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2年前に惰性で読んだ作品の感想を書く

 このnoteにはネタバレは含まれていません。

 初めまして、blessと申します。
 タイトル通り、2年前に惰性で読んだ作品の感想を今書きます。
 作品のタイトルは『Re:LieF 〜親愛なるあなたへ〜』という、いわゆる18禁アダルトゲームに分類される作品です。平たく言えばエロゲです。

 何で今更、それも惰性でやった作品の感想を書くのかと聞かれては、私は何も答えることはできません。そこに理由はなくて、何となく何かを書きたいと思い、それが何となく感想な気分で、じゃあ感想を書こうと思った時、何故かこの作品が頭に浮かんだ、本当にそれだけの理由です。

 大筋は覚えていても、端々の会話は思い出せない。作品の設定すら、もしかしたら記憶しているものと相違があるかもしれません。唯一確かなのは、私がこの作品に心動かされ、涙を流したこと、それだけを頼りに、今から感想を記していきます。前置きが長くなってしまいましたが、それでは


あらすじ

 『失敗は成功の母』

 最初に言ったのが誰なのかは知らないが、きっととても強い人なのだろう。強くて、優秀な人だったのだろう。だからこそ、この言葉は広く、そして正しいものとして広まった。

 事実、失敗が成功のための火種となることは往々にしてあるのだと思う。強い雨風を耐え抜いた草木がとても美しい花を咲かせることは、誰もが知っていることだ。

 しかし、耐えられない挫折というのが存在することも確かだ。
 心が折れて、何もかもから逃げ出したくなるような挫折は確かに存在していて、そう思う限度だって人によって折々なのだ。世の中、花を咲かせる前に枯れて朽ちる草木というのは、珍しいものではない。

 この物語は、そんな枯れかけの、萎れた人々の物語。
 社会に適応できず、人並みに生きることすら許されないと悟った、そんな蕾たちの物語。

 彼らは、全てを背負ったまま、全てを忘れて新たな世界に身を乗り出すことになる。
 インターネットもコンビニもない、世間から隔絶された太平洋の小さな島、御雲島。そんな島に集い、主人公たちはある計画に参加し、寮に集い、制服に袖を通し、もう一度学園生活を送り始める。

 新たな環境、新たな友人、新しい世界で、彼らは口にする。

「試してみるんだ、もう一度」と

感想

 私はこの作品のことがとても好きです。
 何度も泣かされましたし、心にも深く刺さりました。

 しかしそれと同じくらい、私はこの作品のことが嫌いになりました。
 涙を流したからこそ、心に刺さったからこそ、何度も読む手を辞め、いっそこの作品を読み進めることを辞めてしまおうかとすら思ったことすらありました。というか、本当に読みたくないという思いが強くなり、1か月ほど手を付けていない期間がありました。
 それでもまあ、何人かのフォロワーが薦めてた作品だし、ここまで読んで放棄するのは勿体ないし、安くない買い物だしと、そんなサンクコスト効果的心情で読み進め──数時間、手が止まらずに読み続け、感動し、どうしようもなくこの作品のことが好きだと思いました。

 そのくらい、この作品は登場人物の感情表現が繊細で、とても深く心に刺さる、突き刺さるものとなっています。
 読み始めてから約5分、そんな短い時間で袖を濡らしたのは、きっと私だけではないはずです。

 紙芝居なんて揶揄されることもあるエロゲですが、この作品の演出はとても良かったと思います。一枚絵が美麗なのは当然のこと、シナリオ中に挟まれるムービーや、OPやBGMなどの楽曲も本当に素晴らしいものになっています。

 無理矢理泣かせに来る、俗にいう『お涙頂戴』的シナリオでなかったのも好みでした。届けたい想いがある、伝えたい言葉がある、そんな純粋な願いを感じました。

 少しネガティブな点も話すと、このゲームかなりグランドルート特化の作品です。
 個別ルートが伏線どころの話ではなく、半ば未完成と言っても差し支えない内容になっていて、不完全燃焼というか「え?それで終わり?」と思われてもまあ仕方がないかな、みたいな内容になっています。
 それでも私は全ルートしっかり楽しめましたし、グランドルートの面白さは今まで読んできた作品の中でもかなり上位でした。

 伏線で思い出しましたが、グランドルートで「伏線回収だぞ?ほら、すごいだろ?」みたいな感じがなかったのも好みでした。伏線をあくまで物語の道筋として使っていて、それ自体が目的となっていない作品が私は好きだ。

まとめ

 あらすじの通り、この物語はそれぞれの挫折を経験した登場人物たちがもう一度前を向き、一歩を踏み出すまでの、卒業までの物語です。
 この先の未来と向き合い、忘れてきた過去と向き合い、そうして再び旅立つまでの物語です。

 この物語を通し、背中を押される人もいるでしょう。あるいは、綺麗事と吐き捨ててしまう人もいるのかもしれません。あなたにこの作品がおすすめかどうかは私にはわからない。けれども、私はこの作品に心を動かされ、涙を流し、背中を押されるとまではいかなくとも、ほんの小さな勇気を貰いました。だから是非、私はこの作品を貴方におすすめしたい、そう思っています。

このnoteのまとめ

 書いていたらもう一度やりたくなってきました。まとまった時間が取れたらまたやろうかな。
 どうでしたでしょうか、このnoteを読んで少しでもRe:LieFに、ひいてはエロゲに興味を持っていただけたら幸いです。既プレイの方は貴方の感想を是非教えてください。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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