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ニューイングランドの暗黒日(1780年)

何気なくwikiを見ていたら、1780年5月19日「アメリカ・ニューイングランドの暗黒日」というのが目に付きました。
ニューイングランドの州とカナダの一部で、昼間から空が暗くなり、ろうそくが必要なほど暗くなったそうなのです。

その日は、ニューイングランドの典型的な1日として始まりました。空が暗くなり始める午前中まで、人々はいつもの生活を送っていました。
やがて、雲が昇る太陽を覆い隠すにつれて、大量の重いさび色の雲が西から入り始め、空を薄暗くしました。
正午までに、太陽は完全に覆い隠され、ニューイングランドは暗い闇に包まれたままになりました。雨水は奇妙なすすけた匂いを放ち、黒いスカムが川の水面に浮かんでいました。ニューイングランド人は何が起こっているのかわからなかったので、パニックに陥りました。

ニューイングランドの暗黒日を振り返って

「この異常な暗闇は午前10時から11時の間に起こり、深夜まで続いた」とハーバード大学のサミュエル・ウィリアムズ教授は述べています。

14時には、マサチューセッツ州イプスウィッチでも、あたかも夜になったかのように雄鶏が鳴き、ヤマシギがさえずり、カエルがぴよぴよと鳴いた。強い煤のような臭いが大気中に立ち込めたうえに、雨水が焼けた葉の破片や灰で覆われ、薄いフィルムを被ったように見えるようになったという報告もある。ほぼ同時刻の報告でも、ニューハンプシャー州の一部で、灰や燃え殻が降り積もり、その深さは15センチメートルほどになったとされている。

wikiより

独立戦争中、ジョージ・ワシントンは日記にこの日のことを書いていました。「重くて珍しい種類の雲-暗く、同時に明るく赤みがかった種類の光が混ざり合って-交互に明るくなり、暗くなります」
ニューイングランドの暗黒日、1780年5月19日

1780年5月19日は金曜日だったようです。
暗黒日の直前の数日間、ニューイングランドからは、太陽が赤く見え、空は黄色く見えていたそうです。そして、夜になると月が赤く見えていました。
いったい何が起こっているのかわからなかった当時の人々は、「終末の日」が来たとパニックになり、居酒屋でやけくその祝杯をあげる人たちもいれば、教会に駆け込んだ人もいたようです。
牧師たちも聖書の終末予言について言及したそうです。

「しかし、その時に起る患難の後、たちまち日は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は空から落ち、天体は揺り動かされるであろう。」
マタイによる福音書24:29

ニューイングランド(北から南へメイン州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コネチカット州を合わせた地方)といえば、その名前からもわかるように、かつては英国の植民地であり、移民によって拓かれた地域でした。
英国からの移民には、ピューリタン革命を逃れてきた人たちもいました。
歴史家のマイク・ダッシュ氏によると、ニューイングランドは「罪悪感、罪、贖い」に深い関心を持ったプロテスタント社会だったそうです。

余談ですが、あのBゲイツさんの先祖も英国からの移民です。おそらくイングランド内戦の動乱から逃れてきたと思われます。(以前に家系図を辿り確認しました。)

人々は、その晩は眠れず過ごしたことでしょう。明日の朝が来ないかもしれないと不安に思っていたはずです。
しかし、翌朝は空は澄みきり、そよ風が吹く、春の一日でした。
敬虔な人々は、キリストの再臨を喜びました。

いま、ふと思ったんですが、5月のこの時期はペンテコステ(イエスの復活・昇天後、集まって祈っていた120人の信徒たちの上に、神からの聖霊が降ったという出来事のこと)に当たるんじゃなかったかな。
私は、キリスト教徒ではないので間違っているかもしれませんが、そうでなくても、きっと町じゅうで感謝の祈りが捧げられていたことでしょう。

ところで、この暗黒化の原因はなんだったのでしょう。神の怒り?日食?火山の噴火?隕石の衝突?
それが解明されたのは2007年。原因は大規模な森林火災の煙だったそうです。火事で木が枯れず、その木が成長すると年輪に傷跡が残っているため、過去の日付を概算することができるそうです。

ミズーリ大学林学部の学者は、西風が吹くニューイングランドから内陸にある木の幹を分析しました。彼らは、その時代にさかのぼる木の幹に火傷の輪の兆候を見つけました。
プリマス大学の地理学の准教授であるウィル・ブレイク博士は、1780年に干ばつがあったため、火災が発生しやすくなっていたと述べました。

しかし、山火事はそのような光の変化を引き起こす可能性がありますか?
「東海岸では霧がよく発生するため、山火事からの霧と煤の混合物が組み合わさって暗闇が降りてくる」と、ブレイク博士は主張しました。

ダークデイの謎の原因は何ですか?

その後、彼らはその期間の気象報告を調査し、低気圧と強風の組み合わせが煙を運んだ可能性が高いと結論付けました。

風と低気圧がオンタリオ州(カナダ)のアルゴンキンハイランズの火災から上層大気に煙を押し出し、それをニューイングランドに数百マイル押し込んだという結論を発表しました。

1780年5月19日–ニューイングランドの暗黒日
オンタリオ州

天文現象とは関係がなかった暗黒化ですが、せっかくですのでホロスコープを出して見ましたところ、前日が満月でした。
ノードも近くにありますので皆既月食です。

おそらくオンタリオの山火事は、前日か明け方に発生したと思われます。
蠍座の満月だったので、ルーラーの冥王星も勢いづいていたことでしょう。

場所はケンブリッジ、時間は午前11時に設定して作成しました。

この日は、太陽が牡牛座の最終度数で、土星とオポジション。これがカイトの軸になっているのがわかります。全体的に風のエレメントが多いです。

双子座で火星と天王星が合になっており、その天王星は天秤座に入ったばかりの海王星とスクエアになっています。
また天王星は、水瓶座の冥王星とセスキコードレート(135度)です。
牡牛座の水星はカイロンと合。冥王星とオーブ1度のスクエア。水星は、射手座の土星とクインカンクス(150度)

天王星は、水星の親分のようなエネルギーですので、火に油を注ぐごとく、強風で火事を煽っていたように感じます。
天秤座にいる木星が、火星・天王星とトラインですので、これが火災の規模を大きくしたのでしょう。スクエアの海王星も同じように広げる働きをしたのでしょう。
カイトが出来ていたせいなのか、スイスイと煙が流れていたのでしょう。

月が射手座に移動しているので、人々にとっては晴天の霹靂のような出来事で、かつ、射手座のテーマとしての宗教観が強く刺激されたことでしょう。


ところで、1881年に再び、ニューイングランドは暗黒に見舞われました。

1881年9月6日、マサチューセッツ上空は焦げた黄色に変わり、正午が夕暮れのように見せるほど日光を覆い隠しました。人々は怖がり、世界の終わりが差し迫っているとさえ信じている人々もいました。
黄色い火曜日は、1780年のニューイングランドの暗黒日と似ていました 。そこでは、不明瞭な日光が奇妙な明るさを生み出し、草が青く見えました。

Yellow Day, 1881

オンタリオ州とミシガン州の火災(サム大火)による煙霧がニューイングランドに移動し、日光が最大90%減少したそうです。
1881年9月6日のホロスコープを見てみると、火星が双子座20度で、乙女座14度で重なった太陽と天王星とスクエア。
水星も乙女座20度にあり、火星とタイトなスクエアになっていました。
そして、この乙女座の3つの星は、牡牛座でコンジャンクションになっている水星土星とトラインでした。
このときは満月の2日前だったようです。

約100年後に同じ場所で同じような現象が起きるなんて、興味深いですね。
まるで神からの啓示のよう。

この記事を書いている途中で、こんなニュースを目にしました。
英国気象庁が黄色の雷雨警報を発令し、「血の雨」が今週襲う可能性があります
激しい雷雨とサハラ砂漠からの塵の雲が混ざり合うため、イギリス国内では数日間に赤またはオレンジ色の雨が降る可能性があるそうです。
イギリスではよくあることなんでしょうけれど、これも終末感がありますね。赤い雨は見たくないかな。

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