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Charles Ⅲの戴冠式と月食のこと

5月6日のチャールズ3世の戴冠式が近づいて来ました。
1066年のウィリアム征服王の戴冠以来、戴冠式が行われてきたウエストミンスター寺院では、チャールズ3世は40番目の戴冠になるそうです。

これまでの戴冠は、先代の国王の喪が明けてからになるため、新国王は即位してから1年以上後に戴冠していました。
今回は、女王の死から8カ月後になるので異例ですが、チャールズ3世が高齢であることが考慮されたそうです。
それ以外にも何か思惑がありそうな気はします。

5月6日といえば、エドワード7世(1841年11月9日 - 1910年5月6日)が亡くなって、ジョージ5世(1865年6月3日 – 1936年1月20日)が45歳で即位した日(1910年)です。戴冠式は、翌1911年6月22日に行われました。
このときは、日本からは東伏見宮依仁親王らが参列されたそうです。
ジョージ5世は、日本好きな王様でした。王太子時代に来日され、その際に龍の入れ墨を腕に入れられたそうです。

また、ジョージ5世は孫娘のエリザベス女王を大変可愛がっておられたそうですが、実は女王の夫君フィリップ王配にとってジョージ5世は命の恩人でした。
1922年にギリシャでクーデターが起き、ジョージ5世にとっては従弟に当たるギリシャのアンドレアス王子が革命政府から死刑を宣告されました。
ジョージ5世はただちにギリシャに艦艇を送り、アンドレアス王子一家をフランスへ亡命させました。
フィリップ王配は、そのアンドレアス王子の子どもです。

さて、Twitterに簡単に戴冠式の星読みをUPしていましたが、この記事ではもう少し詳しく読んでみたいと思います。

上の記事にも書きましたが、イギリスは5月5日の夕方に月食が起きます。
英国は占星術の本場なので、月食での戴冠には反対も多かったのでは?と想像しているのですが、逆にすごいエネルギーがチャールズ3世に与えられる月食になるかもしれません。

現地の天気予報では雷雨になりそうだとか。野外のパブリックビューイングは中止になるかもしれませんね。


戴冠式のホロスコープ

目安として現地時間11時でホロスコープを立てて見ました。
太陽は牡牛座15度にあり、不動宮のエナジーポイントです。二十四節気では「立夏」にあたる位置です。

2023年5月6日午前11時(ロンドン)

月食から約19時間しか経っていないので、まだ月は蠍座24度にあります。
チャールズ3世の生まれたときの太陽の位置(蠍座22度)に重なります。
これは個人新月と言われ、リセット&スタートのタイミングです。

アセンダントは獅子座で、獅子座ルーラーの太陽には、占星術では王様の意味があるので、国王にスポットライトがあたる戴冠式にちょうどいい時間帯です。太陽は10ハウスにあり、王の位置として相応しいものと思います。

興味深いことに、太陽(牡牛座15度)に小惑星ダイアナ(牡牛座14度)がコンジャンクションしています。ダイアナは月の女神の名前ですが、ダイアナ妃をも思い起こさせますね。
ダイアナ妃は、牡牛座24度に金星を持っていたので戴冠式の月とはちょうどオポジションです。(ウィリアム王子も牡牛座25度に金星がある)
これは何を意味するのでしょうか。とてもとても興味深いです。

ダイアナ妃にとっては不幸な結婚でしたが、寂しい者同士がくっついただけだったからうまく行かなかったんだろうなと私は思っています。
マスコミによって作られたダイアナ妃の人気が凄すぎて、チャールズ3世の評判は地に落ちてしまったけれど、魂同士は初めから赦しあっているんじゃないかな。

戴冠式で着用される法衣

蠍座の月は国民を表し、国民は4ハウス(家)にいます。これは、国民の関心が自分のルーツ(イギリス)に向けられていることを意味しています。
この月の度数は、エリザベス女王の土星の位置でもあるので、女王の面影をだぶらせて感慨深いです。

MCに小惑星カイロン(牡羊座17度)がコンジャンクションになっており、イギリス国民にとっては70年ぶりの戴冠式が、自国の歴史の深さと重さに改めて感慨をおぼえることでしょう。

私は理由もなくイギリスが好きなのですが、歴史を知る度「罪深い国だ」と思うことがよくありました。きっと大国と呼ばれる国はどこの国でも同じですね。日本だって相当・・・。
でも、先祖がどんなに悪いことをしていても、自分の国を卑下する必要はないと思います。過去を真摯に受け止めつつ、未来への夢を思い描いて、私たちは受け継いだ命を大切に生きて行けばいいのですよね。

また、月は太陽とオポジションになっており、水のグランドトラインをカイトにします。
新国王の戴冠式でイギリスが盛り上がっているかどうか、情報が少なくわかりにくいのですが(Twitterでは「Not! My King」という書き込みも多いです)、ダイアナ妃の事故死に続き、エリザベス女王の逝去にショックを受けている国民が多いことでしょう。
でも、カイトが出来ているので、国王の戴冠をきっかけに再びイギリスは活気づくように思います。

気になるのは12ハウス蟹座21度の火星です。
火星は、水のグランドトラインの一点でもありますが、木星、冥王星とのTスクエアの一点でもあります。テロやクーデターが計画されているかもしれません。戴冠式当日も、パレードの沿道で1000人以上がデモを行う計画があるそうです。
でも、国王は逃れられそうな感じ。王子たちは気をつけたほうがいいかも。

と、書いていたら・・・
戴冠式前にバッキンガム宮殿に薬莢投げ込みか 男逮捕 (msn.com)
男がバッキンガム宮殿の敷地に「ショットガンの砲弾を投げた」後、警察はセキュリティの質問に直面しています|デイリーメールオンライン (dailymail.co.uk)
デイリーメールの記事によると、男はナイフと爆発物を所持しており、「王を殺すつもりだった」と自供しているそうです。

戴冠式当日の警備は通常の警察官に加え、銃器部隊や不審物の捜索を専門とするチームなど合わせて1万1500人以上の態勢であたるとのことです。

イギリスの月食図

戴冠式の前日、現地時間夕方18時半すぎに月食が起きます。
月食の影響は約半年間続きます。この月食は、4月20日の日食とセットですが、2022年10月25日の新月(日食)の結果でもあります。

5月5日月食図(ロンドン)

蠍座の月なので、蠍座のルーラー冥王星も活気づきます。
冥王星は3ハウス水瓶座0度にあり、ICとコンジャンクション。
また、冥王星はディセンダントとコンジャンクションになっている木星(牡羊座27度)とスクエア。木星は、9ハウス蟹座21度火星とスクエアです。

月食ですので、なにか暴露があるのかもしれません。
冥王星は、7ハウス牡牛座4度の北ノード、8度の水星、9度の小惑星ベスタとスクエアです。冥王星も水星も逆行しています。
ノードが絡んでいるので多くの人に影響があるでしょう。

7ハウスに太陽(王)が入っているので、王室のことが国中で話題になるでしょう。月食の日だけに限りませんが。
そういえば、豪の占星術師さんの話では、この数日前に王室についてのドキュメンタリーが放送されるとか。その方は隠ぺい工作だと怒っていました。ヘンリー王子の出生について、ダイアナを貶める内容だと言いたいようでした。

あるいは、冥王星には「変容」の意味もあるので、新しい国家になることを表しているだけかもしれませんね。
たとえば、国民(1ハウス月)が、7ハウス太陽が意味する国や国王との自分との関係を確認しアップデートする機会になるということかも。

とにかくも蠍座の月食は、メタモルフォーゼを起こすことになると思います。

新時代の英王室、安泰か=若者は無関心、共和制要求も―6日にチャールズ国王戴冠式 (msn.com)

国王と月食

蠍座生まれのチャールズ3世(1948年11月14日ー)にとっても、大きな意味を持つ月食です。

チャールズ3世の北ノードは、牡牛座4度にあるのでノードリターンです。(月食図の北ノードも牡牛座4度)
前回のノードリターンは2005年。この年の4月9日にカミラ王妃と結婚式を挙げています。前日は日食でした。
今回は、4回目のノードリターンで国王になったわけです。「満を持して」ということかな。

先行日食は、1948年11月1日蠍座8度でした。サビアンシンボル(+1度)は不可能を可能にする「仕事中の歯医者」。
人々から苦しみを取り除き、癒すことが、先行日食に現れているチャールズ3世の使命です。

今回の人生の目的である北ノードのサビアンシンボルは「虹の端にある黄金の壷」。虹は神の約束とか契約と言われ、神から与えられた使命を達成する代わりに、必要な物質的な条件や富が得られるという意味があります。
神との約束を果たすために、王室に生まれて来られたのでしょう。
しかし、ネイタル太陽は地底にあり(MCから遠い)、国王になるまでの時間の長さを思わせます。

天頂の月(牡牛座0度)はエリザベス女王(太陽が牡牛座0度だった)を表しています。
そういえば、松村潔先生が「月とノードがコンジャンクションしている人は、なぜか知らない人に恨まれる」と言っておられたのですが、まさにチャールズ3世はそれです。

よく知らないけれども、チャールズ3世は、みんなが言うほど悪い王様ではないと思います。といって愛される王様とも言い難いですが。

月食のトランシット

蠍座生まれのチャールズ3世には、冥王星は重要な星になります。
ネイタルの太陽(蠍座22度)と冥王星(獅子座16度)はスクエアの範囲で、太陽冥王星スクエアを持つ人は、晴天の霹靂のように衝撃的な変化に見舞われることが多いと言われます。
それはこの世的な価値観では不運に思えることですが、霊的な見方をすれば精神的成長へのステップであり、衝撃の度合いが大きければ大きいほど、その経験を糧として成長しようと決めてきた魂だと思います。

月食の太陽(牡牛座14度)は、ネイタル獅子座16度の冥王星とスクエアになり、ネイタル太陽(蠍座22度)とで緩い不動宮のTスクエアになります。
Tスクエアの頂点になるネイタル冥王星のサビアンシンボル「賛美歌を歌う、教会のボランティアの聖歌隊」の意味は、善意と奉仕精神。

トランシット冥王星(水瓶座0度)は、チャールズ3世のホロスコープでは6ハウスに入り、ネイタルのノード軸とでTスクエアを形成しています。
(わかりやすくするために茶色の線を入れました)

冥王星のサビアンシンボルは、「カリフォルニアの古いレンガ造りの伝道所」。私がフリーメイソン度数と呼んでいるうちのひとつですが、意味は「大きな理想を具現化する」こと。

英王室の男性のほとんどは、古くからフリーメイソンに入会する習慣があります。
国王になると会員から抜けないといけないのですが、辞めるのではなくその上の地位に就くのです。

ロンドンなのにカリフォルニア?というのはおいといて、
700年の歴史あるウエストミンスター寺院での戴冠式は、過去の国王たちの夢(我が命ある限り国を繁栄させる)を引き継ぎ、国民に対する責任を負うということですね。

トランシット冥王星が、労働奉仕を意味する6ハウスに入っているということも、国王として国民を癒す存在になることを意味しているように感じられます。
チャールズ国王、6日戴冠式 生活苦に配慮、簡素化 (msn.com)

しかし、トランシット冥王星は曲者でして、6ハウスには医療衛生という意味もあり、重い病気になることもあり得ます。
時々、チャールズ3世の手の指が異常にむくんで見えるときがあり、おそらく持病をお持ちなのだろうと思います。

それにしても個人新月、ノード回帰、トランシット土星とネイタル土星がオポジション、トランシット水星とネイタル水星もオポジションというすごい配置の月食です。
運命を受け入れ責任を引き継ぐべきタイミングであり、王太子から実際に王にメタモルフォーゼする絶妙のエネルギーを感じます。
アセンダントが獅子座であることは、王室の紋章のレパード(獅子)にもシンクロします。

長くなってきたので、戴冠式が終わったら続きを綴りたいと思います。
戴冠式がトラブルなく遂行されることを願って、今日はこのへんで。

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