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邂逅の道 #2

憧れの女の子


「おーい、準備できたか?」
俺は、部屋の奥にいる…息子の優吾に向かって声を掛けた。

「はーい!今、いきます。」
と、優吾の声がすると、大きなバックを2つ肩にかけた姿で現れた。


今日は、俺が待ちに待った「引っ越し」の日。
…と、言っても何もかもが引っ越すわけではない。

優吾と、彼の母である優祈…彼女たちが20年暮らしたこのマンションから、優吾は俺の家へ「身一つで」やって来るのだ。

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