無いなら作ればいいじゃない

自己紹介をゲームで語るいつかやりたいなと思いつつ、初めて自力でクリアした「バハムートラグーン」だろうか、小説を読むようにしてくれた「かまいたちの夜」だろうか、競馬への道筋を作った「ダビスタ96」だろうかとか色々考えていたが、そう言えば影響力で言えば一番でかいゲームがあったなと思い出した。
ゲームなのかと言われると微妙なところもあるのだが「RPGツクール」だ。

初めてプレイしたのは友達の家。SFCのRPGツクールを友だちが買ったと言うので一緒にプレイしていた。
ただ当時小学生だった自分たちには凄く難しいゲームだった。
フィールドから街に入れない、敵とエンカウントできない、宝箱から無限にアイテムが手に入るなどゲームとして成立させるのが難しかった。
友達の家で少しやるには向かないゲームですぐに一緒にプレイしなくなったのだが、ゲームをプレイするのがずっと好きだった自分はゲームを作れるゲームが有るということを知って凄く興奮したことをよく覚えている。

自分の「RPGツクール」を手に入れたのはその後まもなくしてだった。
実際に真面目に作りはじめてゲームを作ることの難しさを知ることになる。
ただその難しさ以上に自分の思い通りにゲームを動かすことが出来た時の快感も覚えてしまった。
特にRPGツクールの最初の難関とも言うべきスイッチは、何回も繰り返しプレイして上手くフラグ管理されているかを確認する作業が個人的には凄く楽しかった。おそらくデバッグの楽しさを知ったのはこのときなのだろう。

このゲームに初めて触れたときから漠然と将来の夢が「ゲームを作る人」になったのは自然の流れであった。
その後もコンシューマーで発売されたツクールはだいたいプレイしたし、大学も情報系に進んでいたので実際のプログラミング言語も学んで「ゲームを作る人」は近い存在になっていった。

ただ実際には「ゲームを作る人」になる道は選ぶことはなかった。
これは色々理由があるのだが、漠然とした「ゲームを作る人」になりたいが、実際に色々学ぶうちに「プログラマ」という具体的な目標となり、そこに関してはゲームという分野にこだわりが無くなっていた。
ゲームに近い業界も受けたりもしていたが、結果としては普通のソフトウェアのプログラマとしてこうして生きることとなる。

ゲーム1つとの出会いで今の職業が決まっていると考えると、自分にとっては一番大事なゲームだと改めて思いました。

ちなみに実は就職した後もRPGツクールを遊んでいた時期もある。
PCのツクールで遊ぶようになったので、実際にプログラマとして仕事している自分の力を使ってかなり複雑なシステムを組んだりして、凝ったゲームも作っていたのだが、会社でも家でもプログラミングというのは単純にストレスになるのでもうしばらくツクールシリーズも遊んでいない。

この記事を書きながら久しぶりに遊びたいなと言うのと、PCの奥に眠っているStory Editorで作ったゲームの世界観設定を書いた黒歴史を消さなきゃなぁと思う夏休みの終わり。

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