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2023スーパーエルニーニョ?!

下弦の月だった7月10日(2023年)、福岡県と大分県に大雨特別警報が発表され、山梨県大月市や埼玉県所沢市では気温が38℃以上を観測しました。

エルニーニョ現象、7年ぶり発生 世界で433兆円損失の予測も | 毎日新聞 (mainichi.jp)

国連の世界気象機関(WMO)は4日、太平洋赤道域で海面水温が高い状態が続く「エルニーニョ現象」が7年ぶりに発生したと宣言した。
「世界の多くの地域や海洋で気温の記録が更新され、猛暑を引き起こす可能性が大幅に高まる」として注意を呼びかけた。米国の研究グループは、今夏のエルニーニョは2029年までに世界経済に3兆ドル(約433兆円)の経済損失をもたらす可能性があると見積もる。

毎日新聞 2023/7/5 08:51(最終更新 7/7 08:07)より

気象予報士の原田雅成氏によると、
「エルニーニョ現象が発生すると、日本は冷夏・多雨に見舞われる傾向にありますが、今年は極めて特殊。
エルニーニョとは逆に夏の気温が高くなる『ラニーニャ現象』が今春終息したものの、その名残がある。通常のエルニーニョ現象のように冷夏となるのではなく、今夏は気温が高く降水量が多い予想です。
今後、梅雨前線が北上することから、8月は晴れる日が続きそうですが、日本の南方に温かく湿った空気が流れ込みやすい状態なので、大雨に備えておく必要があります」とのことです。
9月以降も台風・大雨に要警戒…「スーパーエルニーニョ」が日本に異常気象をもたらす (msn.com)


エルニーニョ現象とは

なんとなくわかっている気になっていたエルニーニョについて改めて調べてみました。

太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象をエルニーニョと言います。
逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。
エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられています。

1997年11月の月平均海面水温平年偏差

エルニーニョが発生していない平常時
太平洋の熱帯域では、貿易風と呼ばれる東風が常に吹いているため、海面付近の暖かい海水が太平洋の西側に吹き寄せられています。
西部のインドネシア近海では海面下数百メートルまでの表層に暖かい海水が蓄積し、東部の南米沖では、この東風と地球の自転の効果によって深いところから冷たい海水が海面近くに湧き上っています。
このため、海面水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなっています。海面水温の高い太平洋西部では、海面からの蒸発が盛んで、大気中に大量の水蒸気が供給され、上空で積乱雲が盛んに発生します。

エルニーニョ現象時の状態
エルニーニョ現象が発生している時には、東風が平常時よりも弱くなり、西部に溜まっていた暖かい海水が東方へ広がるとともに、東部では冷たい水の湧き上りが弱まっています。
このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなっています。エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時より東へ移ります。

エルニーニョ・南方振動(ENSO)
南太平洋東部で海面気圧が平年より高い時は、インドネシア付近で平年より低く、南太平洋東部で平年より低い時は、インドネシア付近で平年より高くなるというシ−ソ−のような変動をしており、南方振動と呼ばれています。
南方振動は、貿易風の強弱に関わることから、エルニ−ニョ/ラニーニャ現象と連動して変動します。このため、南方振動とエルニーニョ/ラニーニャ現象を大気と海洋の一連の変動として見るとき、エルニ−ニョ・南方振動(ENSO:エンソ)という言葉がよく使われています。

そもそもエルニーニョ

エルニーニョ(El Niño)というのはもともと、南米のペルーとエクアドルの国境付近の海域で毎年12月頃に発生する海水温の上昇現象でした。
この時期がちょうどクリスマスの頃であることから、スペイン語でイエス・キリストを意味する「エルニーニョ(El Niño)」と呼ぶようになりました。

ちなみにラニーニャ(La Niña)とは、スペイン語で『女の子』の意味。エルニーニョの対になるので、当初はアンチ・エルニーニョとされていましたが、エルニーニョにイエス・キリストの意味があるため、アンチ・キリストと受け取られてしまうことを忌み、女の子の意味のラニーニャになったそうです。

1950年代以降になって、数年に一度、海水温の上昇現象が3月以降も継続し、かつ太平洋の広範囲に影響を及ぼすことが判明したため、「エルニーニョ現象」と呼ぶようになったそうです。

太平洋では通常貿易風(東風)が吹いており、これにより赤道上で暖められた海水が太平洋西部に寄せられます。代わりに太平洋東部には冷たい海水が湧き上がり、これを湧昇(ゆうしょう)流といいます。

普通、表層と深層の海水は、水塊の温度や塩分濃度など物理的・化学的な性質により、お互いに混ざり合うことがない。また、表層と深層にはそれぞれ独立した海流が存在し、両者が接続するのは地球上のほんの一部の限られた地域のみである。
しかし、ある特定の条件を満たした場所では深層から表層へ、一時的あるいは長期的に海水が湧き上がるような流れが発生することがあり、これを湧昇と呼んでいる。

エルニーニョが発生すると、この暖かい海水を押し流す貿易風が弱まり、暖かい海水が東太平洋に戻るようになり、海水温度が上がります。
エルニーニョ現象が発生した際には、東太平洋赤道域の海水温が平年に比べて1-2°C前後上昇しますが、時に大幅な上昇を示すこともあり、1997年 - 1998年にかけて発生した20世紀最大規模のエルニーニョでは、最大で3.6°C上昇したと言われています。

1997年12月の海面温度。東太平洋の赤道付近の海水温が
平年より5°C以上上昇している。

海水温の変化は、まずその海域の大気の温度に影響を及ぼし、それが気圧変化となって現れ、大気の流れを変えて、天候を変えてという具合にして世界中に波及します。
大気と海洋が密接に関連して発生する現象を大気・海洋相互作用、ある地点の気圧や温度などが遠隔地間で協調しながら変化する現象をテレコネクション(離れた2つ以上の地域で気圧がシーソーのように伴って変化する現象)と言います。

近年、地球温暖化(気候変動)に関する研究が進む中でテレコネクションやそれに伴う周期的な天候変動が地球の気候に大きな影響を及ぼしていることが分かった。長期的な気象予報の分野では、予報の誤差の原因となるテレコネクションによる天候変動を考慮した予報に関する研究が進んでいる。
ただテレコネクションを数値で表現し、数値予報モデルを用いて再現・予報するのは現段階では困難である。
大気波の伝播は数式に表すことができるが、それがテレコネクションに変わっていく詳細な仕組みがまだ解明されていないためである。

具体的には、海水温の「西低東高」が気温の「西低東高」、さらには気圧の「西高東低」を引き起こすことで、従来の赤道付近の大気の循環を変化させてしまいます。ウォーカー循環

これがロスビー波(大気波)の伝播、赤道偏東風ジェット気流や亜熱帯ジェット気流(Js)の流路変化などによって、ドミノ式に低緯度・中緯度・高緯度へと波及し特有の気圧の変動を起こします。
気圧の変化は、湿・乾・暖・寒さまざまな性質を持った各地の大気の流れを変化させ、通常とは異なる大気の流れによって異常気象が起こるのです。

中緯度の日本においては、夏は梅雨が長引き冷夏、冬は西高東低の気圧配置が安定せず暖冬となる傾向があります。

エルニーニョ現象の過程

1.何らかの原因(波動伝播、西風バーストなど)で、太平洋を流れる赤道海流が弱まる。
 ※西風バーストは、対流圏下層の太平洋西部から中部にかけて赤道上で吹く強い西風のこと。 赤道を挟んで北半球と南半球のそれぞれに熱帯低気圧が発生する(ツインサイクロン)ことに伴って吹くことが多い。
2.海流が弱まったせいで暖水が西太平洋へ集まるスピードが弱まり、西太平洋で暖水域が広がり中部太平洋にまで暖水が広がる。
3.海水温上昇により中部太平洋の気圧が下がり、西風バーストの強化・東進が促される。
4.暖水が東太平洋にまで広がり東部赤道域の海面水温が低下し、それに対応して東太平洋の気圧が下がる。
5.西太平洋に向かう貿易風が弱まるなどして気圧の変化が世界中に波及し、異常気象を発生させる。
6.何らかの原因(赤道波の伝播、暖水の南北移動など)で太平洋を流れる赤道海流が強まり、海水温が平常の状態に戻る。
7.平常状態となった、気圧変化が世界中に波及し、異常気象も収まる。

発生の根本的な原因

エルニーニョは、海水温の異常が発生する数か月前に、東から西に流れる赤道海流が弱まったり、反転したりする現象が観測されます。これは、何らかの原因によって海流に変化が起きたことによるものです。

また反転の後、西太平洋の低緯度地方(フィリピン付近など)で急激に西風が強まる現象(西風バースト)が観測されることがあるが、これは赤道海流の変化によって海水温が変化し、これが大気に伝わり気圧の変動を起こしていく過程で発生するものと考えられています。
赤道海流と西風バーストは、どちらが原因でどちらが結果であると断定できるものでもなく、解明が非常に困難と言われています。

過去のエルニーニョ

私の記憶にあるエルニーニョ現象は、1993年の夏です。
日本の稲作はほとんどの地域で不作となり、米不足騒ぎになりました(1993年米騒動)。タイからインディカ米が緊急輸入されましたが、タイ米の味に馴染むのになかなか苦労がありました。

1993年の記録的冷夏は、20世紀最大級ともいわれる1991年6月のフィリピン・ピナトゥボ山(ピナツボ山)の噴火が原因で発生したと考えられており、夏の気温は平年より2度から3度以上も下回ったそうです。

2009年夏のエルニーニョは、アジア全土に多雨をもたらし、西日本で長期的な豪雨(平成21年7月中国・九州北部豪雨)、夏は南西諸島で猛暑の他は平年並みか冷夏でした。

2015年夏は、南西諸島を除き6月のみ冷夏、7月後半から8月上旬は記録的猛暑。しかし、8月(立秋以降)は冷夏でした。
北海道、および東日本〜西日本で8月 - 9月を中心とした長期的な豪雨(平成27年9月関東・東北豪雨、北海道を除く北日本で平年より10日~14日以上遅い初雪、初冠雪となり、沖縄では12月に長期的な夏日を観測しています。

2018年秋 - 2019年夏は、2018年9月4日に近畿地方に台風が接近して危険な暴風となった(平成30年台風第21号)ほか、9月7日〜9月10日10日は秋雨前線が近づいて西日本では断続的に雨が降り続きました。

今回、2023年のエルニーニョ現象は、2018年のエルニーニョ現象から5年ぶりということになります。(WMOの発表は7年ぶりになっていますが)

ラニーニャ現象

エルニーニョとラニーニャはセットですので、来年、再来年はラニーニャ現象が起きることになります。
ラニーニャ現象とは、エルニーニョ現象の逆で、東太平洋赤道付近の海面水温が平年より低い状態が長期間続く現象を言います。


エルニーニョと同様に世界中の異常気象の原因になりますが、エルニーニョ時と正反対の異常気象になる場合があります。
例えばエルニーニョで大雨となった場合、ラニーニャの時は少雨・干ばつとなるようなケースがあります。

ラニーニャ現象が起こると、日本では夏は気温が高くなる傾向にあり、冬は西高東低の冬型の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向にあります。

2020年夏 - 2021年春
2020年初冬より日本国内を中心に、数年に1度の最大規模の大寒波が襲来し、主に東日本と北日本の各日本海側、および山陰地方と九州北部の長崎を中心に記録的な大雪になりました。令和3年の大
2006年1月 - 2月当時を上回る記録的な大厳冬となりました。
2021年1月上旬には欧州でも数年に1度の最大規模の大寒波が襲来し、特にスペインの首都マドリードでは半世紀(50年)ぶりの大雪を観測。

2021年秋 - 2022/2023年冬
2022年1月上旬、日本は令和4年の大雪となり、パキスタンでも記録的な大雪となりました。
2022年12月には北米で記録的な降雪を記録し、日本は令和5年の大雪になりました。

エルニーニョで日本は冷夏?

日本への影響として、エルニーニョ現象は【冷夏】【暖冬】、ラニーニャ現象では【暑夏】【寒冬】になる傾向なのですが、どうやら今夏はイレギュラーのようですね。

この記事を書いている現在、私が住んでいる地域は平均気温が37℃です。

世界の平均気温、観測史上最高を記録 今月3日に17.01度 - BBCニュース

WMOが「エルニーニョ現象」が発生したと宣言した前日(3日)に、世界の平均気温が摂氏17.01度に達し、観測史上最高を記録したそうです。
17度を超えたのは19世紀末に観測を開始して以降初めてのことだとか。

米国立環境予測センターの科学者たちは、世界の平均気温が7月3日に摂氏17.01度に達したと発表。2016年8月に記録した16.92度を上回り、観測史上最も暑い日となった。

「7月はこれまでで最も温かく、これまでで最も暑い月になる可能性がある。『これまでで最も』というのは、約12万年前のエーム間氷期以来という意味だ」と、独ライプチヒ大学のカーステン・ハウシュタイン氏は述べた。

エーム間氷期は、約13万年前、氷河期の終わりに始まった間氷期の呼び名です。
間氷期は、氷期と氷期の間に挟まれた気候が比較的温暖な時期をいいます。現在の間氷期は、約11,700年前に氷期が終わりを迎えるとともに始まったと言われています。
BBCニュース記事のカーステン・ハウシュタイン氏の発言は、その間氷期に非常に暑い夏季があったといっているんですね。

この米国立環境予測センターの科学者たちによる発表が、WMOの「エルニーニョ宣言」の根拠であることは間違いないでしょう。

日本の気象庁は6月9日ごろに、「エルニーニョ現象が発生しているとみられる」と発表していました。

エルニーニョ現象が夏に発生すると、日本付近では気温が低く、特に西日本の日本海側で降水量が多くなる傾向が知られています。
ただ、地球温暖化の影響に加えて、年明けごろまで続いた「ラニーニャ現象」の影響で日本付近は暖かい空気に覆われやすいことなどから、ことしの夏は高温傾向のままで、降水量の見通しも変わらないとしています。

気象庁異常気象情報センターの楳田貴郁所長は「エルニーニョ現象というと冷夏を想像するかもしれないが、高温傾向の見通しは変わっていないので、引き続き熱中症に注意してほしい」としています。

「エルニーニョ現象」発生か 今夏の予想気温は変わらず 気象庁 | NHK | 気象

出ましたね~。「地球温暖化」という言葉。
私は温暖化ではなく、小氷河期への移行の途中であるため、気候変動が起きていると考えています。星の上から見ても、小氷河期の始まりに合致しています。

地球温暖化との関係

地球温暖化は、自然由来の要因と人為的な要因に分けられます。
20世紀後半の温暖化に関しては、人間の産業活動等に伴って排出された人為的な温室効果ガスが主因とみられ、2007年2月に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発行した第4次評価報告書によって膨大な量の学術的(科学的)知見が集約された結果、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因である確率は9割を超えると報告されています。

IPCCとは
気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、略称:IPCC)は、国際連合環境計画(UNEP)と世界気象機関( WMO)が1988年に共同で設立しました。本部はスイス・ジュネーブです。

IPCCの主な業務は、気候変化に関する科学的な判断基準の提供、地球温暖化に関する科学的知見の集約と評価です。IPCC自体が各国への政策提言等を行うことはないが、国際的な地球温暖化問題への対応策を科学的に裏付ける組織として、間接的に大きな影響力を持っています。

IPCCは、2007年に元米国副大統領で環境活動家でもあるアル・ゴアとともにノーベル平和賞を受賞しています。

IPCCの代表者、会員の氏名は非公開となっており、参加者は政府関係者だけに限られず、各関連分野の科学者、専門家も参加しています。
2007年の第4次評価報告書は、130ヵ国以上から450名超の代表執筆者、800名超の執筆協力者による寄稿、および2500名以上の専門家による査読を経て作成されているそうです。

経済への影響
地球温暖化は、気温や水温を変化させ、海面上昇、降水量(あるいは降雪量)の変化やそのパターン変化を引き起こすと考えられ、洪水や旱魃、酷暑やハリケーンなどの激しい異常気象を増加・増強させる可能性や、生物種の大規模な絶滅を引き起こす可能性も指摘されています。
ただし、個々の特定の現象を温暖化と直接結びつけるのは現在のところ非常に難しいとも言われています。

こうした自然環境の変化は、人間の社会にも大きな影響を及ぼすと考えられ、真水資源の枯渇、農業・漁業などへの影響、生物相の変化による影響などが懸念されています。
2–3°Cを超える平均気温の上昇が起きると、全ての地域で利益が減少またはコストが増大する可能性がかなり高いと予測されており、温暖化を放置した場合、今世紀末に5–6°Cの温暖化が発生し、「世界のGDPの約20%に相当する損失を被るリスクがある」という報告があります。(スターン報告

スターン報告は、2006年10月30日にイギリス政府のために経済学者ニコラス・スターン卿によって発表された地球温暖化(気候変動)に関する報告書のこと。正式な表題は The Economics of Climate Change (気候変動の経済学)。
地球温暖化の対策による損得、その方法や行うべき時期、目標などに対して、経済学的な評価を行っている。その内容は「早期かつ強力な対策」が経済学的にみて最終的に便益をもたらすであろうと結論づけており、イギリスおよび世界の動きに大きな影響を与えつつある。

見方を変えれば、気候変動はビジネスになるんです。
スターン報告書には、取るべき対策のひとつに「低排出な技術への研究開発投資をふやし、技術革新を現状よりも加速する必要がある。またその普及を加速するため、現状の数倍の助成を行うべきである。」と書かれています。

世界銀行グループと気候変動https://www.worldbank.org/ja/country/japan/brief/climate-change-and-wbg

「気候変動問題への銀行界の取組み」の公表について | 2022年 | 一般社団法人 全国銀行協会 (zenginkyo.or.jp)

地球温暖化でエルニーニョは増えるのか

IPCCの気候モデルを用いた予測、気象庁をはじめとした各研究機関の予測のいずれにおいても、平均的に太平洋赤道域東部の海水温はわずかに上昇し、エルニーニョのような海水温異常が強まるという予測が多く、また一般的な認識においても、地球温暖化によってエルニーニョが増えたり強まったりするという考えが多くなっています。

ただ、気候モデルによる予測では「エルニーニョが強まる・増えるだろう」という大体のことは分かっても「強まる・増える」と断定できるほど確実なレベルになく、エルニーニョの原因がはっきりと解明されていないことやエルニーニョなどの現象に対するモデルの再現性が不明瞭であると言われています。
研究者の間でも、過去数十年間の太平洋赤道域東部の海水温の変化傾向は地球温暖化が関係しているという意見と、自然変動であるという意見に分かれています。
結論として、今の段階ではモデルの予測に基づいても「エルニーニョが強まる、増えるとは断定できず地球温暖化との関連については「関連している可能性がある」程度にとどまっており、「エルニーニョは地球温暖化によって起こる」という考えも推測の域を出ていません。

長くなりましたので、天体の動きと小氷河期の関りは次の記事にしますね。
気候変動については、おそらく発言の自由が厳しく制限されると思います。

東京大学や東北大学、国立環境研究所などによる『地球温暖化懐疑論批判』が、ネット上で無料公開されています。よくある懐疑論の主張に対し、科学的データに基づいた反論になっています。参考のために一読するのはいいかもしれません。

今日はこのへんで。最後までお読みくださりありがとうございました。

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