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本当は怖い風の時代*小氷期と飢餓①

7月3日、米国立環境予測センターは、世界の平均気温が摂氏17.01度に達したと発表しました。ニュース記事を読んでピンと来たことがあったので書いてみたいと思います。

記事中に「世界各地の平均気温は、1850年から1900年の平均を1.46度上回っている」とありました。

地球は、約178年のサイクルで正確に《暖かい時期》と《小氷河期》を繰り返しており、1842年頃に地球は《暖かい時期》に入りました。(後述)
しかし、昨今騒がれている「地球温暖化」とは似て非なるものです。


現在は氷河期

信じられないかもしれませんが、現在の地球は、約3500万前に始まった氷河期の真っただ中です。http://www.nihonkaigaku.org/kids/secret/iceage.html

現在判明しているもっとも古い氷河時代は、約29億年前のポンゴラ氷河時代で、最も新しいものは現在も続いている「第四紀氷河時代」ないし「新生代氷河時代」です。この第四紀氷河時代は、 258万年前に始まりました。

氷河期は、およそ4万年から10万年の間隔で発生し、その氷河期中にはとても寒い「氷期(寒冷期)」と少し暖かくなる「間氷期(温暖期)」があり、それを交互に繰り返しています。

氷期(寒冷期)と間氷期(温暖期)は、地球の軌道の周期的変化と重なっています。
3つの変化があり、1つ目は太陽の周りを公転する地球の軌道の変化で、軌道離心率と呼ばれます。
2つ目は、黄道傾斜角と呼ばれる地球の自転軸の傾きの変化。
3つ目は、地軸の歳差運動です。

現在は、第四紀氷河時代の中の間氷期で、約11,700年前に始まりました。
間氷期なので暖かいのは事実ですが、周期で見ると寒冷化傾向にあります。

・氷河時代・・・100万年位前から始まり現在も継続中の、北極南極に極冠がある地球全体が寒い時代。
・氷期・・・12万年周期で訪れている、気温が現在よりも5度から10度低い時代。
・小氷期・・・数百年ごとに訪れる現在より気温が0.5度ほど低い時代。
・間氷期・・・氷河時代のうち、氷期と氷期の間に挟まれた、気候が比較的温暖な時期。

そして現在の間氷期の間にも、小氷期(寒冷期)と温暖期が繰り返し起きています
近々の小氷期は、14世紀~19世紀(1250年頃–1850年頃)。小氷河時代、ミニ氷河期ともいいます。この時期はほんとうに寒く、農作物の不作により飢饉や疫病が流行りました。

その前はもちろん温暖期で、10世紀~13世紀は「中世の温暖期」(950年頃 – 1250年頃)と呼ばれています。この温暖期の理由は、太陽活動の増加、火山活動の低下、海洋循環の変化などが考えられます。
ヨーロッパではこの時期、農業生産力が拡大したことによる人口増加が見られました。また海が凍らなかったためにヴァイキングが活躍したり、十字軍の派遣もありました。
日本は、主に平安時代でした。

エルニーニョと小氷期

「エルニーニョ」は、スペイン語で「イエス・キリスト」という意味があるそうです。もともと「エルニーニョ」という用語は、毎年クリスマス時期にペルーとエクアドルの沿岸を南に流れる暖かい海流を指すものだったとか。

エルニーニョ現象は何千年も前から発生していると考えられていて、ペルーのモチェ文化に影響を与えたと考えられているそうです。

モチェ文化(Moche)は、ペルー北海岸にそそぐモチェ川から名称をとられた紀元前後からA.D.700頃まで繁栄したインカに先行するプレ・インカと呼ばれる高度な文化のひとつである。

wikiによると、1980年代にオハイオ州立大学の地質学者ロニー・トンプソン氏がアンデス山脈で採掘したアイスコア(氷床コア)と呼ばれる氷の層を調べ、モチェ文化の滅亡前にも最大級のエルニーニョ現象があった(565年-600年)ことがわかったと報告されています。

寒冷期と火山噴火

565年-600年の最大級エルニーニョは、西暦6世紀から7世紀にかけて続いた後期アンティーク小氷河期と重なります。

後期アンティーク小氷河期( LALIA ) は、西暦6世紀から7世紀にかけて長く続いた北半球の寒冷期です。
536年から約660年までが寒冷期であることが確認されていますが、536年以降の気候の冷却には、火山の噴火、地表への隕石の衝突、大気上層での彗星の破片の爆発が考えられています。

「536年の火山の冬」と呼ばれる現象は、少なくとも3つの同時噴火によって引き起こされ、大量の硫酸塩エアロゾルが大気中に放出されたため、地表に到達する太陽​​放射が減少し、数年間にわたって大気が冷却されたそうです。
地球規模で2 °C (3.6 °F) 寒くなったことが判明しています。536年の夏の気温は、ヨーロッパの平年より 2.5 °Cも低下しました。

「火山の冬」の影響は539年から540年にかけて増大し、 さらに別の火山噴火があったという証拠があり、寒冷期が延長された可能性があるそうです。
541年の火山の噴火は不作を引き起こし、ユスティニアヌス帝の疫病(ペスト)、飢餓などで数百万人の死者を伴いました。

ユスティニアヌス帝の疫病(ペスト)は、最初のペストのパンデミックと見られています。
地中海盆地全体、ヨーロッパ、近東に拡大し、サーサン朝とビザンツ帝国、特にコンスタンティノープルに深刻な影響を与えました。
541 年にローマのエジプトに到達し、544 年まで地中海周辺に広がり、549 年まで北ヨーロッパとアラビア半島に広がりました。

後期アンティーク小氷河期の全体にわたって、世界各地で広範な火山活動が記録されており、氷床コアや年輪調査の結果は、536年、540年、547年に噴火が起こったことを示していますが、火山は特定されておらずパプアニューギニアのタブルブル、エルサルバドルのイロパンゴ、インドネシアのクラカタウの可能性があるそうです。

小氷期とフランス革命

wikiによると「1789年から1793年にかけて強大なエルニーニョの影響がヨーロッパで作物収穫の不作を引き起こした、これがフランス革命勃発を助長したと考えられている」と書かれていました。これも小氷期の兆候です。

小氷期は、太陽活動が低く、地球の気温が平均より(約1度ほど)低くなります。1度違うだけでも大きな影響になります。

「小氷期」は、1939年にフランソワ E. マテスによって科学文献に導入された用語です。小氷河時代、ミニ氷河期とも言います。この期間は16 世紀から 19 世紀に及ぶと定義されていましたが、一部では14世紀半ばから19世紀半ばにかけて続いた寒冷な期間のことを指しています。

フランス革命の前、1783年6月8日にアイスランドのラキ火山が噴火しています。
ラキ火山の噴火により大気中に1億2000万トンもの二酸化硫黄が放出され、ヨーロッパ中の人が呼吸困難などの症状を訴えました。火山灰はイギリスにまで降り注ぎ、その年の夏は「砂の夏」と呼ばれました。
噴火による旱魃や悪天候が食糧価格の高騰を引き起こし、フランス革命の遠因になったとされています。

NASA地球観測所は、小氷期に特に寒い期間が3回あったことに注目しています。1つは1650年頃、もう 1つは1770年頃、最後は1850年
原因として、太陽活動の周期的な低下、火山活動の活発化、海洋循環の変化、地球の軌道と地軸の傾きの変動、地球規模の気候の固有の変動と考えられています。

地軸の傾きと日射量の変化

約10万年ごとに氷期と間氷期が交互に訪れる原因のひとつに、日射量の変化があります。地球が自転する軸がぶれて、太陽の周りを回る軌道が変化するためです。
地球の地軸の傾きは、季節差に影響を与え(地軸の傾きが大きいほど季節差が大きい)、結果として地球の気候にも影響を与えることになります。

地球の地軸の傾きは、固定ではなく約21.5度から24.5度の間の間を定期的に変化します。その周期は4.1万年で、現在は極大となった約8,700年前から小さくなっていく時期にあたります。
現在の傾きは23.4度で、西暦11,800年頃に極小となると考えられています。

地球の軌道は、ほぼ円形と穏やかな楕円形の間で変化するそうですが、離心率は主に木星と土星の重力によって変化します。
傾斜が大きくなると、日射量の季節サイクルの振幅が増加し、各半球の夏にはより多くの日射量を提供し、冬には太陽放射が少なくなります。
(しかし、これらの効果は地球表面で均一ではありません。)
傾きが減少している現在は、より穏やかな季節と全体的な冷却傾向を促進していますが、間氷期の終了と氷期の開始が促進される可能性があります。

ミランコビッチ・サイクル

ミランコビッチ・サイクル(Milankovitch cycle)とは、地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期である。

自転軸歳差運動の周期は、wikiには約26,000年と書かれています。(25,920年だったと記憶しています)
この歳差運動は、太陽と月が、回転する地球に加える潮汐力によって引き起こされます。
現在の北極星はこぐま座α星(ポラリス)ですが、歳差運動により西暦13,000年頃には、天の北極はベガ(こと座α星)の5度以内に位置することになるそうです。

古代エジプトの記録によると、今から約4800年前(紀元前2800年頃)には、天の北極はりゅう座α星のあたりに位置していました。

また、太陽活動周期は、約11年サイクルです。
太陽の変化は、太陽から地球に達する放射の量を周期的に変化させ、宇宙天気、地球の天気や気候等の変化を引き起こします。

英国ノーザンブリア大学のジャルコヴァ教授が2015年に発表した研究では、2030年代には太陽活動が60パーセント低下し、地球の温度も急激に低下、370年間にわたって極寒の時代が続くということでした。

ドイツの独立研究機関ヘルムホルツ・ツェントルム・ドレスデン・ロッセンドルフ(HZDR)の研究者は、金星、地球、木星の潮汐力が太陽磁場に影響を与え、太陽周期を支配していることを示す新しい発見を発表しました。
HZDRの発表によると、「月の重力が、地球に潮汐を引き起こすのと同様に、惑星は太陽の表面の熱いプラズマを移動させる力を持っている。
太陽に対しての潮力が最も強くなる時は、「金星 - 地球 - 木星」の3つの惑星が太陽に対して整列する時だった。この整列は、11.07年ごとに起きる。」と書かれていました。

200年毎のミューテーション

西洋占星術では、木星と土星が同じ位置で重なることをグレートコンジャンクション(略してグレコン)と呼びます。
公転周期が異なる木星と土星が同じ位置で重なること自体稀なことで、それは約20年毎に起きます。
木星と土星は社会天体と呼ばれ、主に社会に影響を与えると言われています。その二つの星が重なるグレコンでは、社会構造の改革が起こるとされています。

そして約20年毎のグレゴンを10回繰り返す(約200年)と、ミューテーションが起きます。
ミューテーションは「変異」という意味ですが、何が変異するかというと、エレメント(地球を構成する元素)が変わります。

近々では2020年12月にグレコンが起き、風のエレメントに変わるミューテーションが起きました。
それ以前は地のエレメントだったので「地の時代」と呼ばれました。現在は、「風の時代」と呼ばれています。風の時代は、約200年続きます。

少し前に「風の時代はスピリチュアル詐欺だ」いうヘイトがありましたが、西洋占星術では風の時代は詐欺ではありません。

ちなみに地球の歳差運動では、現在は「双魚宮(魚座)の時代」(2160年間)の終わりにさしかかっているようです。でも、次の「宝瓶宮(みずがめ座)の時代」までは、まだ百年ぐらいあるとか。

2160年間の「〇〇の時代」は、地球の歳差運動で25,920年かけて一周することから単純に割り出し、1つの星座には2160年滞在するとしています。(約25,920÷12星座=2160年)
実際には星座の幅はマチマチなので、正確な年数ではありません。

グレコンと小氷期

コロンビア大学の研究によると、木星と土星の会合(グレコン)は、太陽逆光サイクルを引き起こすそうです。

逆光サイクルは、太陽スピン速度と太陽出力の両方に変化が起き、太陽出力は急激に低下します。地球上では、太陽逆光サイクルは地磁気場の変動を引き起こしながら、急激で極端な気候変化を引き起こします。

ドイツのランドシャイト博士によると「太陽の逆光サイクルが地磁気強度の変動を引き起こし、ひとつのサイクル(約360年)ごとに地球は小氷期に突入する」そうです。
ノーザンブリア大学のジャルコヴァ教授が発表した約370年間と非常に近いですね。

小氷期は、飢餓と伝染病に関連しています。
先述の後期アンティーク小氷河期( LALIA ) :西暦6世紀から7世紀にはユスティニアヌス帝の疫病(ペスト)が流行しています。
この時代は、グレコンの周期から考えると「風の時代」だったでしょう。

NASA地球観測所が、小氷期(寒冷期)に特に寒い時期が3回あったとして取り上げた1650年頃1770年頃1850年は、火の時代(1603年~1841年)と土の時代(1842年~2020年)に該当します。

現在は風の時代(2021~)ですが、前回の風の時代はどうだったか、火の時代、地の時代の飢餓と伝染病については次の記事に譲ります。
次の記事は有料記事になると思いますが、良かったらご覧ください。

今年のスーパーエルニーニョに関係なく、天体の動きからは食料不足と疫病はありそうに思います。
今のところ過剰に心配しなくても大丈夫でしょうけれど、食糧難の可能性が年々強くなるということを頭の隅において、状況の変化には敏感になっておいたほうがいいでしょう。
数年後には、野菜は工場栽培が当たり前になっていたり、あるいは宇宙食みたいなものを食べるようになっているかもしれません。
(昆虫とかワームを食べるのはカンベンしてほしい)

そしてまた、気候変動が引き起こすのは飢餓だけでなく、社会的混乱による宗教改革、戦争もあります。そこには必ず金融も関係しています。また別の機会にその点についても書きたいと思います。

今日はこのへんで。最後までお読みくださりありがとうございました。

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