関係
240万年ごとに、火星は海底を変えるほど地球を強く引っ張っています |ライブサイエンス (livescience.com)
新しい地質学的研究は、火星の重力場が何百万年も続くサイクルで地球を太陽に近づけ、気候を温暖化させることを示唆しています。
火星の引き寄せ:地球と赤い惑星との相互作用が深海循環をどのように推進するか - シドニー大学 (sydney.edu.au)
火星の太陽からの平均距離はおよそ2億3000万km(1億4300万マイル)で、公転周期は687(地球)日です。
地球から火星までの距離は、約5400万〜1億300万km(3400万〜6400万マイル)の間で変化し、角度の大きさにも同程度の変化が生じます。
過去60,000年で、火星が地球にもっとも近づいたのは、2003年8月27日でした。火星は5,575万8,006キロまで地球に接近したそうです。
これ以前にもっとも近く接近したのは紀元前57617年9月12日と計算されており、2287年には2003年よりも近い接近が起こると計算されているそうです。
2030年にアメリカが火星への有人探査飛行を計画しているとのこと。まだ地球に近い距離にあるようですね。
詳しくはまた。
お読みくださりありがとうございました。
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